花弁
atsuchan69

想いは儚く
残す轍 遠き道のり

荷の重さ 辛く、
そぞろ立ち止まっては
見上げる空の哀しみの果て

日ごと人目に
焼かれる背の
痛みさえ忘れる夢、
また夢の夢

花に狂う、
春の野を駆けめぐり
いつか散る 瞬く間の色

ふたたび冬
永い沈黙の喘ぎ

やがて溌剌な
若人の声、響く山あい
雪をも溶かし
春の風そよぐ 情景。

祈りにも似た、
曖昧な含み 心託して

凍える身、
ただ温もりもなく
人は思いのうちに散る
――花弁。
修羅のごとく





自由詩 花弁 Copyright atsuchan69 2007-02-02 01:23:30
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