淡い色の
薄絹の
蕾の、開くのと
同じ音の
朝が開いて


アスファルトの
日向には、金の時が
日陰には、銀の時が
満ちて


ああ
もう
これ以上幸福には
 ....
初夏の夜、首が痛くなるほどに
高い空を見上げて、
あれがかんむり座だよと、
いつかそう教えたのに、

あなたは忘れてしまった。
七つの星でできた王冠を、
あっさりと投げて捨て ....
どうしようもない高層ビルが砂煙あげて物静かに崩壊していった。それはいつだったか、たぶん去年の五月のことだ。もう終わってしまったゲーム盤の上で人々は右往左往していた。怒鳴り散らしていた頼りがいのある審判 .... 猫が空風の空き地を歩いている。空耳。夕暮れのネックレスはもうすっかりラピスラズリの感触だ。味わったはずのコーヒーの苦みは、いまやどこにいってしまったのだろう? 透明な連鎖。青ざめたトルソが、臍のあたり .... 疾走感 と 焦燥感 の
折り重なった狭間で、
ドライブ

車の窓から手を出して
うしろへ、うしろへ、
流れてゆく景色を
さわって、あそんだ

ときどき
指のあいだをすりぬけて
流 ....
その名残はもう届かない位置で
懸命に手を振りながら明日に挟まれていく
折り重なり、押し寄せる毎日の隙間
風化する
足跡はもうどこにも残っていないから
辿ることも
手を伸ばすこと、も

 ....
手をつないで
深いところまで、いってしまった


引いてゆくまにまに
記憶の砂がすれあっては
かすかに音をたてる
ノートブックの波に
毎日つづった、日記
夕立ちをよけて、キスをして、 ....
夕暮れに
ひめりんごの花弁が
雪のように散ってゆき
落ちた先は
あの子の眠る
寒い土の上でした


最期の言葉も
交わさぬまま
突然
冬空へと消えた
一つきりの ....
  星の夜には
空から銀糸が降りてくるという幻想を持って
  今は亡き
あの人と、あの人と、あの人と、あの子 と
日記のような会話をします。


瞬いた先から、雫が玉のように伝わって
 ....


こころ
ころころ
ねずみのあなへ
ぺたぺたついた
うさぎもち
つきにならべて
おひとつどうぞ
さるかにころん
ひとやすみ



あしたわたそか
わたしかあしか
 ....
おちた マッチは
灰の中

棒 の方から

くろく さけ
もやされ

火薬が ほころぶのを
みない うちに はて
おしまいに
オレンジ色が ほとばしる

灰の中
うたう ....
何とたやすく心地よい呼吸
意識しなくてもなされる呼吸


骨についているのはしっかりとしたたんぱく質
たんぱく質が呼吸している


拾ってあげて
まだ土には早い


生きている ....
多感な馬鹿
果敢な馬鹿
彼岸の馬鹿
此岸の馬鹿
対岸の馬鹿

たおやかな馬鹿
物静かな馬鹿
小うるさい馬鹿
夢見る馬鹿
現実の馬鹿
石橋を敲いて渡る

三途の川も馬鹿
地獄 ....
さかさまつげ と診断され
父に手をつないでもらって
眼科に通って いた頃

診察してくださった先生は
遠くをみつめなさい と言った

遠くの山の緑 遠くの景色を
とても 眼にいいか ....
「何でこれがこんなところにあるの?」
「あ・・・片付けます{取消=って私は使っていないのに}(失われた言葉がある)」

「どういうつもりなの?」
「申し訳ございません。以後気をつけます。{取消 ....

幾ばくか、やわらかくなった夜がそこにあります
空からしゅるしゅるとひも
カチリと引っ張っても、暗い空色が点灯するだけでした


明け方
種子が射し始めた光に休んでいます
海を思い出 ....
メンズポッキーって何だ!
メンズポッキーって何なんだ!
じゃあ普通のポッキーはレディースだってことか!
普通のポッキーを男は買っちゃいけないのか!
メンズポッキーを女は買っちゃいけないのか!
 ....
それが何だろうとは考えなかった
例えば自分の乗っている飛行機が墜落するとき
墜落という現象について考えないのと同じように

*****

そこに行こうとしたのではなく
他にどこへ行けばい ....
いつだって、
手の届かないものを欲しがる、悪い癖。

あの光に過去を思い出そうとしても、
それは凡て幻です。


夏になれば、
夏になれば、
夏になれば、

夏に、ねえ、
 ....
アルマジロ 板東英二の主食なり 一部の地域で薬とされる


山小屋で飲み水代わりになろうかと結露吸い込む 友の思い出


春雨に河童の類を取り出して にこりと羽織った初恋の人


泣 ....
いつからか
いつだって

夕暮れにはどうしたって寒さを感じてしまうので
羽織るものを探して
溶けるようにして逃げ込む家並み
指先の冷たさで、触れると
いつだって君は飛び上がって
降りて ....
風景が通り過ぎて
自転車や
木の葉を揺らす風
水しぶき
金魚の尾
空に浮かぶ無数の帯
風は川底とおんなじに
空を冷たくして
夕焼けはかがり火とおんなじに
そちらを向く顔を照らし

 ....
仕事をやめたいやめたいと毎日泣きそうな顔で
働いているCさんは
今年で勤続十年表彰されて金一封

旦那と別れたい別れたいと
言いつづけたHちゃんは
第二子ご懐妊つわりも軽く順調

親な ....
・主人公                  

 手品が得意 名は呼ばれない

・恋人                   
 
 四六時中怒っている

・停留所でバスを待っている人  ....
1.

かみさまは、どこですか。



2.

かみさまは、どこですか。

道すがらたずねると
あっち、と指をさした人がいたので
ひたすら あっち、に向かって歩いた
歩いて歩 ....
船で行きました

ああ、あの空へです

あの、虹の橋をくぐって行きました

雲の波に乗って・・・・

星は夜光虫のようでした、まるで

月は灯台のようにあたりをてらしていて・・・・ ....
メール


メール大臣


反メール


メール子



にわかには信じがたいことかもしれないが、育児の最中に、自宅の電話線を抜いている主婦は多い。同時に彼女たちは、インター ....
きみがまだ少女の頃はぼくもまた少年だった すれ違う駅


きみと向かいあって話した教室が世界のすべてであったあの夏


きみの吸ってたマルボロライトを吸ってみる吐き出す煙が重い七月

 ....
星砂の手紙を
ひとに送ったことがあります

便せんを折って
さらさらと封筒に注いで

指先かすかに潮と日差しの匂い


やがて返事が来ましたが

便せんにささっていたとか
ぶち ....
先生、
ぼくのお兄ちゃんが
このあいだ死にました

ぼくのうちは
3人兄弟です
全員男です

まん中のお兄ちゃんが
死にました

名前はゆうごです
ぼくは「ゆうごちゃん」と
 ....
嘉野千尋さんのおすすめリスト(493)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- A道化自由詩405-5-3
かんむり座- 佐々宝砂自由詩2805-5-3
どうしようもない高層ビルが- 佐々宝砂自由詩905-5-3
猫が空風の空き地を- 佐々宝砂自由詩1105-5-3
ストライプ・ドライブ- 望月 ゆ ...自由詩12*05-5-2
僕らが消えてしまったころに- 霜天自由詩1305-5-2
かなしい、さかな- 望月 ゆ ...自由詩25*05-4-30
花の墓標- 嶋中すず自由詩43*05-4-29
金曜の星夜_土曜の月夜- 千月 話 ...自由詩11*05-4-26
かえりうた- ヤギ自由詩4*05-4-25
一本の火- 砂木自由詩2*05-4-24
版画_自分のための独白- ヤギ未詩・独白3*05-4-23
馬鹿につける形容詞- 小池房枝自由詩17*05-4-21
とおくを_みつめなさい- 砂木自由詩58*05-4-20
失われた言葉- 自由詩4*05-4-20
- ふく未詩・独白7*05-4-19
ただいま不適切な発言がありましたことをお詫びいたします- マスイジ ...自由詩14*05-4-18
よくある話- ヤギ自由詩6*05-4-17
夏のひかり- 有邑空玖自由詩9*05-4-16
真昼間に半裸で僕は君に話しかけたかった?- ヤギ短歌3*05-4-15
連なる青- 霜天自由詩805-4-14
通り過ぎて- ふるる自由詩11*05-4-14
三日月のてっぺんで恋人を待っている- 大西 チ ...自由詩12*05-4-12
登場人物- ヤギ自由詩8*05-4-11
かみさまについての多くを知らない- 望月 ゆ ...自由詩43*05-4-10
船で行きました- ふるる自由詩8*05-4-9
メール/リトルネロ- チアーヌ自由詩705-4-6
イエスタデイをうたって- 本木はじ ...短歌17*05-4-5
星砂の手紙- 小池房枝自由詩5*05-4-4
かきフライ- 043BLUE未詩・独白34*05-4-4

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