疲れちゃった 」
atsuchan69

天使(えんじぇる)、」
計画ではロゴスの成就のために
すべての密林を焼き払い、
あまねく地表を、暗黒色の瀝青で覆うつもりだ 
( 今世紀、中頃までにネ。
「我々は森や大地によって生かされているのではない
未来においては、我々が森を管理し 存続させるのである
――つまり都市こそが 今もって文明というわけだが、
我々が生きるにあたっては、自然とは脅威であり
美しくも凶暴な野獣そのものではないか!

詩々(らら)、」
あれは嘘なんだ。
ショパンを弾く君にはきっとわかる筈だ、
さざなみ雲のひびく夕暮れに歌う
トラツグミの哀しみの声 )))

きっと夢は ささやかに閉じられていて、
宇宙を支配する‥‥」等という、愚かな妄想にかられ
天を焦がすほどの火をふたたび、燃やす 祭壇のクローン羊
 その血に混じる、
酷くケミカルな崇高な匂いに
誰もが背き 驕り高ぶる、
――そう、メトシェラの死を弔う果てのない雨に濡れて

七海(まりん)、」
科学こそが 偉大なる神の偶像を
リアルタイムに世界中へと中継/放送し、
慈愛に満ちたヌミノーゼを連鎖的に惹き起こす
蛇のように滑らかで狡猾な、二重の舌に巻かれた「毒」なのだ
それらは古の魔術であり、Wの効果を螺旋状に巻き
肌も露わな衣を纏って甘い声でいざなう、
淫売女(じごく)の常套手段のひとつに過ぎない、

今しも風を切り、奔る、黒いセダンの、吐く、硫黄の匂い! 

美音(りずむ)、」
支配とは、分割して統治するべきものであり
拡散された真実こそが奴隷どもに与えるにふさわしい哲学なのだ
 現に 実存主義者たちは無償の愛を隠蔽し、
セクシュアルな言葉へ個の尊厳をスリ替えてしまった

紅愛(くれあ)、」
聴いてくれ。 
おまえへの欲望が、モラルを壊し
Wの効果」つまり、
おまえの家族と 
俺の妻との
関与しない、螺旋に巻いた「数々の秘密を――

「あれは嘘なんだ。 詩々とはもう何もないんだ
七海は好きだった でも、もう終わった
 美音とはアソビだった。
ああ、ほんとうだとも」 誓ってもいい! 

天使? 「知らないよ、そんな女・・・・







自由詩 疲れちゃった 」 Copyright atsuchan69 2006-10-30 00:35:06
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