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廊下。背中にも
季節があると知った
椅子の無い陽射しが
窓から海へと降り注ぎ
穏やかな陰影の様を作ると
雑学を語り終えたかのように
わたしは鉛筆を一本
また一本と折っていった
 ....
りんご
まず愛されないといけないんだ
ごりら
だれかとつながりたいと願うなら
らっぱ
らくだの背中に入れておく粗品
ぱんだ
何か 膨らみを持たせるための何かだ
黙ってうつむくそのひとの ....
 
 鈍色の民家の瓦と重なって見えた
 黒味帯びる朱をのこすだけの
 散り落ちぬ大輪のバラ

 秋立つ日
 貴女はうつむいて想いに耽り
 天蓋の星たちが数回瞬く間の短い夜を
 すごして ....
冷蔵庫のフリーザーのところにある
あの白いプラスチックでできた
板チョコレートをくり抜いたような形をした容器に
お茶を入れて凍らせて
それをふつうの氷のようにコップに入れて
そこに冷たい ....
あたしんちの横断歩道では
いつも
ナオミが
間違った文法で
ごろごろ寝っころがっています。
まわりでは
あたしたちのことを
レズだとか
イモだとか
好き言ってます。  ....
蛍が飛んで
わたしは彗星になった

わたし、すいせいに、なったよ

言葉なんてまだ
よく知らなかったけれど
許された気持ちになった

彗星なんて、つまらないわよ
母はそう言 ....
文化の日で
休日やというのに
大学では授業があったみたいで
文化の日の前の日に集まりたいって連絡すると
つぎの日に授業がありますので
というので
じゃあ、授業が終わってから集まろ ....
こんな冷たい雨降る夜は
夢を見ないことがある

こんな冷たい雨降る夜は
とても寂しく人恋しい

濡れたアスファルトに街灯が映り
水溜まりのありかを教えてくれる
傘をさしては手のひら擦り ....
書きとめられることのなかった言葉は
綿毛のように目の前をただよい
掴もうとする指の間をすり抜け
風に流され消えていった

明け方に見た夢を思い出そうと
目を瞑っても白く掠れていくイメージ
 ....
そして医者がわたしのカルテに新しい病状について書き込んでいる
その手元を盗み見るがあまりの悪筆でまったく読めない
日本語ではないのかもしれない

秋が失われて久しいのだけど
秋のことは覚えて ....
きょう
新しいディスクマンを買おうと思って
河原町に出たのだけれど
買わずに
四条通りのほうのジュンク堂に寄って
自分の詩集がまだ置いてあるのかどうか見た。
一階の奥の詩集のコー ....
 わずかに
 ふるえる眼
 こわれた
 奇妙なかたち

 なきごえをあげる

 うぶごえのように

 呼びかけ
 じりじりと
 やまない雨の音
 旗にまぎれ

 一 ....
*


なんとはなしに眺めていて
思ったのだが、
このなんでもない
あたりまえの数式を
はじめに考えたものは
偉大であったのだと思う。
はじめにつくりだすことが
いか ....
 草上に敷いた薄水色の布へ、サンドイッチとサラダを置いたまま、わたしはときどき長い草や砂利に足を取られつつ、川の近くへ降りていった。川と草の境目で、ぐらつく石にのるわたしへ、あなたは、手を振った。振っ .... 私という存在は

水面を浮遊するカゲロウのように

不確かな命の現象なのです

帰る処はありません

やがて透明に吸い込まれてしまうでしょう
うつろいを風で知る
突然キンモクセイの香りが通り過ぎて
ふるさとのまちなみをおもいだす

大切な人を喪って
もう何十年と経っているのに
まだちゃんと立ち直れないの と
彼女は言った
あ ....
                               



                             暗闇から暗渠を覗くのものすべてが恐怖に等しく
 その眼が吸い込 ....
庭に数式の花が咲いていた。
よく見かける簡単なものもあれば、
学生時代にお目にかかったややこしいものもあった。
近づいて、手でもぎると、
数と記号に分解して、
やがてすぐに、手 ....
庭に数式の花が咲いていた。
近づいて手でもぎとると
数と記号に分解して
手のひらのうえですっと消えた。
庭を見下ろすと
数式は、もとの花に戻っていた。

 *

庭に出 ....
お寺の境内の一角、緑の葉が繁り、そのところどころで小さな可憐な花が咲いている。
その紫色を見ているとなぜか懐かしさでこころのうちがあたたかくなる。
「萩の花だわ」
すれ違っていく観光客の会話でそ ....
もう二十五年も、黒板に向かって、数式を書いたり消したりしておりますが
おとつい、あるおひとりの数学の先生に
「田中先生、図形は、どうして反時計回りにアルファベットをふるのでしょうか。
 ご存 ....
 
 窓の外は雨あがりの道端に
 もう夏が振り向きもせず
 透けた背中をみせている

 昨晩干した洗濯物の柔軟剤が香る室内で
 好きな音楽を聴きながら
 刻み始めるキャベツ

 レッ ....
納豆をかき混ぜると
遥かユーラシアから
吹いてくる風がある
父は砂糖を入れるのが好きだった
母はそれを好まなかった
わたしは優しくありたかった
皆、少しずつ欠落していって
比喩は ....
事情があって先週から何も食べていない

先日食べようとした納豆玉子かけご飯とかき揚げも食べなかった

体重は4キログラム減ってふわふわと眩暈がする

気分は平静なのだけれど何時もの摂食障害 ....
1/2 + 1/4 + 1/8 + 1/16 + 1/32 + 1/64 + …… = 1
1 = 1/2 + 1/4 + 1/8 + 1/16 + 1/32 + 1/64 + ……

 ....
言葉が脱臼して
雲のない空より雷が落ちた
それは私がすっかり変身した合図

ただ灰色の曇り空と
青い山のみがある
ただ私は立ってのぞんでいる


ただ物語がなくなって
存在が辛く ....
    初出『パーシー・アカデミー』誌 1963年 12月号

 クウォーター・パークの酒場でめずらしく呑んでいた
 かれは室でしか呑まない男だった
 もう若くない顔で時折
 笑うそぶりを見 ....
既視感のある風景だ
どこか懐かしさだって感じて
あの青い山や
白い雲だって
いつか脳内に集めたものだ
そこでこのくさはらに
ひゅうと風吹く

今私は孤独ではない
妻がいるから孤独 ....
さはやかな気の揺らぎに深緑の匂いの混じり
空遠く奥まる雲の集積が吹き流されてゆく

 宙から天へ、天から地へ
  貫入し続ける力の
   たゆまぬ時の破壊、
  灼熱の季節を衰微させ
  ....
どこへでも行ける頭と体と足と地図があるのに
どれだけ地図を見ても
どれほど歩き続けても
行きたい場所へたどり着けない

私の行きたい場所
私は想い出に行きたい
ryinxさんの自由詩おすすめリスト(1365)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雑学- たもつ自由詩624-11-4
まず愛されないといけないんだ- 松岡宮自由詩8*24-11-3
落日- リリー自由詩6*24-11-2
アイスコーヒー。- 田中宏輔自由詩9*24-11-2
点の、ゴボゴボ。- 田中宏輔自由詩11+*24-11-1
蛍と彗星- たもつ自由詩224-10-31
THE_THINGS_WE_DO_FOR_LOVE。- 田中宏輔自由詩9+*24-10-30
雨の夜- レタス自由詩8*24-10-29
フラグメント- ヒロセマ ...自由詩14*24-10-27
カルテと文鳥- そらの珊 ...自由詩13*24-10-26
もうね、あなたね、現実の方が、あなたから逃げていくっていうの ...- 田中宏輔自由詩14+*24-10-24
戦場- 湯 煙自由詩6*24-10-21
数式の庭。原型その2- 田中宏輔自由詩12+*24-10-17
帰るべき家- パンジー ...自由詩724-10-16
五行歌__虚ろ- レタス自由詩9*24-10-16
家路/エバー- そらの珊 ...自由詩9*24-10-11
新月の夜- アラガイ ...自由詩11*24-10-10
数式の庭。原型その1- 田中宏輔自由詩13*24-10-9
数式の庭。─前篇─- 田中宏輔自由詩16*24-10-9
慈雨- そらの珊 ...自由詩13*24-10-4
反時計回り。- 田中宏輔自由詩12*24-10-2
The__Holiday_- リリー自由詩10*24-9-29
納豆- たもつ自由詩324-9-26
予感- レタス自由詩6*24-9-25
悲しみ。- 田中宏輔自由詩12*24-9-25
くりかえす- 田中教平 ...自由詩424-9-25
すべては無意味/アラン・マッケル=作- 中田満帆自由詩424-9-24
郷の風景- 田中教平 ...自由詩5*24-9-23
秋、しずかさにほひ- ひだかた ...自由詩9*24-9-23
行先- リィ自由詩3*24-9-23

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