夜店で釣ってきた金魚を庭先で
バケツに放して
しゃがんで
じっと見入る
窓からのあかり
空からのあかり
遠くに響く祭り囃子
黒い自分の影

しゃがんで見ている子供の私
その一点の風 ....
輪郭だけをのこしたまま
あのひとがいなくなってしまったので
いつまでもわたしは
ひとりと半分のからだで過ごしている


明かりの消えた部屋で ひとり
アルコールランプに、火を点ける
ゆ ....
3分遅れている時計は、決して正確な時刻を刻むことはないけれど
止まった12時間表示の時計は一日に二度も正しい時刻を告げます

ならば止まった時計のほうがより正確なのでは?
そう勘違いして死んで ....
入眠の際が瞼の奥で細い光を放っている
生と死の曖昧な絆という楔を
今は、強引に断ち切って 眠りの森へ
木漏れ日を抜けて下方へ沈みたい



怖さに尻込みした夜の
怖さに涙した夜の
夢 ....
シンディのお勤めは6時から12時まで、『クリスタル・パレス』
お酒は弱いからいつもヘロヘロになって帰って来る
新聞も取ってないしワイドショーしか見てないから
話題と言ったらお客さんに合わせるだけ ....
きれいなあきびんを
ひろったので
ひとり
となづけた
ごしごしあらって
ちいさながらすだまをいれると
そこをころがって
からからおとをたてた
まどべにおくと
ひとりは
かぜやあ ....
−いとしさは
−追い込むために存在する


恋は坂道を
下る自転車
こころがきぃきぃと
あやういブレーキで

問題は
この下り坂が
どこまで続くのか、
という ....
空が割れて
夏で満たされたプールで
泳いでいる
さかなのアンテナで
誰とも触れることなく、すり抜けて
泳いでいる
すれちがう誰もさようならをうたわない


体の中心がどこなのか
わ ....
ワトソン「なんの証拠も目撃者もなし。人間関係のトラブルもなし。」
ホームズ「盗まれているものもなし、だろ」
ワトソン「ああ、完全にお手上げだ」
ホームズ「だろ?」
ワトソン「だろ、って何だよ、 ....
昔。高校生の頃だけど、「一番星」って作品を書いたことがある。これは歌詞なので、まあ歌えちゃったりするんですけどね。

  *  *  *  *  *  *  *  *  * 

 ....
久しぶりの帰省すると
父も母もさらに 
小さい

そのくせ
私の好物に
ことのほか敏感

いなり寿司とか
フルーツとか


裏手にある斜面の先に
小さな墓地があり

花を ....
その角を曲がると
いつだって彼女は立っている
そこに、体に付いたしずくを払って
その度に小さくなっていくようだ
しずくが地面に消える分だけ
ビルはその背丈を伸ばして
猫たちの逃げ込む隙間を ....
色褪せたペディキュアの朱 もの憂げな視線で足を組み換えてみる


この浴衣ひとりで着たの?と囁かれ耳が火照るのに あぁ今日はダメ


その後の貴方の舌がつめたくて気持ちいいから抹茶 ....
もう少し近くで
聴かせてください
微熱の片すみに降りそそぐ
この音の連なりが 唄であるのなら

夏の底
透けた木の葉を揺らす
あるかなしかの風
古ぼけた木のベンチに
ゆっくりと
時 ....
彼らは国債残高に着目した。これだ!
国家予算の10倍超、GDP比100%超
ギネス公認の借金世界一の国家
しかしこれを改善に向かわせる萌芽がたったひとつあった
郵政民営化法案。彼らは5年かけて ....
もう、ここも夕暮れて
短い夢のあと
ひとつ、ふたつ、みっつと
呼吸を数えていく
世界はまっすぐで、明日へ向けて良好で
目覚めの後の、定まらない視線で
遠く見えない、海を見ている


 ....
夏雲がゆっくりと渡ってゆきます
手をかざしても よくは見えないけれど
僕らの記憶は 眩いあのあたりで
いまも青空にまみれて 遊んでいるんです
あっさりとひねりあげては
なぐって
またひろいあげる
泣いていました、ずっと
どうしようもなく 名づけられてしまったものを 


青いねえ

たっちゃんは確か そう言ったので ....
水色をまとい眺める水平線南の国は晴れだよ兄さん



マスカラの黒に瞳が見え隠れそんなふうに怒るな妹



空き瓶をカチリといわせ運んだね僕にとっての紅姉さん



紫の水晶送 ....
It takes an instant for Sunday
To shift to blue Monday
There's not an abyss in between
You know w ....
夕ぐれが夜になるふしぎ

月がかけていく夏の朝


地球のかたむきを

人はいつも忘れている
あたりじゅうすべてが蜃気楼と化してしまいそうな
夏の午後
裾の長い木綿の部屋着に包まれ
籐の長椅子で微睡む一個の
流線型の生命体
窓からのゆるい風が
肌にときおり触れて過ぎる
ほの甘くあ ....
「神様、地獄に行かせて下さい」
「何故?  君は立派な政治家だったはず」
「ありがとうございます。でも…」
「なんだね?」
「友達が一人もやって来ないんです」

          Kur ....
 
わごむとはとばすものですよ


この目に焼きついて離れない海岸線
手を伸ばせば届く そういう場所
波打ち際に寝転んで星を数えているというのに
あなたは僕の隣りでそんな無粋なことを言う ....
お兄ちゃん、と
呼ぶのが
照れくさくて
そのまま
僕たちは年をとった。

あなたは家を出て
後を追うように
私も出て
あなたは戻り
あるいは他所の国へ
私は
死ぬまであなたの弟 ....
白馬に行った
気圧の変化で耳痛い
トンネルをくぐったらすごい雨
またトンネルをくぐったらすごい晴れ

白馬についた
涼しい〜
湿気もないし
空気もうまい

早速ニジマスつかみどり
 ....
三月ウサギはニセウミガメに言いました
「世界中であんたほど得体の知れないものはないね」
ニセウミガメ謙遜して言いました
「チェシャ猫さんほどではありませんよ」
三月ウサギは小馬鹿にしたよう ....
スプラッタ父が西瓜を鷲づかみ

バケラッタ母がオバQ一気読み

オイ鬼太郎瞬きするってどんなもの

オイ鬼太郎泣いてはいない汗なんじゃ

鬼太郎にニヤリ笑われ汗ぽたり

暑かろう地 ....
日本の子供たちの思いやりが込められた
膨大な量の千羽鶴が海を渡った
あばら骨の浮き出た子供たちは
弱々しく 震える手で
ひとつひとつ 千羽鶴を開けた

何も入っていなかった

     ....
初毛の水紋
遠い雨雲
川が生まれ出るところ
谷をめぐる暗がり
稲妻を映す手のひら
狩りのはじまりの音


新月も終わり
諍いも終わる
花盗人の道に沿って
夜は子供の ....
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