おおきなつづらを背負っている
つづらを背負って鳥居をくぐる
そこにまっ黒い小坊主が寄ってきて
その中には割れた茶碗が入っているんだろう
ぎっしり詰まっているんだろう
と にやにや笑いながら言 ....
 夜、寝たくないので夜更かしをする。面白くもないテレビをつけたまま、渇いた笑い声を聞いて、インターネットで開くだけ開いて、ぼんやりとしている。日付が変わって、頭が痛くなってきたら、寝ることにしている。 ....  
 
鳥かごの中で
小さなキリンを飼ってる
餌は野菜だけでよいので世話が楽だし
時々きれいな声で鳴いたりもする

夕焼けを見るのが好きで
晴れた日の夕方は
日が沈むまでずっと西の空 ....
人が人を求める理由は
人が人を食べないからだ

人は本当は人のことを
食べたくて 食べたくてたまらないのに
食べてはいけない決まりになったから
それ以来 人を求めることをやめられない

 ....
 
 
軟らかな自転車に乗って階段を下りる
ハンドルが人の手みたいに生温かく汗ばんでいる
階段の下には民家と民家に挟まるような形で
小さくて細い劇場がある
切符売場で数枚の硬貨を出すと係の ....
 夜になる
 部屋の中にカラスがやってきて、出口を求めて飛び回る
 壁紙はズタズタに破れ、床には一面黒い羽根が散乱し、白壁には至る所に血痕が見え隠れしている。
 壁面の古傷はとうに変色してドス黒 ....
 
 
みかんをむいて父に食べさせると
ぼくはみかんではないのに
お礼を言われた

咳をするしぐさが
父とぼくは良く似ていた
植物に無関心なところも
石鹸で洗う指先の先端の形も
他 ....
 現代詩フォーラム50選を発表し、わたしがたのしい。という企画です。
 みなさんついてきてますか?テンション落とさず残り35個いきましょう。



 016

 野球やりに行こうぜ磯野  ....
 どうも!ショートレビュー・サンデーをかいてる者です。
 現代詩フォーラム50選を発表し、わたしがたのしい。という企画です。
 新しくこのフォーラムにきた人のガイドになれればいいとおもいます。
 ....
 
 
夜半から降り始めた砂が
やがて積もり
部屋は砂漠になる
はるか遠くの方からやって来た
一頭のラクダが
もうひとつのはるか遠くへと
渡っていく
わたしは椅子に腰掛け
挨拶を忘 ....
いつか
この空に
熱い虹をかけよう
お前には
手紙をあげよう
いつかお前が
書くはずだった手紙を

銃口が
火を吹くと
我々は喋りだす
いつか
この空に
熱い虹をかけよう
 ....
騒々しい気分が通り過ぎると
傷ついた指の先から
歪んだ世界が消えていく

指差すのは、白いカラス
声をあげると
飛び去って消えてしまう

いつまでも指差すだけで
捕まえることはで ....
やたらに明日が眩しいね
明日の光のせいで
今日がほらもう真っ暗さ
僕のいる今日は明日の影
早く日に当たりたいけど
明日はずっと眩しくて
僕はずっと日陰者

ああ早く明日にならないかなあ ....
 
 
硬質に濁ったゼリー状のものの中で
僕らの天気予報は
軋み
軋んだ音をたて
初雪が観測されたことを
伝えようとしている

子どもたちが歩道橋から次々に
ランドセルを落とす遊び ....
人は、降っていきますが
この風はいつも背中にあった気がします
開いた傘だけで飛び出していくことは
難しいこと、と形作られて
それでも
降っていった人たちの行方まで
答えてはくれないのかもし ....
夕闇のなかでふるえながら
どれほどの
自分の亡骸をみおくったろう

優しいばかりでは生きてゆけないこと
たくさんの人たちに教えられて
それでも
世界をいとおしむやりかたを
変えられ ....

どういうわけかうちのごみぶくろだけ
いつもあけられてしまって
中身がまき散らされているの

ある日曜の朝
母が困惑顔で言ったとき
それはきっと妹を狙う肉食獣の仕業に違いない
とわた ....
どこに書いても踏み荒らされてしまうから
自分の腕に刻み込んだ「LIVE」
ムラサキの血が青白く細固い腕をなぞるように落ちる
地面に落ちた血がどこかの世界の地図を描く
地が血を飲む音が聞 ....
昔から
隅に居るような子供だったので
かくれんぼでは
何時も鬼をやらされた
両腕で眼を覆って
だけど
じゅう数えるまでは
どうしても待てない

いち、に、もういいかい

すぐ振り返ってしまう
隠れ ....
また、新鮮な朝がきて、君はいなかったりも
する。珈琲の香りはどこへ消えてしまった、
というのか。乾燥した部屋に、私が傾く音だ
けが響いた。人は、溶けるのが早い。君が溶
け始めたころは、お手玉を ....
 

電話回線の中をひとり歩く
途中、水溜りのような海がある
工事のためしばらく混線する恐れがあります、と
電話会社から通知書が届いたばかりだった
仕方なく簡単な水遊びをする
ふやけた体 ....

幼いころ
妹はお風呂が嫌いで
兄は爪を切られるのが嫌いで
わたしは歯を磨くのが嫌いだった
だからそのころのわたしたち三兄弟ときたら
妹は髪から極彩色のきのこを生やし
わたしはのどの奥 ....
こういう場所に来ると
スクレロフォビィによく会う
スクレロフォビィが
いちばんいなさそうな場所なのにね
なぜか集まってるのは
スクレロフォビィばっかりだったりする

   *

私達 ....
喪服を着たおばさん四人
交差点を渡り、口々に話す。

一人は楽しげに
久しぶりねぇ
などと通夜であることを忘れ

一人は怒ったような顔をして
どうしてなんでしょうねぇ
などと宣う
 ....
 
 
いつもはわたしが列車を待っているのに
今日は列車がわたしを待っている
ホームにたどり着くと
列車たちは次々と
わたしの中に乗りこんでくる
発車を告げる音楽が鳴り止む
いつも列車 ....
放課後、屋上に呼び出され
どこにいるのかと見渡したら
彼女はコンクリートにうつ伏せていた
近づくと、目を閉じた横顔のまま
私の輪郭を引いてくれないか、と
きっぱりと言った

よく解ら ....
 
 
二週間前と同じように
針金ハンガーが
屋上のフェンスにひっかかってる
そこにあってももう誰も気にしない

隣の棟の四階の事務室で
女性が端末を入力しているのが見える
その下の ....
毎日
夕暮れ時になると
必ずスーパーマーケットへ行ってしまう
何か買うべきものがあるように思うのだ
冷蔵庫の中には
肉も野菜もそろっているのに
心の片隅がすうすうして
それを埋めるものを ....
死んでいった人の数を
眠る前に数えます
いまだ数えきることができないので
私は眠りを知りません

私の頭の中には
死者たちが溢れており
喧嘩をしたり笑い合ったり
それはとても楽しそう
 ....
どこで受精をしたのか
また今日が生み出され
また昨日が殺されて
それでも誰も悲しまず
そうやって日々が生まれて死んでいく

私は今日の始まりに立って
一人昨日を鎮魂する
生まれたばかり ....
健さんのおすすめリスト(1270)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
つづら- 春日線香自由詩410-4-30
割れない卵- 亜樹散文(批評 ...1010-4-19
鳥かごのキリン- たもつ自由詩2510-3-29
人食い- 朧月自由詩310-3-25
劇場- たもつ自由詩1010-3-19
石化- 結城 森 ...自由詩310-3-11
空の切れ端- たもつ自由詩1010-2-11
【批評祭参加作品】_現代詩フォーラム50選_(2)- 露崎散文(批評 ...910-1-13
【批評祭参加作品】_現代詩フォーラム50選_(1)- 露崎散文(批評 ...8*10-1-13
記憶- たもつ自由詩1610-1-4
途方へ- 若原光彦自由詩4*09-12-10
虚構- 小林螢太自由詩2*09-11-30
日陰者- なかがわ ...自由詩209-11-7
初雪- たもつ自由詩2409-11-5
順風- 霜天自由詩509-10-18
博愛主義- 八月のさ ...自由詩409-10-3
世の中がどんなに変化しても、人生は家族で始まり、家族で終わる- 吉田ぐん ...自由詩53+*09-10-2
死に包まれた生き物のように- なかがわ ...自由詩109-9-12
はいどあんどしーく- 吉田ぐん ...携帯写真+ ...1409-9-11
転換- 霜天自由詩309-9-5
通知書- たもつ自由詩909-8-26
わたしたち三兄妹- 吉田ぐん ...自由詩3109-8-25
スクレロフォビィ- 若原光彦自由詩10*09-8-23
通夜- ……とあ ...自由詩11*09-8-20
川面- たもつ自由詩809-8-18
輪郭- RT自由詩1309-8-18
針金ハンガー- たもつ自由詩909-8-11
スーパーへ行く人- 吉田ぐん ...自由詩2409-8-5
死者数え- なかがわ ...自由詩109-8-5
そして昨日は死んだ- なかがわ ...自由詩409-7-26

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