あなたの黒髪を
巻き付けて
どんな電流を流せば
私は磁石になるのか
あなたのコイルで
包まれて
熱が生まれると
それは法則だ
磁場の中で
迷子になり
熱が冷めても
....
ある日、大学の売店で飲みものを買いました。
三十九ルーブルだったので、十ルーブル札を四枚だしました。
売店のおねえさんはお釣りの一ルーブル硬貨(日本円で四円くらいでしょうか)を探しましたが、ありま ....
さ
望んでごらん
何でも手に入るよ
君が望むなら
君は夢にある小川を望む
切ないほど優しく流れる子守唄のように
たゆたう小川
君は永遠の花火を望む
黒い貴婦人の胸に輝く ....
先生
唇が、
ふるえてしまいます。
電線に
飛行機雲が斜線して
雨上りが地上をうっすらとはいでいきます
あの日
陽炎で生まれました
わたし
浮遊する
夢みるからだで透けていき
....
昨日の高い 高い空から
ハッカの香りを感じた のです。
それは 甘くなく
気道から凍るような
冷たさだけ残して
昼には そっと
消えてしまったけれど
これから何度と無くやって ....
私はとても小さいので
海を見れば
海でいっぱいになってしまう
私はとても小さいので
空を見れば
空でいっぱいになってしまう
私はとても小さいので
風を匂えば
風で ....
教えてください
正しい愛の捨て方を
燃えないごみの日に
燃え上がったら困ります
生ごみといっしょなら
傷んでくれても困ります
大型ごみでは あるんですけど
影もかたちもないで ....
ただ手を暖めるためだけに
両手を 握られて
この人が救急隊員でなかったら
ありえない事に
じっと まかせた
仕事と言ってしまえば
それまでで
人としての思いやりが仕事
でも
そこ ....
声を聴かせて
おのずから妙なる旋律を宿すその声を
流れがうまれる
その声が意識に触れた場所から
涼やかにゆるやかに
深くたゆたう流れがうまれる
私はその流れに
身をゆだね
漂う
....
冷たい風と一緒に
クマが走ってきた
大きな目をまん丸にして
涙がポロポロ
首からさげた手ぬぐいで
目を拭きながら走ってくる
冷たい風が目にしみるんだね
冬眠するの 間に合わな ....
降り始めた雪に濡れながら
翔る若葉よ
じゃれて 絡まり
互いに触れた体の温もりを
互いの手の平に感じただろう
彼等は 彼等は
何処へ行ったのだろう
....
耳をすませば
月と星の ささめき
うしなわれた言葉の
ゆりかごを ゆすって
噴水が歌っている
なだらかな夜の背骨の上を
滑るようにして僕は歩く
温度を持たない
曲がり角を曲がり
名前を寄せない
ガードをくぐる
透明感を隠した街に焦がれる
僕を覆う他人の溜息
....
瓶 瓶
を を
覗 覗
く 鏡 く
と は と
中 刃 中
....
小 に
瓶 う
は よ
た の
....
遠くにいる人を想っている
列車は夜の手のひらをすべるように過ぎてゆく
舞い落ちる雪はその速度に蹴散らされて
散らされた後たいへん静かになり
静かに舞い落ちて
舞い落ちて
落ちて
落ち ....
質に入れたはずの女房が
ある日ひょっこり帰ってきた
質流れでもしたのだろうか
おかえりというと
ただいまもいわず
お茶だけ
のひとことで
台所に立ちお湯をわかしはじめる
そのうしろすが ....
朝になればよかった
朝に向かえばよかった
夕暮れは言葉のように少しずつ薄れて
地図はただ一色の紙切れになっていく
なぞっていたはずの大通りは
いつの間にか細い線になった
アクセルを踏み ....
私はあんなに憎い人を知らない
穏やかに過ごしていた日々を
圧倒的な力で根こそぎ運びさり
最もうとんだ葛藤と労苦の
深くにごった河へ流し込んでしまった
こんなところで生きてゆけない
....
満水の夜に
感覚をとぎすませながら
無数の魚が泳いでいる
距離と、位置と、
上昇する体温と、
そういうものを
止めてしまわないように
蛇口に口をつけて
あふれ出すカルキを吸うと ....
{引用= 空をイチョウが渡っていった
最初は一枚
次には乱舞
真上を通った瞬間に
くるくるイチョウの形が見えた
落ちてきながら
落ちてはこずに
....
芽、夏の始まる頃
なだらかに繁茂し
雨戸のような
古い匂いのする部屋
少年は水棲生物の絵を描き
鉛筆の芯はそのために
おられ続けている
逝くもののために祈り
生まれるもののために祈る
....
青空の向こうにあるのは、消え損ねた星のがらくた達だ
今日はとてもいい天気だった。
空は青く澄み渡り、雲1つなく、風は穏やかに吹いていた。
あそこやここに、風の塊が落ちてい ....
グリーンのセーター
さわりごごちがあんまりよくて
緑のなかにとけだした
だれもいない朝の公園
雨上がり
ぬれそぼるベンチ
とぎれっぱなしの会話
胸のアルファベットも
ばらばらになが ....
{引用=さぼりぐせのある小学生でした
うそつきでした
さんかくじょうぎが さみしくて
青の奥
散らかってゆく雲
君がつくえに立ってふざける
ちいさな教室
きいろい ....
きみが目を閉じても風は草原を夜空を海を旅してまはる
涸れてゆく泉にきみの瑠璃色の絶唱とわに不滅の予感
雨の駅、雨のバス停、雨の庭。きみが ....
ひとりでぶつぶつ言っています。
ベルギーの画家マグリットは言いました。
「私の絵の題名は説明でないし、絵は題名の図解ではない。題名と絵のつながりは詩的なものである」
いい。いいねーと思っ ....
前回の、視覚詩のお勉強の続きです。
○北園克衛の視覚詩
北園克衛は日本の視覚詩の先駆者で、ヨーロッパなどで視覚詩がさかんになったのと同じ時期に
(またはもっと前?北園克衛主催のモダニズム ....
天気予報の通りに 雨
今の季節は しょうがない
手首と 喉元に 水が
少しでも 沁み込まないように
タオルと 手差しを 巻き
雨合羽を 着込む
六尺のはしごが 私には 調度いい
....
「るる。」「るる。」「るる。」「るる。」「るる。」「るる。」「るる。」「るる。」
「るる。」「るる。」「るる。」「るる。」「るる。」「るる。」「るる。」「るる。」
「るる。」「るる。」「るる。」「 ....
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