夕陽が呼吸する
昼を吸って
夜を吐いてゆく

夕陽が広がる空は
とてつもなく大きいけれど
その呼吸は
かすかに揺れているだけ

夕陽は静かに呼吸する
微かに夜を吐いてゆく
全ての ....
どこにでも手に入る
いつでも目に入る
そんなモノに囲まれて
いつも当たり前だと思っている

けれども
それを作る工場は
最初はそれが何であるのか
さっぱりわからない

何も関係なさ ....
キラキラキラ はじける光
これは涙ですか
叶わぬ恋が残したものは
夏の名残りと痛みだけ

サラサラサラ 気まぐれな風
あれは嘘ですか
ささやいた言葉が風を伝って
まだ耳元でこだまする
 ....
すじ雲が広がる空の中で
遠くの方で飛行機が弧を描く
ゆっくりと大きな旋回だった
夕陽に反射する銀色が
勇ましかった

飛行機は目的地に向かうための
方向を変えるというよりも
今の空をす ....
玄関の向こう側で
人の声がする
それは私の知らない人の声

玄関の向こう側で
行き来する自動車の声がする
それは忙しいと街が嘆いている声

玄関の向こう側で
ジェット戦闘機の声がする ....
祭の金魚すくいで義理でもらった
間に合わせの小さな薄いビニール袋に
入れられた時から
すでに水がこぼれていた
それでもそこから漏れてくる水を
押さえながら
そろりそろりと家に持ち帰る

 ....
今日 旅先で

梅の木から梅の実が落ちるのを見た

君もまた

あの梅の実のように誰かの手に落ちるのだろうか

僕ではない誰かの手に
高い空から照りつける
強い陽射しがじりじりと
焦がれた土は風の手に
夏の匂いと蜃気楼

細い川から流れ出す
静かな音でさらさらと
潤う水は風の手に
夏の匂いと糸トンボ

小さな店に ....
勢いに任せて 何となく今日まで生きてみたよ
違うよ 生かされているんだ ああ言えば こう言う
もうどっちだっていいよ どっちかなんて 決めたくないよ

何とかなるだろって 切羽詰まって
結果 ....
見慣れた校庭が
一晩だけ様変わりする

綿菓子、水飴、金魚すくい…
走り回る僕ら

ここは夢のような異世界



雑踏に沈む大人たち
今は絵日記も自由工作も追いかけてこない

 ....
その日の夏が始まる
トンボが空をすいすいと
気持ちよさ気に飛んでいる
空は泳げることを
初めて知った
昨日も見たというのに

その日の夏が折り返す
繁る木々の葉がさわさわと
軽いリズ ....
あの時感じた風は
今も優しく私の周りにふいて

そっと眠りへ誘います

木々の緑は
太陽光を遮りながら
美しい木漏れ日を描き

夏の花々は
暑さに負けずに太陽に向かって
 ....
あなたへの手紙を書いていた

のに

万年筆のインクが

なくなった

のに

引き出しには



しか

詰まっていなくて。



白紙の便箋だけで

 ....
日が沈む音がして
二人は無口になった

語り尽くされた
愛の抜け殻の中を
夏の匂いが吹き抜ける

あなたの心の声も
花火の音に掻き消されて
何も聞こえなかった
私が見つめていたいのは
空だけであり

私が見つめられていたいのも
空だけである

その真実が
私から空を遠ざけている
とんでもないよ
 
どうしようもないよ
 
溢れだす
僕の存在
 
圧倒的な
喪失感
 
君が怖い
僕が怖い
 
僕の思いと
裏腹に
 
世界は
無情にも
姿を変え ....
人は
一人では孤独にはなれない

もし人間が
最初から自分だけだとしたら
孤独という感情が生まれることは
ないのだろう

孤独になれるのは
多くの他人の鼓動と呼吸とを
ぶつけあい
 ....
風が止まったと同時に
少年は小さな石につまずいた
たいした怪我ではなかったが
泣き叫んだ

辺りを見回した
誰もいない
一人で立ち入り禁止の工事現場に
入っていた
日曜日の今日は誰も ....
真新しいブラウスの
短い袖がまぶしいね
軽やかにステップ踏んで
夏の扉に飛び込もう

光の娘たちが踊る夏の道で
いつも空を見上げていたね
湧き立つ雲の{ルビ眩=まばゆ}さに心魅かれて
 ....
お父さんばかり旅行して
子どもたちはそう言っているが
単なる出張をしているだけだった

夏休みだというのに
どこへも連れて行かせてやれない自分が
情けないのだが

仕方なく今回も出かけ ....
空が滲んでいる
夏の午後の昼下がり
遠くからだんだんと自分の方へ
その暗闇が近づいてくる
あっという間に
滲んだのは空だけではなくなった
明確だった単語や熟語の中を
その雲は浸透してくる ....
自然の中を吹き抜けてゆく風は
循環している
その中で生き物は同じ場所で
絶えず同じ命を繰り返す

街の中を通り抜けてゆく風は
まっすぐに流れている
その中で生活する人々は
絶えず便利さ ....
気づいたら
自分の後ろに
千の詩がこぼれていた
足跡とともに
時には運命に悲しみ
時には人に喜び
生きてきたことを
生きていることを
感謝する
まだ前に道は続いている
そう
まだ ....
何かをしたかったけれど
何もできなかったあの時の
あの空に
苛立つ自分の気持ちを投げていた
あの白い雲にもう一度

夢を持ちたかったけれど
何も描けなかったあの時の
あの空に
悲しい ....
わたしのなかに
空っぽがあるの

小さな空っぽがたくさんあって
どうやっても埋まらないの

まるでガラスの中の泡みたいに

でも
その泡が
わたしを彩ってるのかもしれない

こ ....
きみがもし
にさんかたんそを
はくのなら
ぼくはそれさえ
すうとちかうよ
 
きみがもし
にさんかたんそを
すうのなら
ぼくはそれさえ
あいしていくよ
 
そしてもし
すこし ....
立っているだけで
汗が落ちてくる夏の
その夜
星が飛んでいた
短い夜の間だけ
羽ばたいていた
月へ向かおうとする星
大地へ降りようとする星
それぞれの運命に従って
音もなく
飛んで ....
私の心の悲しみは
あなたがいないと鳴く小鳥
私の心の悲しみは
いつまでたっても止まぬ雨

私の心の悲しみは
ひとり寂しく見る夕日
私の心の悲しみは
寄せては返す波の音

私の心の悲 ....
夏の朝
自転車に乗った白い半袖たちが
自分の背中から追い抜いてゆく
夏が起きる

背中にはラケット
自転車の前かごには大きなバック
白い半袖たちの顔は
どこか緊張している
これから白 ....
夜の夏がほのかに飛んで
闇の中に夢を描く
この世界に音は必要としない
ただわずかばかりの光だけが
飛びさえするだけで
夜の夏は十分なのだから

夜の夏が静かに飛んで
闇の中に夢を灯す
 ....
信天翁さんのおすすめリスト(752)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夕陽が呼吸する- ぽえむ君自由詩15*07-8-9
不思議な日常- ぽえむ君自由詩6*07-8-8
向日葵- 未有花自由詩8*07-8-8
空を旋回する- ぽえむ君自由詩6*07-8-7
玄関- 乱太郎自由詩24*07-8-7
祭の金魚- ぽえむ君自由詩5*07-8-6
【ジェラシー】- つむじま ...自由詩2*07-8-5
夏の匂い- ぽえむ君自由詩11*07-8-5
優しい言葉- 蒼穹自由詩7*07-8-5
夏祭り- 由希自由詩2*07-8-5
昨日も見たというのに- ぽえむ君自由詩16*07-8-3
愛風- 彌月自由詩4*07-8-3
手紙- 桜井小春自由詩107-8-3
花火- 小川 葉自由詩307-8-3
真実- 松本 涼自由詩607-8-3
ながれぼし- ブロッコ ...自由詩307-8-3
孤独の物語- ぽえむ君自由詩10*07-8-2
転んだら立て- ぽえむ君自由詩9*07-8-1
夏の瞳- 未有花自由詩12*07-8-1
旅に出よう- ぽえむ君自由詩3*07-7-31
空が滲んでいる- ぽえむ君自由詩19*07-7-30
循環する風- ぽえむ君自由詩14*07-7-29
千の詩- ぽえむ君自由詩20*07-7-27
あの白い雲にもう一度- ぽえむ君自由詩15*07-7-26
気泡- 風音携帯写真+ ...5*07-7-26
きみ_と_ぼく(連詩)- 山中 烏 ...自由詩8*07-7-26
星が飛んでいる夏- ぽえむ君自由詩11*07-7-25
私の心の悲しみは- 未有花自由詩27*07-7-25
白い半袖- ぽえむ君自由詩6*07-7-25
夏の夜- ぽえむ君自由詩10*07-7-24

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