詩のおっさんは夕暮れ帰り道を歩いていると後ろからちゃりんこで
追い抜いていく。そしてしばらく進んでから「追い抜いたらあかん
がな」とひとりつぶやくのだが再び戻ってくるほど律儀ではない。


 ....
湿気ばかり多くて
気温が上がらない夜は虫なんかの
季節を送る歌など気にせずに
眠ってしまえばいい

閉じた瞼の裏が
奇妙な色に透けるのは
まだ生きている証だと思えるのなら
眠ってしまえ ....
シーン1


男の子が「つみき」という名札をつけていた
私が
つみきっていうの?
ときくと
そうだよ、かっこいいだろ、建築って意味
というのだ
へーんな名前
というと
男の子はむ ....
君と初めてあったのは幼稚園のときだった

ある日僕のうちにハムスターがやってきた
僕には君がとてもかっこよく見えて
君にロドリゲスという名前をつけた
ロドリゲス、僕と出会う前の君のことはしら ....
ほがらかに歌う

ではないけれど
やわらかい
そのような、




やさしい人

やさしい
易しい笑顔 と
きらめく
すこやかな、

絶望



人を花にた ....
膨らんでゆく不安を感じていた
知らない人とすれ違うたびに
増してゆく孤独があった

遠のいてゆく誰かの背中に
思いつく限りの名前を呼んで
立ち止まらせたいと思ったのは

それが優しさだ ....
電池が切れた。
電池は切れていた。

もうずっと前から、
電池は切れていたんだ。

嘘を付いていた、
まだ動くから。
切れてない、
演技していた。

怒る ....
若いって
苦いと
同義だよね
字も似てるし
と口に出したとき

悲しいって
美しいと
同義だよね
と言った
君を思い出した

空は平均的に青い
各駅停車の鉄道がはたらいている
ひとの数だけ
想いの数だけ
星空のなかで
各駅停車の鉄道がはたらいている

天文学には詳しくない僕たちだけれど
きれいだね
しあわせだね
このままでい ....
 ぼくたちの見えるところ見えないところ
 繰り返される欲望の衝突のおかげで
 ぼくたちはもぬけの殻になってしまった
 風鈴がチリンと一つだけ鳴る
 意味を終えた紙吹雪のように
 ....
飛ぶ夢を見たことがある


動物園のダチョウはすっかり砂にまみれていて
それはつまりダチョウの習性であって
その目的は害虫を防ぐことだ

そんなダチョウに翼があることは
どうにも不自然 ....
人の生き死にをたやすく
詩になんかするものじゃない
と、貴方は私に云い
今のところ
概ねだけどそれは守られている

けれど私は
貴方の生きざまと
死にざまだけは
しっかりとこの眼 ....
私の中に
午前を飼っている
白い舟がいくつか
遠く漂う午前だ
華奢な草の葉がためらいがちに揺れ
吹く風のなかに
覚束なげな青さが
消えない午前だ

もう長いこと飼っている
だからも ....
とうめいないれもののまんなかに
とうめいなこっぷがはりついていて
とうめいなみずでみたされている
いれもののそこには
こっぷからこぼれたみずがたまっていて
いれものをゆすると
ゆらゆら ....
いつの間にか 鞄に穴が開いていたらしい
どうりで最近 入れた覚えのないものが
たくさんあるんだなと

好き好んでこの鞄に入ってくるなんて
よっぽど物好き
もしくは 穴があったら入りたいほど ....
あの頃、君に告げられなかったことを今


 ***


ねぇ、君
冷やし中華を誰よりも早く始めたいの、とはりきる君の姿が僕は好きだったんだ



ねぇ、君
扇風機の首フリに合わ ....
校舎に含まれる
散漫な光景ひとつひとつに声がとどかない



1. 朝


 起立
 礼
 いっせいの着席にびくともしない
 この校舎の設計は強度においても欠陥がない
 ....
「ええと…ミスターチャド、くん?」
「いいえ、チャボです。ボクシングの『ボ』…」
「ああ、ぼったくりの『ボ』ね。…実戦経験ありか。どこのプロレス?」
「あのう…正義の、味方です…」
「聞いたこ ....
ふうせんのうちがわに
わたし とかいた
そとがわに
ゆめ とかいた
おおきくふくらませて
くちをしばると
そらへまいあがることも
じめんにおりることもできずに
ころころ
あたりを ....
花を差し出されたら
黙って口に含む
蜜を吸う

疑うという言葉は
知らないふりをしなくてはいけないルール

ねえ
毒って、甘いんだってね


   *


追いかけられるの ....
君は覚えているだろう
君がはじめて掴んだ自由は
真新しい買ったばかりの自転車に乗って
得意げに街中を走りまわる事。


そして今
世間との関わりを君は海に投げ捨て
白い灯台すれすれを斜 ....
めじるしをつくって
いえのそと
まどからみえるところにおいた
とおりがかったひとたちは
かんさつしたり
すきなばしょへうごかしたりした
かぜでたおれると
だれかがおこしてくれた
いろん ....
思い出せる涙は
すべて

私のせいであるが故



思い出せる涙は

なんとか上手く 
こころに
収まる




思い出せぬ涙は

だれのせいであったか

どん ....
ネットで誠意のない価値観ぶつけられると小さい人間だなとか悲しいなとか思う
ネットなんて嘘だらけだよ 顔見えないし 誤魔化しはきくし
都合が悪くなったらHN変えて逃げればいい
五感働かせないで人と ....
輪郭だけをのこしたまま
あのひとがいなくなってしまったので
いつまでもわたしは
ひとりと半分のからだで過ごしている


明かりの消えた部屋で ひとり
アルコールランプに、火を点ける
ゆ ....
わたしは 生みの親だもの
おまえが憎いわけは ない

けれども わたしは 手を貸さない


さぁ

潔く 
心地良く
羽ばたいて ゆけ



誤解も あるだろう
嫌悪 ....
戦争体験者の嘘つきども!
本当のことを言えよ
敵をやっつけてスカッとしたんだろ
アジアの解放に正義感を燃やしていたんだろ
国のために死ぬことを美しいと思っていたんだろ
俺はもう分かったんだ
 ....
テレビ電話というものが発明され、商業的にCMに登場するようになってから久しいですよね。
原理的には簡単なものだと思うし、遠くにいる友達や恋人なんかと顔をつき合わせて話ができます。
「離れて住んでい ....
うまく笑おうとすれば
すっかりゆがんでしまったのは

自分の心だと気づいた

小さい頃
クレヨンで描いた自画像は
まるで似ていなかったけれど
それはきっと

心で描いたからなんだ
 ....
だから俺は未だにこうしている
この世界を嫌うのに飽きるのを
何時まで経っても同じ事だろう
簡単に結論なんて見えやしない

俺たちは置いて行かれて
またもや時代の波ってのに乗り遅れた
世界 ....
健さんのおすすめリスト(1267)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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「_電池が切れたら、さようなら。_」- PULL.自由詩20*05-9-15
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やさしい活気が乱暴に穴を開けた- カンチェ ...自由詩8*05-9-12
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永様- 落合朱美自由詩11*05-9-3
午前を飼う- 塔野夏子自由詩26*05-9-3
わたしの- アンテ自由詩405-9-3
- F (from send ...自由詩6*05-8-31
君に宛てて- Monk未詩・独白187+*05-8-29
校舎に含まれる- Monk自由詩805-8-28
明日のために!Mr._チャボ(Mr._チャボ、真夏の激闘)- 角田寿星自由詩705-8-27
ゆめ- アンテ自由詩605-8-27
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思い出せる涙は- 千波 一 ...自由詩21*05-8-22
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