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行間のしろいまぶたが
きんいろに開かれてゆくことがある、としたら
白百合を青い糸で綴じたのは余計な悪戯だったでしょう

木の陰に残された小人の足跡
そこにも宇宙にも
数え切れないほどの静寂 ....
ねぇ、おとうさん

なんで 戦争反対をするの / 次世代のこどもたちが徴兵されるからだ / なんで そんなふうに思うの / 新聞を、読んだからだ、たくさんの人にあって活動していたからだ / なんで ....
「蒼天」


はげしく病みつかれた後に

安静の机上に

灰皿は戻らなかった

こころさびしく

月明かりにうっとりと酔う心地

朝、白く霞んでいる頬に

背かないように ....
私をとりかこんでいた言葉たちが
あのときを境に
いっせいに遠ざかってしまった

遠景になってしまった言葉たち
とり残された私のまわりの
がらんどう

けれど私は
おそるおそるでも
 ....
6月23日

  このからだのなかに
  ながれているものが
  うそ
  にならないように
  てをあわせます



また、6月23日

  ことしも
  まだなんとかひと ....
そしてゆっくりと
身体から夏が剥がれ落ち
空虚するための九月がやってくる

白を纏う
夏のように
眩しさを反射するための白ではなく
とり残されるための 白

とり残されて
空虚する ....
花がしづかに揺れてゐる。

その横に小さな言葉がおちてゐる。

姉さんがそれをひろつて、お皿にのせた。


子供たちは外であそんでゐる。

まぶしいほど白いお皿に ....
宙に 浮かんだまま 漂っている
意識

ふらふら
 ふわふわ
  流れ続ける時のなか
   痛みながら呻きながら
   肉と繋がり
  引き留められ
 わたしの在り処を
探してい ....
滲む濃紺のシルエット
おくれ毛ぬれたその耳を塞いで
いたのは 誰の声だったのか

小さな手から逃げ出した
風船は 空いっぱいにふくらんで 
音もなく 破裂した 大人びて寂しい

始まり ....
人は反射する鏡なのです

だれかをよわいと思うとき
わたしがよわいのです

だから感じることをやめなければならない
わけではない
人はほんとうには
神器そのままではありえないから

 ....
透明な何かがかすめた
それで十分
脳は甘く縺れる痛みの追い付けない衝撃に
砕かれ 失われ
死に物狂いで光を掴もうと
欠片たちは
凍結されることを望みながら
永久に解読不能
時間の延滞の ....
春の白い空には
いつも浮かんでいる気怠い書体の半透明の文字
“Anywhere out of the world”
(ボードレールとシャガールと中原中也の三角形)

それを見あげていると
 ....
{引用=
静止したレースのカーテンが夕陽をたたえて、切りとられた金色に
染まっているこの寂しさは、切りそろえられて強調されたおかっぱ
のうなじ、森の小径で縫うようにうつろう黄色いニ匹の蝶々、また ....
   
 生きたまま花の化石になりたい
 という少女がいて
 街は、霞のようにかすかに
 かそけく 輝いているのだった

 ちちははの眠るやわらかな記憶の棺たち
 少女は母似の瞼をとじた ....
木製の昼の頭蓋の
硬さとおなじだけ
いつまでも揺蕩っていたい
すこしだけ曲げた
指さきと指さきとで
共有しあう
些細な、ひとひらの花弁をひとつの接点として
子供がつくった水色のゼリィーの ....
私に向かってはずっと閉ざされている扉があり
どうやら世界と呼ばれるもののほとんどは
その扉の向こうにあるらしい

私はここにいて扉を見ている
扉の向こうにいる人たちについて思いをめぐらす
 ....
「笹舟」

ほそくふるえる茎をくわえて吹いてみた
ちいさいころの夕焼けが鳴った
{ルビ百日紅=さるすべり}のあった空き地
少年探偵団のぼくが落とした時間
材木屋のある路地は行き止まり
ふ ....
1.
色のない空をつんざくようにそびえたつ黒い山脈

真っ黒焦げになった数万の人々が
フライパンの上ゴウゴウと炒られて悲鳴をあげていて
それをしている巨人もまた
焼き爛れて狂って笑いながら ....
 溢れる海の{ルビ思想=おもい}を
 透いた生命の鼓動にのせて
 ぼくはきみに語りたい
 {ルビ灼=あつ}い 熱い視線の息吹に恋い焦がれ
 ひとり 沈んでいった人たちのことを
 ふるえる ....
「子どものための幻想詩」

子どもらしい子どもにしたがる
大人のためかもしれない

大人になりきれない子どもがえがく
むなしい まぼろしかも

けれど中にはよいものが

目を磨くん ....
 

 一篇の詩をつづりながら
 多くの迷い道を選びきれないでいる
 夜 飼い猫の眼が光る
 かれも ぼくをみつめている

 散乱した独りずまいの部屋に
 椅子がない
 神棚のみずが ....
朝は夢のお告げとともにやってきた。
都市のあらゆる時間の色を濃縮して色鉛筆を
つくり、その色鉛筆をもって描け。この目が
見るものすべてを丁寧にえがきつくすことで
立ち上がる都市。今この場所で、 ....
ふたたびの青い扉
を開けると一瞬で模型となる街
のふちに腰かけている灰色の詩人
の帽子を奪ってゆく軽快な風
に揺れるかがやくデイジーの群れ
の上を舞う愁い顔の緑の天使
を忘れて立ち去るマン ....
あの鳥には羽があって
ぼくの頭上をとんでいる

根っこの生えた僕には
縁のないこと
手を伸ばしても
羽がない

あの鳥には夢があって
君の横をかすめていく

苔むした僕には
縁 ....
君のそろえた手のひらのくぼみに湖が
あるなら
ちょうど夜が明けて霧も晴れてきて
青い山々がすっかり見えるだろう

僕は湖畔に寝そべって
君に捧げる歌を作る
君がふっと息を吹きかけるだけで ....
雨が降るのは拒めないが
雨降りに何をするかは選ぶことができる
濡れたくなければ家から出ないことだ
出かけるのなら傘を差せばいい
傘がなければ濡れるしかないが
傘を差しても多少は濡れる
濡れ ....
白樺の若葉は濡れてなお淡く
陰りの中に揺れ
畑の麦はより深く  
滲むように息づいた
日差しにかすむものたちが
雨の日には薄められず
沁みて とおる
焦げついた所まで
土の匂い 
湿 ....
うすい眠りに包まれて
探っている
五月の風を手招いて萌える木々
光の纏いで取り戻す
ざわめきの形象は
淡く爪先立ち
まどろみに波紋を呼び起こす
山と山との重なりに
隠された遥かなる道程 ....
灰色の薄明の底に
灰色の湖が静かにひろがる
その汀にひとり佇んでいる

灰色の薄明は薄明のまま
明けることも暮れることもない
灰色の湖はただ静かだ
誰の 何の気配もない

ただこの場 ....
近づくこと
遠ざかること
 
 暗い 
    音節の 
  蝶番

止まることを拒む

海の裾のドレープ
駆けあがる白い泡

絶えまなく
描き直され
     拒みながら ....
ryinxさんの自由詩おすすめリスト(1365)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
虚構- 渚鳥自由詩12*18-5-10
滲む記憶- 田中修子自由詩8*18-5-8
蒼天- 渚鳥自由詩2*18-4-4
遠景へつぶやく- 塔野夏子自由詩8*18-3-11
フラグメンツ/連音- AB(な ...自由詩10*17-10-15
空虚するための九月- 塔野夏子自由詩7*17-9-1
草色- 石村自由詩19*17-8-31
わたし_の- ひだかた ...自由詩10*17-7-21
暮れないまま- ただのみ ...自由詩16*17-7-15
曇る鏡- 田中修子自由詩9*17-6-28
スティグマティクス- ただのみ ...自由詩10*17-5-31
春_虚- 塔野夏子自由詩3*17-3-23
陽だまり- 本田憲嵩自由詩12+*17-2-22
花の化石- 白島真自由詩28*17-1-10
淡い水色の- 本田憲嵩自由詩317-1-6
- 塔野夏子自由詩3*16-12-29
短詩2篇- 白島真自由詩23*16-12-22
心象風景二_きみとわたしと- 田中修子自由詩7*16-12-14
ぼくの内側から崩れていく海- 白島真自由詩20*16-10-20
子どものための幻想詩- 田中修子自由詩9*16-9-29
生誕祭- 白島真自由詩4*16-9-26
透明で情緒的な朝の栞、-0.5度、そしてあなたは何がしたいの ...- こうだた ...自由詩2*16-8-18
ふたたびの青い扉- 塔野夏子自由詩3*16-8-1
「_AMETHYST_」- jude planet自由詩116-7-17
くぼみ- ふるる自由詩18*16-7-1
雨が降るのは拒めないが- ただのみ ...自由詩9*16-6-18
雨/みどり- ただのみ ...自由詩10*16-5-7
混濁- ただのみ ...自由詩8*16-5-4
灰色景- 塔野夏子自由詩4*16-3-27
目交い/そして- ただのみ ...自由詩12*16-3-19

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