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そうだね、
戦争があったんだ。たしかに。
私の血の中に流れる色のない祖母の声は、
終戦の真っ青な夏空をしている。
春はどうだったろう。そういえば戦争の春のことを
聞いたことがない。春 ....
やっとたどりついた水死体が
黄緑の棘のある 白薔薇のいばらのしたに
寝っ転がっていて 飛び出た澄んだ眼玉で
悪咳が流行ってから澄みゆく空を
わらうように泣くように眺めている
しずかに
夜明 ....
ね、みんなは、恐竜だったころをおぼえている?
むかし博物館に家族全員を、父がつれて行ってくれた。幸せな会話で窒息しそうな電車、はやく終わらないかな。
父はティラノサウルスが好き。わたしはトリケ ....
濃灰色に、重く雲があって
息苦しいような午前中に
雨がふりだした
傘が咲くだろう ひとはそのひとの人生のために 雨の底を歩いてゆく
歩んだ歩数のおおさ すくなさ おもさ かろさ
かろやかにた ....
美しい本と空と地面があった
あるいてあるいて
夜空や
咲いている花を
吸い込んでいくと かさかさになったこころが
嬉しがっているのを 感じた
雨の日には 本を読んだ
子どもらのあそぶ
....
「黄色い傘」
きいろい傘が咲いていて
わたしのうえに 屋根になっている
かさついた
この指は
皿を洗い刺繍をし文字を打ち
自由になりたくて
書いていたはずの文字に
とらわれ ....
「錯乱」
しをかくひとは
胸や、胴体に肢体、に
まっくらな、まっくらな
あなが、ありまして
のぞきこむのが
すきなのです
のぞくとき、
のぞきかえされていて、
くらいあなから ....
青灰色に垂れ込める空や 翡翠色のうねる海や 色とりどりの砂の浜を
灰色の塩漬けの流木や 鳥についばまれてからっぽになった蟹や
ボラが跳ねる 「あの魚は身がやわらかくてまずいんだよ」
きん色に太陽 ....
プロローグ
◆
詩っぽいものを書きはじめて二年、あたらしい世界をみつけてわくわくしている人間のおぼえがきです。
とおもって書き上げたら、「ただの身内の交友日記じゃないか」と自分にツッ ....
ねぇ、おとうさん
なんで 戦争反対をするの / 次世代のこどもたちが徴兵されるからだ / なんで そんなふうに思うの / 新聞を、読んだからだ、たくさんの人にあって活動していたからだ / なんで ....
人は反射する鏡なのです
だれかをよわいと思うとき
わたしがよわいのです
だから感じることをやめなければならない
わけではない
人はほんとうには
神器そのままではありえないから
....
朝日が昇ります。夜の黒に近い藍色を押しのけ、宝石のように透き通った朝の赤が空を染めています。砂丘の色はまだ、黒。赤と黒のコントラストは、流れ出す傷とかたまったかさぶたのように美しい。つぎに瞬きすると ....
1.
色のない空をつんざくようにそびえたつ黒い山脈
真っ黒焦げになった数万の人々が
フライパンの上ゴウゴウと炒られて悲鳴をあげていて
それをしている巨人もまた
焼き爛れて狂って笑いながら ....
「子どものための幻想詩」
子どもらしい子どもにしたがる
大人のためかもしれない
大人になりきれない子どもがえがく
むなしい まぼろしかも
けれど中にはよいものが
目を磨くん ....
ryinxさんの田中修子さんおすすめリスト
(14)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
春の花
-
田中修子
自由詩
16*
21-2-27
ちっぽけ
-
田中修子
自由詩
9*
20-12-27
卵化石
-
田中修子
散文(批評 ...
15+*
20-12-25
あじさい
-
田中修子
自由詩
17+*
19-6-8
置手紙
-
田中修子
自由詩
17
19-1-21
ちいさなちいさなことばたち_二
-
田中修子
自由詩
15
18-11-12
ちいさなちいさなことばたち
-
田中修子
自由詩
8*
18-8-11
跳ねるさかな
-
田中修子
自由詩
6*
18-7-25
ちょっぴりゼツメツ寸前の詩をめぐる冒険◆詩をへだてるベルリン ...
-
田中修子
散文(批評 ...
4+*
18-7-16
滲む記憶
-
田中修子
自由詩
9*
18-5-8
曇る鏡
-
田中修子
自由詩
9*
17-6-28
千年の海
-
田中修子
散文(批評 ...
4*
17-1-8
心象風景二_きみとわたしと
-
田中修子
自由詩
7*
16-12-14
子どものための幻想詩
-
田中修子
自由詩
9*
16-9-29
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