小石
ふるる

夜店で釣ってきた金魚を庭先で
バケツに放して
しゃがんで
じっと見入る
窓からのあかり
空からのあかり
遠くに響く祭り囃子
黒い自分の影

しゃがんで見ている子供の私
その一点の風景

夏の時間を過ぎる時
必ず
その一点を通る

しゃがんでバケツの金魚を見ている
子供の私

それは秋から冬になるとだんだんと拡散してゆき
春から夏になる頃にまた収縮していく

拡散と収縮を繰り返す
一つの点

小石のように黒々とある。


自由詩 小石 Copyright ふるる 2005-08-21 23:49:43
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****印象詩っぽい*****