水曜日の水面に笹舟が浮かんでいるのを見ました。
それは来週の水曜日に僕が折った笹舟なのでした。
あなた と思う
と同時に
わたし と思う
その時
大切なことを見つめようとしない自分に
さようなら


世界
を見つめれば
さまざまな 人や物事に
さまざまに 支えられているわ ....
青い空の
広がりにわたしは悲しくなり胸がいっぱいになります。
あの日に去ってしまった あの雲。
そよ風に乗せて、
さようなら、とささやきました

あの雲の亡霊は
わたしと共に自転している ....
水晶の心臓をもつ
あのこの
心音は星雲できらきらと鳴っている。

せせらぎを さかのぼる果実は咲いて芽になり
(一瞬)
しんとひとみは黒く澄む。

雨の鏡
(一瞬の
今)
雨のひ ....

 散歩をする
 腕時計の竜頭をねじってぜんまいを巻いておく
 六時零分のころ
 あいさつをすると
 忘れていたことがぐうぜん戻ってきて
 あいさつをする

 そよそよ風は
 光 ....
たなびくそらの彼方から
沈黙する
よるだね
ぼくたち
詩人も
涙を流して
沈黙するよるだね


ねえ
また見えない戦争がはじまるね
やわらかな影が
いくつも射殺されてくね
ぼ ....
この道を選んだ私の
誰にも知られることはない絶望に ほほえむ空舟は
複眼をもつ{ルビ蜻蛉=せいれい}の{ルビ櫓=ろ}を{ルビ漕=こ}ぐ。この櫓の羽の内部は
言葉を発した。
 しかし
選べない ....
私がきみを光とした日々で
きみの朝に暗闇を落とした
消えないものを記したかった文字


過去みたいに透明な声の
美しさだけしかきみに見なかったこと
今夜は雨もしとしと降っていて
もうずいぶん遅いから
誰も訪ねてはこないだろう
だから玄関に鍵をかけて
雨や風が外の空気を伝えてこないように
窓もしっかりと閉めて
ひとりで
瞑想するように ....
水曜日は午後から天気が下り坂らしいのです。
その坂を下り続けて、僕は海底へ帰りたいのです。
雲のどよめき艶めき、うふふ 
夕暮れ間近に囁くもの 

出口は入口と延々と
展がる地平に眩む我

水の色開け灰色散らし
流れる流れる、宙の果てまで
ここに朝が
ものしずかに
何くわぬ顔で
並びはじめる
暗い間は よくわからなかった
私たちの影が
それぞれにはっきりと
目に見えはじめる
それでもなお影が
あるのは事実ではあるが
 ....
厳しい夏の終わり
ずぶ濡れで見上げた黒雲が
不意に吹き散らされ
見る間に西日に
真っ直ぐ照らし出された
濡れて光る道の先に
垂直に



誰かへ知らせよ
バッハのポリフォニー
 ....
ひとりぼっち、の人は
ひとりぼっちの景色を

知っていて

遠くを静かにみつめている
たまに夜半の丘に立っては
叫んだり泣いたりしている

眠れば星雲の渦にまかれて
わからない ば ....
ゆうらりゆらら
舟はゆく
生死の境をさ迷いながら
白波立てて
舟はゆく

ゆうらりゆらら
舟はゆく
無限の時に慄きなから
さざ波立てて
舟はゆく

ゆうらりゆらら
舟はゆく
 ....
きりん座の長い首が見える
北回りの夜間飛行が点滅してる
月明かりに見える飛行機雲

夜を一つ下さいな
眠れないのです
本物の夜を売って下さいな

夜を一つ下さいな
夢の入場券を一 ....
青い夜は低温火傷をしたよ
星の光と瞳を撃ち合い
気持ちがほつれたら糸になって
永遠という文字をなぞりたい
内側に誰もいないとしても
輪っかを投げて電車を走らせる
無数の名前と言葉を乗せて
 ....
凍りながらかけてゆく
つま先の音が
まぶたの裏でひかっている
薄むらさきの血液が花を
さかせていた
降ってはかえる雪の
野は
斑にはるをくちずさみ
ついになった色から透けてゆく
した ....
ひらかれたまま
あつめていく
私に似たものを
私に似ていないものを
あつめて
もやして
ふたたび解き放つ
それらはすべて
私ではないもの
それでいて
私をかたちづくるもの
すでに ....
青空のリトマス紙は今日も赤く夕焼けてゆく。
実験結果をノートに記し、少年たちは帰路につく。
惑星は遊覧する
遊ぶ湖は波紋を広げる
目の星が言葉少なくなる
星の磁場が狂う
森の前に立ち尽くす
十階であると下を覗き込む
君の名前を読むことはない
石碑に歌の跡が残る
写真を撮る
 ....
 
 
木立ちを抜けていくのが
私たちの木立ち
だからすっかり抜けてしまうと
教室がある
先生は、と先生が言うと
先生は、と復唱する私たち
やがて始業のチャイムが鳴り
つまりそれは
 ....
言葉(文章)についての本を色々読んだので、つらつらと書きます。


・言葉は人の身体にまあまあ合っている

言葉は、人の脳の容量とか、口の動かし方、息の出し方、書く動作、に、合っている。から ....
 
 
とてもとても遠いところから
君の訃報が届いた
時刻表を確認することもなく
僕は一番最初にやってきた列車に乗る

いったいどれだけ乗り継げば
君の場所に行けるんだろう
君の生き ....
はじまりの海は遠浅で
かなしむことをまだ知らない透明なさかなたち
約束したはずの場所を
ゆききする微熱の波
遠い遠い夢の話

記憶をいくつも交差させて
分かれ道をまどう
ひとりあそび
 ....
書き損じた天気図の余白に
僕らは昨夜見た偽物の夢を書き続ける
筆圧があまりに強いものだから
明日見る予定の夢まで記してしまう

つけ放したラジオから聞こえる
ネジが酸化していく音
そ ....
ありふれたあなたの指先が
遅れてきた春先に触れている
今日も
曖昧な言葉で
あやふやな言葉で
愛は語られ続け
朽ち果てるのを待っている
同じものを見ていたはずなのに
あの時、あっ、 ....
心の湖に硝子瓶が一つ沈んでる。
もし本当にそうなら、なぜだか僕は幸せだ。
少女の頭の中に象が住んでいる。作文をしている時、句読点をどこに打ったらいいか、背後からそっと教えてくれる白い象だった。ある日、少女は工作の授業で作った押し花を、象にプレゼントすることにした。少女の差し .... 待ちわびた黎明だ
太陽でも月光でもなく
果てない夜を終わらせようと
吹き荒れた嵐の向こうに
生まれ落ちた黎明だ

君が
ふるえる玻璃の瞳に閉じ込めた
青い一迅のそよ風に
ひとつの嵐が ....
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