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もはやしとではなかった 

つまり藻は、
一緒に暮らしていた椰子と
買い物に出、
花を買ったのである。

苛々 )))
「ちがうちがう、
もはやひとではなかった 

あ、
しと ....
薄闇に見る、葦の原
風に穂を激しく揺らしては堪えきれず
茎の根ちかく 折れ曲がり、
ついに起きることもない

飛沫の散る 河原の
無常なる日暮れを
化粧の崩れた女と双んで歩く
水辺の冷 ....
 確かに 彼の家系は
イギリスでは卑しかったものの
今やアメリカにおいては、彼は大富豪
夢を追いかけ、ついに想いを実現させた

愛用のジェットで空をゆく
まぶしい空に白い軌跡を残して

 ....
世界同時革命の僅か数秒前――
雪の溶けた路面に滲んだ血の色を見下ろす
LED信号機と、旧いアナログの時計台、
やがて爆撃されるであろう
銀行、教会、幾多の官公庁

崇高な思想に値しない愚者 ....
  ○
   。 
  。 ゜ 〇
ぶくぶくと発酵し、
白く泡立った発話の音が
プチン、パチンと弾ける刹那
手織の薔薇に包まれた沈黙の森へ
貴重な琥珀金を含んだ飛沫を散らす、
ランゲル ....
僕の名前はリナ・ローウェン、
かの大詩人が即興で名づけた
 ニックネーム。 )))
彼は人並みに僕を抱いて
  「もう愛してなどいない
            と、言った

そしてパリで ....
ナベダ。と、いえば白菜
椎茸と人参、牡蠣も好いし
牡丹肉も好い、
豚でも鶏でも好いけど
鴨が好い。素晴らしく鴨は美味い

しかし皮ハゲも好い
肝をすり潰したやつとポン酢でいただく
そし ....
 「そうじゃなく、忙しくて

 「つい・・・・

 無視するつもりは終(つい)ぞなく
 なんとなく、踏んでしまった過ちの日を重ね
 やがて君たちが冷たくなって 眠る街に
 雪は降り積り  ....
白い花弁に滲んだ色は、
褪めた肌の哀しみにも似て
わずかな岩の裂け目へと根をつけた
くらしの危うさを今も孕みながら
押殺した声の倹しい日々さえ底なしに
やがて崩れ落ちる恋に焦がれて

夢 ....
さらさらと、枯れ落ちた葉が
校庭を這う風に追われ
やがて空へと逃げてゆく放課後

音楽室のピアノはショパンを奏で
窓からのかよわい陽射しと
僕を汚す、黒板のひどい落書き

鞄を逆さにす ....
     干瓢もなく、
    胡瓜も
   ピンク色した田麩も
     高野豆腐もないままに
    風は吹き

    サラダ巻きでも、
     納豆巻きでも、
      鉄 ....
咽喉を刺激する大気、
  サビて崩れる鋼鉄の、
      強靭な幻が都市を支え
         静かに腐食してゆく世界、

 やがて酸性雨を降らせる雲が西の空にたなびいている

   ....
潮の、))) ほとんど動かぬ 海の近く
馬鹿野郎どもの穢れた営みの
澱んだネイティブ・ジャパンの痴呆都市に巣食う
親父は かつて高校教師だったが、
少女売春で巨財を築き
いまでは某組織の親玉 ....
ありきたりな言葉 が 加熱された反応炉で
鮮やかなシグナルレッドから突然、ス、ス、ス、
ス、スペクトラムブルー となって煌く。
                 
      その瞬間の美
 ....
花の匂いは、十一月の始まりに 「菊。
拡散した夜の悶えにも似て
許されぬ 禁断の愛を、むりやり奪うキッス

そして男たちの作る、百足の行列
いや蝸牛への接吻と舌づかい
ぐるぐる輪を描く、ラ ....
空とぶセスナの 繰り返される女の声が
街中、凶暴にふりそそぐさなか、彼はいつものように
駅前のロータリーでキャベツを抱いて
 坐る。 踵をつぶした革のスニーカーを穿き、
深緑のトレーニングウエ ....
天使(えんじぇる)、」
計画ではロゴスの成就のために
すべての密林を焼き払い、
あまねく地表を、暗黒色の瀝青で覆うつもりだ 
( 今世紀、中頃までにネ。
「我々は森や大地によって生かされてい ....
湖面に幽かな波紋をのこして沈む
かたちなき夜の杖が
 ことばもなく

彷徨う声の虚しさに散らばる
 沈黙の
  ただ拡がるばかりの濡羽色の森は、
   音もなくざわめき
    漂う、 ....
あれは大阪長居の安アパートに転がり込んできた僕みたいに
公園の木の上で啼いているのを 当時、純朴だった妻がみつけ
憐憫の情が働いたのかどうか 
拾ってきた、傷だらけの尻尾のちぎれた子猫だった
 ....
斑に染まる山もみじ、
濃くたちこめた秋の匂いに騒ぐ、
枯れ落ちた葉のざわめき
そして悪戯な、
木蔭を這う{ルビ下=しも}風 )))

そうだ哀しみは、
雲ひとつない秋空へと昇ってゆく
 ....
絡みつく蛇たちの螺旋の夜
巧みに縺れあう虚無と/いのち
淫らな匂いのする、耀う肌の粘りに
虹色の鱗は冴ゆる星の瞬きを映す
やがて消失する碧暗い空にむかって
聳える漆黒の怪奇な木々は
だらし ....
 ある朝、敷きつめられた黄色の並木道は上り坂で、賑やかに下りてくる人々の顔といったら、酷くせわしく時間に追われ、それぞれの世界に憑かれた恐ろしい真顔をしていた。踏みつづけられる銀杏の葉。ふと、「秋扇」 .... どうしても人工のものとは思えない
人のこころに射るような煌きが瞳の内にある

縮れのない/長い黒髪が艶々と生きていた
失うべき幼さを残した神々しいほどの美形の顔立ちに
赤い毒色のルージュと  ....
ミリンダ/メリンバ  /夏の山
 とおく遥かに海の碧(あお)
  白いさざなみ 風の吹く
 寂れた町へも吹き降ろす
   ちぎれた葉っぱは飛んでゆく//

ミリンダ/メリンバ  /乗る葉っ ....
夜をすぎて混ざりあった
イエローとピンク

パステルカラーの朝が 
たなびく空に滲み、
潮の香りと膨らんだワンピース
裸足になったキミがひとり

貝殻をあつめては、
子どものように
 ....
突き刺さる、つよい日ざしが
ハイテク硝子に反射する ビルの高み
嵌め殺しの窓を砕き割ってでも、
落ちてゆく人がいる。

あれは丁度、夏の盛り
カンカン照りの交差点に降ってきた
 肉の塊り ....
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