すべてのおすすめ
いのちを
失っても
まもりたい存在があるだろうか
こころの平原を行くと
そこに一つの墓がたっている
それは私の墓だと直感する。
あつい陽にさらされていても
その墓の石の肌はどこか
....
アカゲラについばまれた
桑の木 ハチワレの
地球のような球体の眼は 風の色をうつし、
木陰はさらさらと葉を揺らす
不安や恐怖が 世界を委縮させていく
怒りは人を疲弊させ
....
ばかだったことがばれて、すべてのぎぜんしゃたちに、おおあわてでみはなされたおにいちゃんへ
おにいさん、しんでくれてありがとう
おにいさん、しんでくれてありがとう
すべてのきずついたこどもたちのた ....
何でも吸い込む掃除機を
神様は創った
掃除機はゴミを吸って
小さな虫を吸った
動物を吸って
人を吸って
夕暮れの街や
朝焼けの海を吸って
地球を丸ごと吸って
星々、そして宇宙 ....
西風が吹きつける
白い塗装の剥げかけた
木枠の窓
嵐の前の雨が胸をつき
かえるべき場所を見失った心は
ぐるりぐるり
過去の幻をめぐるだけで
固くなる
あなたは ....
真夜中、夜に目が覚めた。
凄々まじい羽音に起こされた。
はらっても、はらっても
黒い小さな塊が、音を立てて
いくつも、いくつも纏わりついてきた。
そういえば、ここ、二、三日とい ....
毎日一応投稿しているフリッカーを何枚かみる
こんな素敵なところに住みたいなーと思う写真もある
今日ポイントを入れた一枚はニューヨークの高層ビルを背景に家族四人が噴水の前に立っている微笑ましい写真。 ....
眠れないから針を投げる
夜がナマズみたいに口を開けてる
忘れた頃に届いた手紙
still love you.なんて
文末に軽く添えやがって
こっちは本気だったのっ!
白くなった ....
○白めいた
色があった
君の白めいた指やその先
外海が言葉で満ちる頃
僕らは改札口で
無くしてしまった水棲生物の
欠片を探していた
でも本当は
最初からそんなものはなくて
....
いつまでも
想い出にならない夏
痛くもなく
ただ痺れていただけの夏
ぽとり
昨日の端から
呆気なく零れ落ちたわたしは
黒い服を着せられ
どこかが
痛いような顔 ....
大洋の波は疲れを休めに
小さな湾へ入る
湾を取りまいた山々が厳しく空を区切り
空は益々、高く逃れ
大洋の波を冷たく見下ろす
⭐︎
姿を取りえない青春の彫像を打ち立 ....
庭先に咲いていたのはほおずきの花
日常からわずらいを引き算したような
うすい黄色の小さな宇宙
秋になってそれは赤く実籠る
ほおずきの実には毒があり
かつて堕胎するために使われたと知ったの ....
るーるー、カチ・カチ・カチ・カチ・
うめくようにきつく、くぐもった、湿る声で許しを請う、どうして?、静夜のからくり、まだ内側を掴んで離せない、風が占める、時は鳴り続ける、果てる波と砕ける{ルビ過去= ....
一粒が連ね重なり
完成はいまだになく
溺れる事も無く
人肌の熱を持ち
様々な色を放つ
色彩の豊かさには溺れ酔う
くれるのがこわいくらいに
愛しみに沈んでいくのに
淡い色で輝きはまし ....
綿毛のしっぽ
小鹿は 天の一点を見つめ
遠雷は、雨か
我知らぬ予兆の
布告
与えられた
つばめの空を行く航跡の曲線文字を
なぞっては、
その意味を解いていく
ー路をうしな ....
土佐の海辺の村で
毎日毎夜薄暗い電灯の
野外畳の上にでんと座り
鍋に茹でられた貝という貝
爪楊枝でほじくり出し
それぞれ異なる磯ノ味覚
噛み砕き引き裂き食い喰らい
瞑黙ひたすらに味わい尽 ....
恋人が蝶だった、ひらひらと羽搏きながらじゃれ合って、夏のあおぞらへとどこまでもどこまでものぼってゆく、その陽と風と葉はとても明るかった、ぼくはたしかに蝶だった、やがてそれぞれの夏空へと旅立っていってし ....
ひとみをとじておもいだすことは たくさんのあたたかさでしかなくって
こぼれたしずくにうつるせかいはすべてやけい
ほら ごらん くちては いかないせかいを
アスファルト ....
犬の名前を並べる、
タロー、ルル、ブンタ、シロ
そのことを悔い、
喉元にキムチの色を塗りつけて、
俺たちは、見つめあった
北の城壁が高く聳えていた
たぶん、高さは、
喉の渇きで測った ....
今日の投稿で1年経ちます
明日から2年目の1日目
三日坊主にならず
365日続けられた
毎日詩を書くということ
また次の1年
続くように
楽しんで書いていきます
読んでくだ ....
とっても有名な蠅なのよ、あたいは。
教科書に載ってるのよ、それも理科じゃなくって
国語なのよ、こ・く・ご!
尾崎一雄っていう、オジンの額の皺に挟まれた
とっても有名な蠅なのよ
....
東京へ行くなら
電車、おぼえないとね
やっとついた
借り暮らしの
街中の
扉をあけては
指を鳴らしていく
新人らしく
土砂降りに打たれながら
みんな ohayo!
たくさんある ....
声帯が未遂に終わった
夏の初めの頃
植物は止まり
蟻の巣は時間をかけて
退廃していった
立てかけられた
日傘、と
ひとつまみの酸素
光化学スモッグの半日は
残務整理に費やされ ....
待ちかまえていたのか
折悪しく雨がぱらついて
遠くない駅までの道を濡れていく
JRで一駅先の改札を出ると
もう雨は止んでいて
踏切の向こう、陽ざしが流れおちている
滝のう ....
真夜中に稲光で目覚めた
とおもったけれど
ふと目覚めたらたまたま雷が光ったのかもしれない
きれい、と怖れ、は
ちいさな箱に同居してる双子
エレベーターに「故障中」の張り紙が貼られている
....
遠くからの雨が
仰向けで倒れたままの僕たちの瞼にも恵まれ
封じた楕円に触れてもいい頃合いだと知らせる
呼び鈴が鳴らされたが
出ていけない
、 ない……が湿った封筒を差し出し
黒い口を開 ....
初めての気持ちを
久しぶりに思い出して
少し心逸らして
今更痛さに震える
まだ
消えない
まま
見れない
初めての別れを
久しぶりに思い出して
もう戻れない夜に
今更君の ....
そよ風で編まれた
風の言葉に
連れられて
私の耳は進んでゆく
行く先は分からないまま
雑音混じりに
聞こえる
ここから
静かに静止する
最後まで
たとえ無様な最期であっても
「あ ....
生き物として残り時間はもうそう多くない
やっかいなのはいつまで、なのかは誰にもわからないこと
いっそ自分で決めてしまえば楽になるのかしら
喫茶店でクリームソーダを飲みながら
思い出を誰かに ....
洗濯機のとなりで
展覧会があった
淡い色だった
人々が行儀よく
並んでいた
わたしも会場に
入りたかったけれど
チケットを
衣服と一緒に
洗濯してしまった
昨夜折った笹舟を ....
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