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ちょっとだけ
きれた牛乳を買いに
近所のコンビニまで駆けてった 


帰ってくると
ドアにはさまれている紙きれ

『ご不在でしたので持ち帰りました』

誰からの届けものだったのか
 ....
定食屋で父さんに会った
夏の自転車の帰り道
カツ丼は四百五十円で
ビールの中瓶がいまどき四百円だ
中年夫婦がふたりでやっている

僕は窓際に追いやられ
誰も悪くはないとただ一日つぶやき
 ....
河原で雲を売ることにした
商売は一にもニにも場所だよと
商売などやったことのない親父が
いつも言っていた

場所は悪くない
多摩川は人気の多いところも少ないところも
選べるし
ぼくはど ....
むかし、俺に親切にしてくれた人がいた。
初めて入ったそば屋のおばちゃんだ。
俺は浪人生でひどく痩せていた。
まるで勉強ができなかったので、
ひとつも大学が受からなかった。
どうやっても勉強な ....
汚れた僕の足を
いつも
あたたかくしてくれて
ごめん

べつに素足でもいいのだ
ちょっとぬられたニスがつめたいだけ

でも思ったんだ
孤独に強いことを誇ったって
それがなんになるん ....
神保町にゆきたい
中央線でゆきたい
半蔵門線でもよい
おれはもうだめだ
あとのことはたのむ
おれの好みをみつくろって
何本かのエロDVDをたのむ
あの店だ

神保町にゆきたい
どう ....
でもね
ショッカーにもママがいるのよ
って教えてくれた
幼稚園のさゆり先生が
交通事故でびっこになってしまったと
ママが教えてくれた

ボーイフレンドのバイクで事故ったのだ
ランドセル ....
話しつかれて
午前二時


もしこの電話をきれば
世界も
終わってしまう
そんな気がして
ふたりは

どこからか
ぶあつい
電話帳をもってきて
ただ電話番号を
読み合うんだ ....
ぼくらはみな、生まれつき、
魔法をかけられているんだ。

その証拠に。

背がのびる。
歩けるようになる。
ことばをおぼえる。

好きな歌ができる。
好きな人ができる。
だれにそ ....
きれいじゃない人と
柿ピーを食べた
柿柿ピーピー
柿柿ピー
のリズムで

熱い渋茶をいれながら
きれいじゃない人は
ぼくにこう聞いた 


 A 人のこころをほんとうにうつ歌を歌 ....
質に入れたはずの女房が
ある日ひょっこり帰ってきた
質流れでもしたのだろうか
おかえりというと
ただいまもいわず
お茶だけ
のひとことで
台所に立ちお湯をわかしはじめる
そのうしろすが ....
橋のうえに
大きな虹がでたので
ぼくはトイレへおとうさんを呼びにいき
台所へおかあさんを呼びにいき

お嫁にいった妹を呼びにいき
死んでしまったおじいちゃんを呼びにいき
介護施設のおばあ ....
今日もきゅうりは
もてなかった
女のこたちの気ままな指で
もがれてみると
ぽきんと折れた切り口には
みずみずしい
ひかりがあふれていた

うちに帰ってきて
冷たい水で
顔をごしごし ....
平日のまっ昼間に
後背位をしたあと
快速電車にのったら
となりに孔雀がきて座った

言いたくないけど
むかいの椅子も
となりの車両も
ぜんぜん空いているようなのになあ
孔雀はなんだか ....
珍種の鳥を集めた
大学博士の庭の檻のなかに
クチバシがスパナアの形をした
虹色の鳥がいた

わたしは胸のかごの扉のねじが
どこかでゆるんでしまったらしく
風がふくたび
かたりことりと音 ....
学芸会でぼくは
ぼくのお母さんを演じた。
ぼくの演じたお母さんは絶賛された。

でっぷり太っているが清潔である。
石鹸の匂いはしないが朝ごはんの匂いがする。
ぼくの間違えた答案を間違え方が ....
木がねむると
木のなかに
ほんとうの木がうまれて
風にふれようとする

風がねむると
風のなかに
ほんとうの風がうまれて
空にとどこうとする

空がねむると
空のなかに
ほんと ....
空があんまりひくいので
きりんのくびは
つい空から突き出してしまった

そして見たくないものを
見てしまった

あああんなにうつくしいものを見てしまったら
もうぼくは
なにをみてもう ....
台風は南西のほうへ
それていった

天気予報はそれで
終わり
みなれた日本地図のかなたに
台風それてよかったですね

まるで
それていった先の
島や
大陸には
人も犬も猫も
 ....
あなたの燃える手で
わたしをだきしめて

それはとんでもない
誤訳だったらしい

でもわたしはこころをうたれた
たとえひとごろしのうたでも
たとえぬすびとのうたでも
たとえうらぎりも ....
健さんのZUZUさんおすすめリスト(20)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
不在連絡表- ZUZU自由詩706-9-4
定食屋の父さん- ZUZU自由詩506-9-1
雲を売る話- ZUZU自由詩406-6-18
浪人のアダージョ- ZUZU自由詩906-5-14
スリッパ- ZUZU自由詩306-3-26
神保町にゆきたい- ZUZU自由詩32*06-2-19
ショッカーにもママが- ZUZU自由詩2706-1-7
電話帳- ZUZU自由詩605-12-28
魔法をかけられている- ZUZU自由詩1605-12-26
きれいじゃない人- ZUZU自由詩405-12-20
春の人工衛星- ZUZU自由詩21+05-12-17
虹をみたかい- ZUZU自由詩1005-12-5
きゅうりの恋- ZUZU自由詩405-11-22
孔雀- ZUZU自由詩505-11-14
珍種の鳥- ZUZU自由詩7*05-11-7
お母さんのモンブラン- ZUZU自由詩705-10-23
詩の書けない夜に- ZUZU自由詩1505-10-14
空があんまりひくいので- ZUZU自由詩2105-10-12
人のいない地図- ZUZU自由詩705-10-3
誤訳- ZUZU自由詩1305-10-1

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