たぶん

「疲れた」という言葉を使いはじめてから
ずっと私は疲れてるんだろう
「疲れた」という言葉に取り憑かれて
幾久しく

思い込みの疲れ
思い込みの元気
いったいどっちが本当なの ....
インターホンが壊れてしまって
不在票ばかり、溜まってゆく
ドアをノックする手を
誰も持たない


再配達を
今日は頼んだから、
夕暮れにつづく時刻に
言い訳を抱えて
ドアの内側に寄 ....
いくじなしです

ぼくはいくじなしです

あなたへの想いに

両手も

ポケットも

鞄も

引き出しも

ロッカーも

口の中まで

いっぱいだというのに
 ....
俺はあの女が嫌いだった

あの女も俺が嫌いだった

あの女は俺のダチが愛した奴だった


【手向け】−骨−


ダチが死んだ

唖然とした

初めての喪服は
急すぎて買う ....
時代と針金に固められた空から

唄と火薬に燃やされる海へ

魚群 この二文字の内側で

そうか もう僕には翼がない そうか

潮に退屈した鯨が暴れて

街を乗せた船が揺れて

 ....
 てらてらひかる 満月の夜
 年老いたゾウは 檻の外を見ている

 外はすっかり 秋の装いだ
 どおりで最近 足の筋がしくしく いたむわけ
 長いはなで 鉄柵に触れ
 静かに眼を 閉じてい ....
何かが焦げたような臭いがする
最初に気づいたのは
たったひとりの 男だった
どこにでもいるようでいて
どこにもいないような
若いひとりの 男だった
男は狂っていたのだろう
その臭いに鼻を ....
僕はスプートニク2号
地球初
気密室を搭載した
宇宙船


まもなく
僕は
他の兄弟と同じように

宇宙の塵となる
鉄の塊


その日
僕の部屋に来たのは
いつ ....
木がねむると
木のなかに
ほんとうの木がうまれて
風にふれようとする

風がねむると
風のなかに
ほんとうの風がうまれて
空にとどこうとする

空がねむると
空のなかに
ほんと ....
線路脇に建つ家に生まれて
ずいぶんと長い間 そこで暮らしたせいか
今でも 5分おきに
からだを揺らしてしまう


そうやって揺れているうちに
いつしか わたしは
窓ガラスの
3メート ....
空があんまりひくいので
きりんのくびは
つい空から突き出してしまった

そして見たくないものを
見てしまった

あああんなにうつくしいものを見てしまったら
もうぼくは
なにをみてもう ....
俺は犬になりたくない
誰かに仕えたくないんだ
たとえそれが幸せなのだとしても
なりたくない
振る尻尾が無くってよかった


俺は電柱になりたくない
立ち尽くせば宇宙のように包めるのだろ ....
   二人の人間が死ぬと、一匹の猫が生まれる。だから
       猫の目は 時々 左右 色が違う。


 昔、ある国に「世界一美しい王子」がいました。彼は「世界一幸福
な王子」とも呼ば ....
おやすみの挨拶に
朝目覚めた時に
会社へ出かける前に
君は僕に言って欲しいらしい


機嫌の悪いときもあるし
朝は何かと忙しいから
毎回言うのはめんどいなあ


本気じゃなくても ....
溶けゆく闇に    身をうずめ
骨の芯から     温まる
夢か現か      幻か
何処の誰かの    子守唄
今日は今日の    お疲れを
明日は明日の    お疲れを
 ....
知っている人のいないところに行きたくなる。

僕は生きており、今後の道を歩いている。
前を見て
そして振り返る
かどうかは君次第なんて知っている

僕がいてそして君がいて
世界はいたる ....
ああ 心配しなくても大丈夫ですよ
ちゃんと生きてます

ただちょっと
不貞腐れてるだけですから
たぶん

アイツどうしようもないくらい気弱だから
自分からは動きませんよ
まだ当分ああ ....
黒頭巾ちゃんのところに、赤頭巾ちゃんがやってきました。
「あら、お久しぶり。どうしたの?」
「そ、それが・・・。緑頭巾さん。聞いてくださいよ。わたし・・・」
赤頭巾ちゃんは来たときから暗い顔をし ....
殺してしまった

今日、何の罪もない
言葉を

奥歯で
噛み殺してしまった

悔しかったのだろうか
それとも
悲しかったのだろうか

そんなことは
いずれ忘れてしまうのだろう ....
放置自転車を片づける人
放置する人を叱る人
放置自転車に跨る人

自転車が無いから歩く人
放置自転車にぶつかって
自転車のように倒れて
起きあがれない人を
何台もの車が
エンジンのつ ....
何かが変わりそうで
何かがわかりそうな夜に
お金の無い僕は空腹で死にそう
でも半ライスを買える余裕のお金しか無かった
半ライスとラーメンだけ
店員さんは怪訝な目でこちらを見て
店長さんは後 ....
言葉が躓いた先
視界の端で海が揺れる
掬ってみれば穏やかに澄み
浸してみれば鮮やかに碧く


一人一人違う泳ぎ方で
同じ海を泳いでいるのか

僕たちは淡い
孤独と出逢ってしまったか ....
ささやかな感慨もなく手を合わせ
わたしは今日も死体を食べる
なんだかとっても寒いので
財布の中をのぞいたら
やっぱり寒い

ころりと100円玉
音をたてることもなく居て

街角の自動販売機
120円という表示が淋しい

一昔前なら缶コーヒー ....
 詩を書いて評価されないとなんだかむなしい気分になる。自信作は大抵評価されない。投稿してすぐにポイントが入っているととてもいい気分になる。逆に0ポイントままだと気落ちしてしまう。僕の実力はたいした .... ひとつ告白しますが

私はキツネです。

この頭脳は

随処で都合よく化けて人を欺くように

精緻にプログラムされています。


ひとつ明らかにしますが

あなたはタヌキです ....
(その2 自転車屋のおじさん)


おじさんの手にはすっかり油がしみ込んでいて、指紋もわからないくらいになっている。

それが職人の手だと自慢していたけれど、あんまりじろじろ見ていると少し恥 ....
よく晴れた日
ハンガーに吊るして
自分を干してみる
きっと人はこのように
優しく干からびていくのだろう
水分も記憶も失いながら
+

鏡に向かって
笑う
そんな嘘
ばかり ....
むかし
わたしが某サイトの東のチャット発言ランキング一位だった頃

某サイトの西のチャット発言ランキング一位の人がいた

わたしはその人に敬意を払ってか
その人はわたしに敬意を払っ ....
眠りは当局から支給される
月にいちど注文をすることになっている
私は主に スタンダードな「白の眠り」を注文する
けれどいつもおなじ眠りというのも
あじけない気がするので
やはりスタンダードな ....
健さんのおすすめリスト(1277)
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