すべてのおすすめ
　　切り絵（題材）
　　　「少女」



ただ真っ白い紙でした　私たち

切り絵師は　無を有にする
柄に美しい細工を施した
銀色の先端鋭いハサミで
すんなりと手足の伸びた
可　.... 昨日の高い　高い空から
ハッカの香りを感じた　のです。
それは　甘くなく
気道から凍るような
冷たさだけ残して
昼には　そっと
消えてしまったけれど



これから何度と無くやって　.... 　
　降り始めた雪に濡れながら
　翔る若葉よ
　じゃれて　絡まり
　互いに触れた体の温もりを
　互いの手の平に感じただろう
　彼等は　彼等は

　何処へ行ったのだろう



　　.... 　　　入眠


夜を行く　夜行列車の端から端まで
眠れないという　あなたの背中を
私の恋を知る　二年の黒髪で覆い尽くす


やがて　足が滑らかに滑り落ち
月の無い夜を　黒豹と翔け行く　.... 薄暗い軒先で
植えてもいないのに咲いている
高貴とは程遠い
紫の嫌な匂いを放つ花を
じっと　見ていた



「毒に彩られた花やね。」と教えてくれた
少女の丸くかがんだ背中から
　.... 「夕日が落ちる前に、帰ってきなさい。」と母が言う
　私は、海が見たかった。
　秋の夕暮れる速度と思い出と川沿いを歩き
　橋の向こうまで。


スタートは、浅い川底の尾ひれで跳ね上げる小　.... 入眠の際が瞼の奥で細い光を放っている
生と死の曖昧な絆という楔を
今は、強引に断ち切って　眠りの森へ
木漏れ日を抜けて下方へ沈みたい



怖さに尻込みした夜の
怖さに涙した夜の
夢　.... 毛むくじゃらの家猫が出かけて行ったきり
帰って来ないものだから
庭の木で啼くスズメの声が
遠慮なく鳴る目覚まし時計で
最近は、誰よりも早く窓を開けて
新しい風を味わう

あめ色の古机の上　.... 　　星の夜には
空から銀糸が降りてくるという幻想を持って
　　今は亡き
あの人と、あの人と、あの人と、あの子　と
日記のような会話をします。


瞬いた先から、雫が玉のように伝わって
　.... 失いかけた
午後の空白から
歌が聞こえる

　「バイバイ」と言っているんだね

とどまらない風が連れて行く
小さな声の始まり
先端が少し冷たい





君のフライングが
　.... 石鹸　ストロー　含ませて　
　　　　　　　　空　　へ。

虹の円　数秒の悦楽　
風の強い　晴れた　薄青へ
　　　　　飛んで　　行け。

儚い　宙と　思慕


「そのうち」


　.... 　　あれから、もう何年経ってしまったのか
　　思い出したくないような　そんな気持ちで
　　今を生きていることを　許してください。
　
　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



　.... 長く伸びた草野原が
風に揺れているので　波

転げ落ちた赤い実
踊るよ　上へ上へ

昨日　満開の花びらが
今日　空へ旅立つ色彩の吹雪
舞い上がる柔らかい湿度
甘い香りを連れて　一斉に　....
嘉野千尋さんの千月　話子さんおすすめリスト（13）
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
少女は感情移入する- 千月　話 ...自由詩14*06-2-13
冬の物語（パール・ピンク）- 千月　話 ...自由詩17*06-1-2
若葉の行方- 千月　話 ...自由詩13*05-12-24
フランケンシュタインの夜- 千月　話 ...自由詩17*05-11-1
自然治癒- 千月　話 ...自由詩25*05-10-19
指が落ちるように- 千月　話 ...自由詩12*05-9-16
幽閉の森- 千月　話 ...自由詩12*05-8-19
＿臭う家- 千月　話 ...自由詩18*05-6-25
金曜の星夜＿土曜の月夜- 千月　話 ...自由詩11*05-4-26
陽の当たる部屋、刹那と箱と- 千月　話 ...自由詩11*05-3-23
遊び飽きた日- 千月　話 ...自由詩7*05-3-15
ｍｉｓａ- 千月　話 ...自由詩7*05-3-3
回遊図書/表紙- 千月　話 ...自由詩8*05-1-10
Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する