真昼の公園で木漏れ陽を浴びて 
癒える筈のない悲しみのことを考えていた 
ときおり吹き抜ける風はすこし熱を帯びて
客待ち顔のアイスクリーム売りの老婆の 
麦藁帽子を踊るように撫でてゆく 
 ....
とうとう動かなくなってしまった
トパーズ色した わたしの鍵
普段持ち歩いているバッグの中で
かさこそ這いまわりながら
わたしの吐き出す
あのひとへの恨みとか辛みとか
どうしようもない思いを ....
水底に置かれて
屈折した空を見上げては
ただの黒い点となって
あぶくを吐きつづける私は

その蒼に抱かれながら
浄化という名のもとに
この躰を満たしながら
還りましょう 雨に

 ....
にわか雨は窓ガラスを叩く激しさで
海辺の汐臭さをわたしの部屋まで連れて来た
波音のひたひた寄せるテーブルで
いつか拾った貝殻の擦れる音色がする
ハンガーにかけたわたしの白いブラウス
温もりの ....
夜に、わたしは 
はしたないほど口を開けますから 
どうぞそこから私の中に 
入っておいでなさい
 
内側から私を喰い尽くして 
やがて空洞になった私の躰は 
それでもまだぬるま湯ほ ....
夜の底で
とうめいな液体を
グラスに注ぐと
風景がゆがみはじめる

どこにもない空間の
だれのものでもない腕に
すがろうとしている
私の指先に

流れるはずのない涙と
あるはずの ....
静寂の水面に一石を投ずれば
波紋がゆらり、影が波立つ
月もまた冷ややかな横顔を
一層歪めて泣き笑いする

この橋の名を面影橋と人は呼ぶ
月明かりの下で我が影を
水面に映せば見えるとい ....
僕が生きている人生は

悲しみに満ちたストーリーだった

泣きながら倒れ

夜空を見上げれば

流れ星が一つ

流れていった

僕は何もお願いすることなく

消えていった
 ....
花曇りの空に舞う胡蝶の
その透きとおった翅を 
欲しいと思う 

やわらかく笑う 
ということを覚えたのは 
いつの頃だったろう 

新しいピンヒールが
足に馴染まなくて 
ア ....
すべての音楽

すべての詩や小説が

慰みにならない時が

勝負だ

涙が乾いたら瞳孔が開いちゃうだろう

お前がこれまで背追ってきた傷を自慢するつもりなら

お前は狂うよ
 ....
少年たちは愛も知らないまま
機関銃と手を繋ぎ
あくびをしている君達や
あどけない顔の君も壊すんだ

もっとよく愛について知っていれば
もっと愛について話していれば
それがなにより大事 ....
空は 晴れて 
緑が 萌えて 
鳥は 唄う 

どうしようもなく 
春で 
朝で 
まぶしくて 

どうしようもなく 
私は
女で 
せつなくて 

風が「る」のような ....
悲しかった

ただ悲しかっただけだった

人を恋することは良いことだが

恋をしてどうなる

その恋がみのるみのらないは

運任せ

恋は本当に自由気ままに

舞っている花 ....
ふと気がついたら
わきの下にゼニゴケが生えていた
不快だけど放っておいた
ゼニゴケにだって生きる権利があるはずだ
そう思って耐えようとした
すると何日かして
あごの下にも
乳房の下にも
 ....
トリノオリンピックが終わった

日本は頑張った

最後まであきらめずに

でもメダルは

荒川選手の金一つだけ

でもぼくは思った

銀は金より良いと書いて



銅 ....
プラネット・ラダー12番地へようこそ
新しい入居者の方ですね
本アパートの管理人です
お部屋まで見送りと
各部屋のご案内をさせて頂きます
こちらへどうぞ

廊下入りまして直ぐ手前から ....
生きる意味に悩んでいるなら
悩んで悩んで悩み抜いて
大いに苦しめばいいよ


それでも君は幸せなんだから


今すぐにでも死にたいのなら
遺書のひとつでも書いて
とっとと死ねばいい ....
耳たぶを
どうか
噛みちぎってほしい

此処から出られなくていい

私が誰で何処から来たのか
なんのために生きているのか
なんども問いかけて
なんども見うしなう

歌なんか
 ....
君が煮びたしをつくっている
キッチンは包まれている
昨日僕が割った皿は
既に片付けられてる
君の右手と
黒子のある左手によって

どこかから漏れてきた西日が
ステンレスに反射し ....
猫ですもの

貴方が好きだと言ったから
頭に飾った紅玉よ
悪役で黒幕な貴方だけれど
お金を沢山持ってる貴方だけれど
そんなもの私が望まないのを善くご存知でしょう
ただ傍に
貴方の膝 ....
君に手紙を送るよ

2年も逢ってないし

電話もしてないな

あなたと二人で撮った

写真が無言のまま

こちらをにらみつけてきていた

でも今も君のことは

心の中で
 ....
息を 
わたしたちは潜めて 
東の空の彼方から 
春がやって来るのを 
待ち侘びていた 

夜明けに 
うすい紫の風が
わたしたちの 
頭の上を撫でながら 
通り抜けてゆくとき ....
放置された畑 咲き並ぶネギボウズ
バコン バコンと
プラスティックバットを振りぬいては
浅緑を空の彼方に弾き飛ばした
なぜそんなことをするのだと叱られたが
ネギボウズの高さが
ちょうど僕ら ....
そっとあなたを見つめる
自分勝手に

わたしは思い出が欲しいの
わたしだけの

だからなるべく気の無いふりをして
あなたに近づいてみる
トイレの前にはいつも長い行列ができ
ひつじの仕事はその行列をうまくさばくことだった

けれど だれもひつじを見ていない
ひつじは アイピローのようにうすっぺらで小さく 
とても背が低いため、 ....
ここはどこだろう

周りには鏡しかなく

あとは惨めな僕が一匹

沢山の鏡に囲まれた僕は

その透き通った鏡にはいっさい

写っていなく

ただそこには

誰かの影だけが
 ....
僕とキミはこの複雑なコンピゥーターの

中で知り合った

この何億人のなかで僕とキミが会う確率は

ほとんど奇跡なんだ

そして二人が結ばれるのも

ほとんど奇跡だ

だからぼ ....
冷たい光が壊れながら
憧れる者の手のひらに落ちるとき
夢見る心は いっそう痛々しく
冬の真昼の傷を負う

さびしさの傷 悔恨の傷
むなしさの傷 かなしみの傷
降りてやまぬ傷は 風に舞 ....
右目がポケットに落ちた
左目を瞑るだけで
見なくて済むものは見えなくなったけれど
溜まっていたゴミや砂が入って
右目からは涙が止まらない
あの人のズボン泣いてるみたいだね
と言う男 ....
君はもう見えなくなってしまった

昨日までいつでも手の届く距離にいたのに

なんでかな

今では君はどこか

遠く遠くに行ってしまっているように

感じ取ってしまう

今聞こえ ....
たかよしさんのおすすめリスト(301)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏至点- 落合朱美自由詩37*06-6-8
エフィメラ(或いは邂逅)- 恋月 ぴ ...自由詩27*06-6-1
夕顔- 落合朱美自由詩31*06-5-29
E_minor_7th(きざし)- 恋月 ぴ ...自由詩45*06-5-27
いかまほしきは- 落合朱美自由詩42*06-5-23
ウォッカ- 佐々宝砂自由詩3*06-5-20
面影橋- 落合朱美自由詩31*06-5-10
虹の種をまきました- こめ自由詩7*06-5-6
花笑み- 落合朱美自由詩4106-4-12
そうさ!- 馬野ミキ自由詩1106-4-4
「銃弾の入った頭で考えたひとつの事」- 木賊ゾク自由詩4*06-3-31
春愁- 落合朱美自由詩3506-3-27
花粉も恋も大流行!- こめ自由詩606-3-26
ゼニゴケ- チアーヌ自由詩10*06-3-15
金よりもあの感動にありがとうトリノオリンピック- こめ自由詩6*06-3-8
プラネット・ラダー12番地の管理人- 蒸発王自由詩5*06-3-8
世界で一番不幸せと思っている君に贈る歌- 恋月 ぴ ...自由詩33+*06-3-8
冬のカナリア- 落合朱美自由詩16*06-3-6
煮びたし- たもつ自由詩906-3-5
ポケモン(ペルシアンにて)- 蒸発王自由詩5*06-3-5
青い便せんの手紙- こめ自由詩406-3-5
春はあけぼの- 落合朱美自由詩4006-3-3
少年のまま- 佐野権太自由詩16*06-2-28
自分勝手な想い- チアーヌ自由詩306-2-27
ひつじの夢- 紫翠自由詩4+*06-2-21
存在- こめ自由詩306-2-21
コンピゥーターのなかで出会った人たちへ- こめ自由詩506-2-17
トワイライト- まどろむ ...自由詩406-2-16
水分- たもつ自由詩1006-2-15
はかない思い- こめ自由詩406-2-14

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10