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たとえばだれかのこうふくが
だれかのふこうのうえにあるとしたら
それはとてもかなしいことかもしれません
そのかなしみもまた
だれかのよろこびのかてになっていて
だとしたらとてもふくざ ....
何処でもない場所は
何処にもない場所ではなくて
そこには一輪の花が咲いています

それはとても美しく咲いていて
なかなか近づくこともできなくて

あるとき鳥が一羽やってきて言いました ....
半分の月を見ていた

半分の月を見ながら
僕は半分だけ眠りにおちて
残りの半分は現実にとどまった

半分の夢の中では
浜辺に立った自分が
遠くの景色を見つめていた

半分の月を ....
「一件のメールを受信しました」

薄い透明な膜
電源を入れれば一瞬真っ白になる

僕のパソコンは液晶ではなくて
少しだけ奥行きを感じる画面

ラーメンが茹で上がるくらい
立ち上げる時 ....
夕方の空には、今日が眠っている
そんな気がする

夜に溶けようとする入り口で
わがままな僕はうずくまる

何かを忘れている
そんな気がする

ひとりひとり
今日話したいろい ....
どんなに遠くを見つめても
そこは一面のブルースカイ


「青」は

けしてきれいな色じゃない
少なくとも
けしてきれいなだけじゃない

無邪気に微笑んで
悲しみを忘れるために見上 ....
昨日ひろったきれいな小石

たとえば人は
磨かれる前の宝石の原石のようだということ
未完成なままの美しさを知っているから
そっとしておいてください

そんな 淋しさ



 ....
書かれた言葉と
書かれなかった言葉を挟んで

あの日記は閉じました

喜びが込み上げてくる日には
書かれた言葉が読めるのですが

悲しみが込み上げてくる日には
書かれなかった言葉が読 ....
空と海の境目は
遥か遠くでつながっている

海鳥が
水際に光る魚を探している
真実は見え隠れして
それを捕えるためには
そこに飛び込まなくてはならない

解っている

生き残るた ....
家の近くで見たのは野良犬の親子

道路をわたるときは子犬のほうが先で
親犬はあとからついてゆく
一見普通の光景だけど

親犬は眼が見えない

だから子犬が前を歩き
親犬はその匂いを頼 ....
待ち合い室の窓辺には
枯れそうな観葉植物がいて
誰もそれに気付かないまま
誰もがうつむいている

ただ水をあげればいい

枯れそうな観葉植物は
まだ枯れてはいないのだし
渇きをいやせれば
また青々とし ....
神様が生まれた日に
僕は自分の始まりについて考える

蝋燭の炎がゆらゆらと時を刻み
その身体を縮めるようにして
わずなかな明かりを灯している


神様が生まれた日に
自分の存在以外に ....
ある現実に落とされた
一粒の出来事は
どんなに大きな波紋を描こうとも
より大きな現実に吸収されてゆく

私たちはそれを
受け止めたり
跳ね除けたりしながら
けれど
その波紋の消えゆく ....
白いノートに
木を三つ書いたら
それが森になりました

空を支えるように
枝の真似をして手を広げれば
わたしもまるで木のようでしたが
何かが足りない気がして
淋しくなりました


 ....
ある日見た空に
飛行機雲が白くひかれていて
それが矢印のように思えました

きっとそんなところにもきっかけはあって
感じたままを力の向きに
見上げるその
角度にも
だから


  ....
夜闇の波に揺れて
わたしの海は広さをなくす


いったい何が不安なのかと
ひとつひとつ問いかけてくる波に
ひとつも答えることもなく


わたしはひとり揺れている


「あ」から ....
動物園でペンギンを眺めていたら
一羽のペンギンが
小さい羽をぱたつかせ
しきりに何かをうったえてきた

けれど僕には
ペンギンの言葉がわからない

それが通じたのか
ペンギンは淋しそ ....
殺してしまった

今日、何の罪もない
言葉を

奥歯で
噛み殺してしまった

悔しかったのだろうか
それとも
悲しかったのだろうか

そんなことは
いずれ忘れてしまうのだろう ....
なんだかとっても寒いので
財布の中をのぞいたら
やっぱり寒い

ころりと100円玉
音をたてることもなく居て

街角の自動販売機
120円という表示が淋しい

一昔前なら缶コーヒー ....
(その2 自転車屋のおじさん)


おじさんの手にはすっかり油がしみ込んでいて、指紋もわからないくらいになっている。

それが職人の手だと自慢していたけれど、あんまりじろじろ見ていると少し恥 ....
(その1 時計屋のおじさん)


裏通りにある時計屋のおじさんは、まるで手品師みたいに器用だ。

おじさんの大きな手からは想像もつかないような、ちいさな部品をちょこちょこといじると、さっきま ....
ほら
ちからをぬいて
ほねなんかなくても

ごらんよ

こんなにうまく
きみはおよげる
明日よ
おまえのことがわからなくて
今夜も僕は眠ることができない

現実を消化するのが僕の仕事だ
逃げ出さずに立ち向かうのが僕の務めだ

明日よ
なのにおまえは夢や希望だとか
しがみ ....
子供のころは簡単だった
青いクレヨンで雲のかたちをくりぬけば
それが空だと言えたけど


いま僕が描こうとしてる
この空には青が足りない


たくさんのことを知ると
たくさんのこと ....
膨らんでゆく不安を感じていた
知らない人とすれ違うたびに
増してゆく孤独があった

遠のいてゆく誰かの背中に
思いつく限りの名前を呼んで
立ち止まらせたいと思ったのは

それが優しさだ ....
飛ぶ夢を見たことがある


動物園のダチョウはすっかり砂にまみれていて
それはつまりダチョウの習性であって
その目的は害虫を防ぐことだ

そんなダチョウに翼があることは
どうにも不自然 ....
うまく笑おうとすれば
すっかりゆがんでしまったのは

自分の心だと気づいた

小さい頃
クレヨンで描いた自画像は
まるで似ていなかったけれど
それはきっと

心で描いたからなんだ
 ....
虚無をまとって闇を隠せば
それは限りなく深い透明のように見える

あなたは
自分を見せることなく
優しさを浮かべた瞳で見つめる

僕は
その優しさの結晶に自分を映す
一つの優しさ ....
いまここに 書きかけの手紙があります
あと一言書き足せば
それは郵便やさんが届ける必要もなく
わたせることでしょう

「死ぬ」なんてことを
簡単に口にしちゃぁ いけない

こうやって命 ....
健さんのベンジャミンさんおすすめリスト(29)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「すべてがつりあいのなかで」- ベンジャ ...自由詩6*07-5-29
「何処でもない場所」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩5*07-3-4
半分の月を見ていた- ベンジャ ...自由詩13*06-11-15
一件のメールを受信しました- ベンジャ ...自由詩4*06-9-16
「夕方の空には、今日が眠っている」- ベンジャ ...自由詩9*06-9-5
青空_(ブルースカイ)- ベンジャ ...自由詩9*06-4-4
もしかしたら嘘かもしれない- ベンジャ ...自由詩7*06-3-11
栞(しおり)- ベンジャ ...自由詩12*06-2-7
空と海の狭間で- ベンジャ ...自由詩6*06-2-5
野良犬から見た世界- ベンジャ ...自由詩8*06-2-1
白い待ち合い室で- ベンジャ ...自由詩5*06-1-11
神様が生まれた日に- ベンジャ ...自由詩9*05-12-25
波紋- ベンジャ ...自由詩12*05-11-27
あなたへとつながる道を- ベンジャ ...自由詩10*05-11-9
飛行機雲は消えても- ベンジャ ...自由詩10*05-10-26
夜闇の波- ベンジャ ...自由詩11+*05-10-24
動物園のペンギン- ベンジャ ...自由詩3*05-10-22
殺してしまった- ベンジャ ...自由詩8*05-10-10
100円玉の温もり- ベンジャ ...自由詩15*05-10-7
シリーズ「おじさんと僕」2- ベンジャ ...自由詩9*05-10-6
シリーズ「おじさんと僕」1- ベンジャ ...自由詩9*05-10-4
くらげのように- ベンジャ ...携帯写真+ ...10*05-10-3
明日に捧げるポエム- ベンジャ ...自由詩8*05-9-30
この空には青が足りない- ベンジャ ...自由詩17*05-9-24
スクランブル交差点の真中で- ベンジャ ...自由詩10*05-9-15
空を飛ばないダチョウにも翼がある- ベンジャ ...自由詩13*05-9-6
鏡の前で- ベンジャ ...自由詩9*05-8-12
水晶の人- ベンジャ ...自由詩1005-3-15
書きかけの手紙- ベンジャ ...自由詩4*04-12-15

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