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誰かの何かになれないと知り
片方を閉じ星を見つめた
道のむこうの道を見た
風はひと葉にひとつあり
ひたいの上で水になった
指のはざまで光になった


生まれたばかりの宙宇の ....
父去りて夏去りて今日ほどく紐



熱を捨て陽は降り急ぐ石の丘



涼やかな花には寄らぬ鳥と虫



触れるほど水はすばやく風深く



誰ぞ置く錆びし{ルビ ....
めざめては指に生まれし水かきで午後の終わりを泳ぎゆくひと



ゆきずりの他人の家の軒下に丸く在るもの季を唱うもの



届かない遠い川原に届かない指の軌跡の光あおいで
 ....
光が光をまとうとき
ひかりかげり かげひかり
静かに昇る
譜をめくる指


文字の見えない
明るさの紙に
ひとつをひとつに書きつけて
降りつもる音を見つめている


 ....
初毛の水紋
遠い雨雲
川が生まれ出るところ
谷をめぐる暗がり
稲妻を映す手のひら
狩りのはじまりの音


新月も終わり
諍いも終わる
花盗人の道に沿って
夜は子供の ....
わたしは
命ではないものの声を聴く
わたしをここに
わたしをここに置いてゆけ と


横倒しになったわたしの心
たったひとつの言葉に浮かび
たったひとつの言葉に沈む
横倒しの ....
燃える樹の前のからだと花束
つづくことのない美しさ
よく磨かれた場所
磨かれない場所
異なる響きがありつづける場所


空のまだらが午後になり
かかげた手のひらに ....
井戸の底を
のぞきこむ鳥
わずかに残る
水に映る陽
いとしいしずくであれ
いとしいしずくであれ


うすくゆがんだ光の輪が
影のなかにゆらめいている
にじみと波は
光 ....
朝は聞こえず
雨は遠く
水平線の陽
かたわらの光


からだをつらぬくかがやきの芯
やわらかくやわらかく変わるかたち
滴の重さの鳥たちが
つまずきながら屋根をわたる

 ....
雪は雨の背を見て降り
雪の微笑みを見て昇る
つむぎ つむぎ
手わたす手のひら
むすび むすび
つながる手のひら


光に織られた光をまとい
午後の原を梳くように
踊りは ....
営みや虹や偽りが
ひとつのつららになってゆく


あたたかく ゆがむ 手のひら つらら
したたる つめたく かがやく つらら


見つめるひとの目のなかの
自分自身を光に映し ....
ゆっくりと確かめる指のひとから
手わたされる言葉のような
雪の散る道をすぎるひとから
聞こえてくる色のような
朝の水平線に消えかけながら
まわりつづける季節のような
寄せては返す ....
嘉野千尋さんの木立 悟さんおすすめリスト(12)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
つたう_かたち- 木立 悟自由詩407-9-16
ノート(風にあれ)- 木立 悟俳句9*06-10-18
夜__こがね- 木立 悟短歌706-10-12
ひとつ_あかり- 木立 悟自由詩606-10-11
波のまわりに- 木立 悟自由詩805-7-31
わたしを憶える- 木立 悟自由詩805-7-29
遠共鳴(窓)- 木立 悟自由詩505-7-29
ノート(しずく)- 木立 悟自由詩305-5-29
遠く_銀に- 木立 悟自由詩3*05-5-9
往季路- 木立 悟自由詩305-3-27
ノート(つらら)- 木立 悟未詩・独白205-1-7
- 木立 悟自由詩404-3-27

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