小石
ふるる
夜店で釣ってきた金魚を庭先で
バケツに放して
しゃがんで
じっと見入る
窓からのあかり
空からのあかり
遠くに響く祭り囃子
黒い自分の影
しゃがんで見ている子供の私
その一点の風景
夏の時間を過ぎる時
必ず
その一点を通る
しゃがんでバケツの金魚を見ている
子供の私
それは秋から冬になるとだんだんと拡散してゆき
春から夏になる頃にまた収縮していく
拡散と収縮を繰り返す
一つの点
小石のように黒々とある。
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****印象詩っぽい*****