ヘタクソな死
atsuchan69

生きている もーん
――だから?

 いえ・・・・

でもなお、生きているよ

煙草を一本、吸って
屁をする ブー

 さら
    さら

潮の匂いにみちた風が
木々の枝葉をゆらし
海が大波を起こして盛りあがる
遥か沖の津波  逃げまどう波乗り

出てゆくとき、葉っぱをやって
ピンクのウェットスーツがキマッテいた

あの娘もやっぱり 死ぬのかな?

ううん、ちゃんと生きてるよ
煌く、ブルーの渦に揉まれて
ぐるぐる水の中、息も忘れ
海に潜っては ぐるぐる
大波の通り過ぎるのを待って

 その真下に巨大な鮫

口から過剰な泡立ちを
 ごぼごぼと漏らし
機械のように正確な泳ぎで
やがて垂直に浮上する

哀れ、娘よ
鮫の餌食となって
死んじゃったもーん
――と、思いきや

ピンクのウェットスーツは
なぜか脱がされちゃった、けど
中身は痩せすぎて
不味いと思ったのかもしれない
鮫は彼女を吐き出した

ああ、
血まみれだけど
ちゃんと生きている
陸にあがったら、
鱶鰭でも食べようか

ちぎれたパワーコード
ボードが離れて浮かんでいる
「おーい、大丈夫か?
娘は素っ裸で懸命に笑ったけど、
ありゃあ・・・・

――突然、
僕は鮫に襲われ、ゲフォッ。






自由詩 ヘタクソな死 Copyright atsuchan69 2007-03-31 13:18:27
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