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失くした封筒は開封しないままに
いったい何処へいったのだろう
鞄の中も
机の引き出しを探っても
書架のページをめくっても
探したけれど見付からないので
誰か心覚えがある人はいませんか
体温が微かに響く
駐車場の隅に捨てられた
古い型の深海に
街灯のあかりが
とっぶりと落ちていく
コロナの夜は
静かに進む
階下から聞こえる
くぐもった洋画の声が
唯一の栞だっ ....
誰かに教わったわけでもなく
ひれもないのに
泳ぐ術を知っていた
不思議
暗闇の水は透明なはずなのに
烏賊墨いろ
触れる
包まれる
抱きしめられる
身ひとつだけの
図式
へその緒が ....
幾何学的な街並み
色付いて
黃の明るみ紫のうねり覆い

その奥に黄金光り輝き圧倒
優しく包まれ街並み人々在り

この世界、幾層幾次元から成り
異様の立ち昇り柔らか異様のヒビキ

深 ....
桃の実の、そのなめらかな白い{ルビ果皮=はだ}は
――{ルビ赤児=あかご}の{ルビ頬辺=ほつぺた}さながら、すべすべした肌触り、

桃の実の、その果面の毛羽立ちは
――{ルビ嬰児=みどりご ....


切り取られた野菜の端ばかり集め
冷蔵庫中腹で開かれる品評会で
腐りかけの指先で絶命した人参を転がす
朝は降ってこない
あるのは催促の声と模範囚ゴーレムの動かす
さえ箸の音である
 ....
 七回忌を過ぎた夜
 寝入る微睡に
 だれかの 手が触れてきて
 髪を撫でるのです

 幼い頃 してもらった様な
 手のひらの温もりは貴女なのだ 
 と 気付き

 うっすら 消 ....
大寒の朝
フロントガラスにいくつもの
小さな雨粒たちが
縦に並んでいる
球体の接地面で
ふるふると
ふるえてる
ああ、ここにあったのだ
糸から外れても
ばらばらにならないで
ここに ....
{ルビ一滴=ひとしずく}の涙が
{ルビ渓流=たに}となり
やがて河となって海に溶けてゆく

若かったあの頃はとても純粋で
年が経つほどに灰色になって
ぼくには些細なことが当たり前になった
 ....
illusion, delusion, hallucination
不断の悪夢
を見せたのは誰

     *

硬質な悲劇の突き刺さる胸
から流れる
見えない血

     *
 ....
 「いつもの、ね。」

 酒房の隅、おかみさんに笑み投げて

 厚切りレモン小皿に二切れ

 麦焼酎の氷 香って

 ほろ酔い誘う貴方の面影
暗く冷たい夜の中に
きみはわずかな羽織ものだけで
どうしてそんなふうに
軽やかに歩いていくのだろう
止まったままの時計台の針が
過去に溺れて行くぼくのようで
見送るのもそこそこに
静 ....
冷え冷えと蒼い青い冬、すぐ澄んで
晴れ渡り続ける東京、何かさみしい
夜の、煌びやかなイルミネーション
キレイだけれども、中身はカラッポ

 あゝもうただ突き抜けよう
 あゝもうただ還ってい ....
悲しいことを
悲しいと思えない
悲しさ
悲しい時は悲しもう
涙は愛に帰る



ずっと
マヒしている
空気の子は
ありがとうだけを
忘れ去らないでいる



この
 ....
 濡れ伏して
 夕闇の 湖面に一艘
 舟影とおく
 浮夜で だれぞ、
 釣り糸垂れん
 
 
 
電子レンジを開ける
中には海がある
波間にレンジが漂っている
泳ぐことは苦手だけれど
意を決し飛び込む
君との二人分の
ご飯を温めたかった
何とかレンジに辿り着き
扉を開ける
 ....
ズズズズズズドンッと
とつぜん、学校が
手足をのばして
立ち上がる

で、ドドドドドッスン
ドスンと、しこを踏むと
走り出した

窓から、扉から
子供たちがこぼ ....
暗く深いトンネルを抜けると
其処は石化した暗い時計の森だった

文字盤の針はみな狂っていて
ぼくの足音だけがサクリ サクリ…と空に消えていく

遠くから
ギリッ ギリッ… とネジを締める ....
 冷雨止み 仕事始めの午後の空
 休憩室の窓から見つけた
 みずいろ に、
 同僚と分け合い食べる紫芋の蒸籠蒸し
 素朴な甘味も清々しい
 
月の昇らぬ砂浜に
{ルビ唐紅=からくれない}の空眺め
忘れた歌を想い出す

衣を染めた{ルビ白鳥=しらとり}は
{ルビ空=うつ}ろな波に身をまかせ
{ルビ還=かえ}る{ルビ棲家=すみか}を ....
自業自得だな
私の場合は
大体のことがね
でもね
感謝の念を忘れ去りたくない



はちゃあ 私の
悪と
善が
仲良くしている
ケンカしながらも
わたしのふるさと

還るべき処、

私 わたしの故郷 
ぎゅっとぎゅっと抱き締め

 (私は子を生まない、
 凛として涼やかに
 冷徹威厳の匂い
 柔らか漂わせ
 石女と告げ
 ....
レタスの先端
心音のひずむところ
温度の終わりに
少し触れる
つめたさ
教室みたい 、
と思う

穏やかな湾の入口を
句読点が航行する
健康的な食事
その後で
わたし、 ....
子供たちが去った夕暮れの公園
鋼色の空に咲く
小鳥のような白木蓮
その一輪をきみにあげたくて
手を伸ばしても届かないもどかしさ
うたうたに見おくられながら、おとこはあたらしい歌をひきつれて旅をした。
うたうたは酒に似ていた。せかいを光の波紋でにじませて、あまく匂ういきをはいた。
波うちぎわでは、松のぎょうれつが盤根をもちあ ....
 木下闇
 人の通わぬ奥深く
 その道 樹々の嘆くとも
 君、
 振り返ること無くて

 遺影の彼は
 今も 三十二歳

 その朝、枕辺のオーディオステレオが
 静かに鳴っていたら ....
{ルビ静謐=せいひつ}な夜空に浮かぶ銀の月

きみの頬笑みを映している
手を伸ばして黒髪を撫でようとした

届かない指先が震える

届かない…

なみだひとすじ
ひとしずく

 ....
亡くなった犬が鏡の中から
わたしを見ている
わたしの手のひらに隠している
おいしいものを知っているのだろうか

名前を呼ぶと返事のように尻尾を揺らす
黒い鼻はしっとりと濡れ
いかにも健康 ....
三つの色、
一つの終わり
声と息が重なり、
いのちを紡ぐ

春、
菜の花が咲き
夏、
青い夜に

秋、
幾度もの口づけ、
瞳に映るのは
紅蓮の炎

めぐる季節と
想いは ....
裏口を叩くものがある
名をもたない
持っていても知る術などない
晴れ着姿の少女の形をしたなにか
扮装と立ち振る舞いがすべてのもの

ほつれていった
むらさきの血のほとばしり
内臓をひも ....
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