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久しぶりに良く晴れたその日の夕暮れに
私の体温が奪われていく様子を
歩道橋の上から透明なカラスが見ていた

カラスはその向こう側が
全く透けて見えるほどに透明だったけれど
そのカラダの形 ....
何処でもない場所は
何処にもない場所ではなくて
そこには一輪の花が咲いています

それはとても美しく咲いていて
なかなか近づくこともできなくて

あるとき鳥が一羽やってきて言いました ....
  
 

 もうこうなりゃポカスカ日和だ
 立っていると
 足がくらげになってしまうほど
 あったかかった
 午後三時の図書館の屋上は
 どの午後より
 死んじゃってる、と
 お ....










何処から来たかは分からない                           
なぜこんな所に入り込んでしまったのだろう         ....
あの人
昨日の真夜中に
「ここではないどこか」に
行ってしまった
展示品現品処分19800円で買った
ちょっぴり傷のついてるセミダブルのベッドに
私一人を置き去りにして
 
煙が消える ....
僕は男だから
産む痛みを知らない
同じくらいに
産まない痛みを知らない
痛みなんて知らない
ここは戦地ではないから
僕はあなたではないから

幸せになる方法を知らない
幸せにする ....
みどりいろのなかで迎える早朝は
あんなにもわたしを浄化してくれるのに
錆びたビルやコンクリートに囲まれていると
自分がとても汚れているのだと思い知らされる
だけど全て全てひとが作り出したものだ ....
濁った沼のある寂れた町に
マリーという女が住んでいた
マリーの本名は誰も知らない
彼女は
夏の真夜中のような眼をした
中々の美人であったが
友達はいなかった
若者はみな都会 ....
小高い丘に店を開いた
お客が来た
出入り口なので
お客は出ても入っても良かった
晴れた日は
見渡せることろまで見渡せた
雨の日は
屋根や壁に雨があたった
ただここにいて
何かを待って ....
シンバルたたけ、おさるのおもちゃ
目玉をぐりぐり回転させて
前歯をぎぃぎぃむき出して
シンバルたたけ、おさるのおもちゃ ピッ

ピッ。コンビ二の緑の制服を着たきみは
手際よくカゴから商品を ....
 

 もうオオカミは吠えない
 寝静まった夜更け
 窓の向こう
 開かないパラシュート
 地面で弾む音が
 幾つも聞こえる



 氷河期の時代
 地球上には
 愛がなかっ ....
石ころが落ちていた
少し透きとおってきれいだったので
拾って帰った
こんなもの拾ってきて
母は決してそう叱らなかった
しばらく手で触ったり眺めたりしたあと
かわいそうだから放してあげて
 ....
ニュースでやってた
どうやら、隕石が衝突したらしい
隕石の中からはたぶんエイリアンが出てくるはずだよ
あーあーあー、マイクマイク、テストテスト
壊れた腕時計を見ると、時刻は午前二時(深夜)、し ....
エレベーターの中で
「開」というボタンを押すと
涙が止まらなくあふれ出た
何かを受け入れるということは
何かを拒絶することと同じくらい難しい
一人またひとりと乗り込む人を
か細い指で支えな ....
闇が町を包む
一番目の朝だ
どう見ても夜だ
二番目の朝だ
晴れている朝だ
どう見ても星が輝く朝だ
握り締めた拳を開いてしまえば夜になる
だから拳は握り締めたままで
瞬きを拒否する眼球が ....
こめかみが震える
ボタンを掛け間違えただけで
凍傷になった右腕を
いらなくなった左手でどかす


タバコの煙が
消えるのにじれだすと
地上では急に雨が降りはじめる
おれは終電 ....
何を思い出せば
幸せになれるというのだろう


始まりは
遠い海の底の夢でした
船底を擦るようにして
人は、人は旅に出て行くので
いつか大きな音を立てて
傾いていく私たちのために
 ....
街は平和だ
何も起きない
長く続く日常
あまりにも
平和なので
皆が退屈そうな目をして
携帯電話の画面を見ている


あるとき
知り合いが死んだ
これは他殺でもなく自殺でもない
 ....
音楽室の
Yちゃんの真新しい椅子の後ろに
Yちゃんの埃を被った椅子
その後ろに
Yちゃんの足が折れた椅子
その後ろに
ばらばらになった
Yちゃんの椅子
その向こうは
床が崩れて
そ ....
ときどき
夢を見る
宛先のない手紙が 今朝も玄関先で雨に濡れていた
拾い上げることなんてせずに
生温く灰色の空を見上げると
隣にいるプラスチツク製の幽霊が
不機 ....
「神様って死んだんだよね?」

別れた妻と一緒にすんでいる娘が膝小僧を掻きながら訊いてくる

そうだっけ、などと私は曖昧な返事を返す

「神様が生きてるときと死んでるときで、何か世界は変わ ....
#71

 ありきたりな憂鬱に
 絶望なんていうおおげさな名前をつけて
 誰も見たことがないペットみたいに
 かわいがって育ててんだろ
 そんなのどこでも売ってるぜ



#72
 ....
クラクションを鳴らされたんで
あははと笑って通り過ぎた
通り過ぎた後で怖くなって
部屋に帰ってから外に出られない

友達に話をしようかと思うけれど
「相手のことを考えた結果、カレンダーが日 ....
雨がまた積もっていく
雨音がまた積もっていく
その分だけここは、静かになれる
抱き合うだけの幅を残して

昔の夢のかたちを探り合う
窓を伝う雨粒の落ちる、速さ
遠退いた距離の分だけ、今の ....
檻の中には
消しゴムがひとつあった
動かなかった
夜行性
と書かれていた
夜まで待ちたい
君は言ったけれど
その前に
閉園時間になってしまった
帰り道、赤信号で止まった
右左よ ....
足音が
大勢の中に還っていく時
遠くで自転車は雨音の中に忘れられている

少年が
少年のままで頭を下げながら生きていく
そんな時々、あれは私たちが作り上げた
屋根や壁や、縁の無い窓
遥 ....
弟がつり革になって
ぶらさがってる
白い輪っかのところなどは
良いつくりだった
揺れるたびに僕はぎゅっと握り
引っ張られた弟は
それでも痛いとは言わなかった
昔からそういう子だっ ....
強く願ったはずのことを
もう、忘れてしまっている
一年前の自分たちを窓から次々に捨てると
とても身軽になれることを知った
ポケットを裏返しても、もう
何も出てこない
ささくれがどこかに引っ ....

友人に
擬態する癖のある女がいる

よく家の中で
かくれんぼうをする
二人で
わたしが鬼で

十数えて振り返ると
家の中はしいんとして
空気がうす青い
百年前からこうし ....
1月
行ってしまいました
2月
逃げてしまいました
3月
去ってしまいました
4月
兄が大学生になりました
5月
ゴールデンウィークに喧嘩しました
一生赦さない程の憎悪と愛で以って ....
健さんの自由詩おすすめリスト(1094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
透明カラスと夕暮れ- 松本 涼自由詩1007-3-6
「何処でもない場所」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩5*07-3-4
右手の甲にそら豆- カンチェ ...自由詩1107-3-3
繰り返される- 狩心自由詩3*07-3-2
ここではないどこかへ- 大覚アキ ...自由詩607-2-28
花束- たもつ自由詩3507-2-28
灰色のまち- 八月のさ ...自由詩307-2-28
喪服屋マリー- 吉田ぐん ...自由詩1707-2-25
開店- たもつ自由詩2107-2-25
モップ- ゼッケン自由詩607-2-23
オオカミに襲われた傷- カンチェ ...自由詩607-2-17
宝石- たもつ自由詩18*07-2-13
火災現場からのレポート- 狩心自由詩7*07-2-12
エレベーター係- Tsu-Yo自由詩1807-2-9
再起動- 狩心自由詩5*07-2-6
汚物- カンチェ ...自由詩507-2-4
船底- 霜天自由詩1607-1-29
平和戦争- 煙と工場自由詩407-1-28
Yちゃんが道を渡ろうとしている- 片野晃司自由詩2707-1-27
La_cité_des_enfants_per ...- Utakata自由詩707-1-27
はい、私が殺しました- P.B.自由詩107-1-26
フラグメンツ(リプライズ)_#71〜80- 大覚アキ ...自由詩15*07-1-23
G- ミゼット自由詩3*07-1-21
落ちる速さ- 霜天自由詩6+07-1-20
制度(動物園の帰り)- たもつ自由詩1607-1-18
時々- 霜天自由詩1207-1-15
車内- たもつ自由詩1807-1-10
式典- 霜天自由詩1107-1-4
癖のある男女- 吉田ぐん ...自由詩2107-1-2
僕のための概要2006年バージョン- 士狼(銀)自由詩7*06-12-31

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