累積されたカン違い
atsuchan69

 「そうじゃなく、忙しくて

 「つい・・・・

 無視するつもりは終(つい)ぞなく
 なんとなく、踏んでしまった過ちの日を重ね
 やがて君たちが冷たくなって 眠る街に
 雪は降り積り さらに降り積り

 朝起きれば、街は一面のイチゴミルク金時

 子供たちが嬉しそうに火炎瓶を投げ、
 酒浸りのレゲエピープルを殺戮する
 若者は処構わずに裸でキスをし
 大人たちは、今日も深刻な真顔で仕事へむかう

 「そうじゃなく、忙しくて
 やっちゃった、ミスはミスだが
 手術のあと患者のからだにメスを
 「つい・・・・忘れてしまった

 街は色めきたってオレンジの炎に包まれている

 「そうじゃなく、忙しくて
 追われて見たのは、いつの日かじゃなく
 負われて見たのだけど、えーと五(いつ)の日か?

 気がついたときすでに
 地動説は相対性理論へと引継がれ
 君は(本当は)男性かも知れない
 また僕は(本当は)女性なのかも知れないのに
 アベコベのまま日を重ね
 
 朝起きれば夜の帳はまだ降りたまま

 いや、そのまえに此処は誰の家だろう?
 ベッドに横たわるのはトド。
 僕はオットセイ、おっと背を向け
 ――あともう少し眠ろう


自由詩 累積されたカン違い Copyright atsuchan69 2006-12-08 02:27:12
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