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数える羊はいなくなってしまった
眠れない夜は 眠れないままに
するといつの間にか
読み取れない地図が心に忍び込んでいた
さびしさを塗る潰す色は静寂の絵の具箱の中にある
かもしれなかったが ....
長い道を歩くのは
そのさきに本屋があるからさ
首輪のない猫たちが
僕を追い越していく
光の指す場所を
指差す子どもたちが
公園の水飲み場で円卓を作ってる
濁った水がいくつか
....
ここに詩に依存している私がいた
二十四時間 年中無休
頭のなかには詩が虫のようにわいて止まらない
耳から眼から 口からも
詩の虫は侵入してくるから
もう手に負えない
負えなくなったから ....
「あたしジャンク品よ
故障品で保証なし
動作不能の恐れあり、返品不可よ」
「現状のままってことか」
「そう、期待されたことはできないの
でも、引き取りてがないのも事実よ」
....
1.
小鳥の声で
目覚める季節
新たな気持ちで
街に飛び出し
行き交う人の
笑顔に触れて
私はナイフを
握りしめた
傷つけることは
刻みつけること
私を
焼きつ ....
惑星が暮れていくころ
水たまりが1つだけ
水の中
水の色
惑星が暮れていくころ
新しい日差しが充電をはじめてる
父はとても厳格な人で
私達姉弟が幼い頃は
「男が泣いてもいいのは
親を天に見送る時だけだ」
と言って泣く弟を叱っていた
今、泣いている弟と母に
挟まれる形で立つ
その父親の頬に
涙 ....
南のルーキーにとっては棚からぼた餅
北の三代目には渡りに船だったろう
中の親分は放し飼いの犬をしつけた
吠え過ぎてはダメ 吠えな過ぎてもダメ
米の社長は鎮火さえすればいい火の粉さえ来な ....
道端で花が咲くのは
人間に見てもらうためじゃないし
競馬場で馬が走るのは
人間を興奮させるためじゃないし
ましてや
僕が君のことを好きだと言うのは
君のためじゃないし
君が僕 ....
自らを美しく飾り立てて
美しさを測る試験に合格した君には
これから静かに醜くなっていく義務が課されている
晴れた青空が虚構であるように
君の抱いている夢や希望も虚構に過ぎない
現実は大地のよ ....
嫌々ではなくて
愛をもって協力する
大勢いれば
大きな力が生まれる
対応も早くなる
何が起きても大丈夫
協力し合えばいい
良い変化を生み出せる
誰の心の中にもある
協力し ....
寂し気な横顔に紅玉の涙。
野良犬の遠吠え。
都会で感じる孤独。
湖面に広がる波紋。
雪解け水の流れる小川。
都会と田舎の狭間。
煙草で補う時間の浪費。
尖った神経の矛 ....
昼過ぎに目が覚めて自暴自棄になってしまった日曜日の午後とか
誰にも祝ってもらえなかった誕生日とか
きみはそういう記憶に名前をつけて
また水槽に沈める
きみの水槽がまだ空っぽだったこ ....
それはどんより曇ったある日のことでした
庭の方から大きな物音がしましたので
訝しんで見に行きますと
希望が倒れておりました
身にまとった服は汚れており ところどころ破けておりまして
顔は痣 ....
ヒマワリとしてやっています
根っこを広げて咲いています
ヒマワリとしてやっています
葉っぱだってこんなに広げて
太陽を向いているのではなく
太陽と宇宙の間を見ています
闇と光がせめ ....
ヘヴィメタルを聴きながら豚足を食らう
見晴らしのいい場所の
お墓に入ると君は言うが
死んだ後、墓の中になんか住みたいか?
爆轟でさ
お前の母ちゃん出べそでさ
爆轟でさ
お前の母ち ....
「何処へ行くの?」
「病院だよ」
わざわざ服を着替えて
ドライヤーで髪を整え
かしこまって行く先は
毎月の定期健診
ばかばかしくて
貴方を見る目が細くなる
昨日を捨てて ....
久しく恋をしてないな
誰も愛せなくなったのか
空の器は底に亀裂が走っている
いくら水を注いでも満たされることはない
プレゼントされた銀色のシガレットケース。気恥ずかしくって、一度も使わなか ....
「あなたは猫を信じますか?」
牧師っぽい格好の
猫に突然質問された
右手には聖書のような本
肉球で滑るらしく
何度も地球に落としそう
(そうだなあ
信じる・信じないの
対象ではなか ....
花はみずからを
最もか弱い葉であると思って散り
多くの葉は我が身こそ
逞しい花であると思いつつ繁る
樹はそれを黙って哀しみながら
春が花を愛で 秋が葉を罰す ....
欲望のオスとさみしい少女が
インターネットでポンとつながって
金をもらった少女は保護されて
金を払ったオスは逮捕される
こんなことが日常茶飯事のように
起きている
ほんとに日本は豊かな国な ....
○「夫婦げんか 先にあやまった方が大人」
○「夫婦げんか 先にあやまって またけんか」
○「夫婦げんか 終わったと思ったら次は親子げんか」
○「夫婦げんか やるならボケないうち」
....
内に冷たさを保っておけ
あらゆる熱を相殺し
暴走する思考回路を抑え付ける
そういった冷たさを保つのだ
同じ作業を繰り返すだけの機械に
下らぬ虚栄心をインストールし
つまらぬ敵意を見出させる ....
遠くで雷が鳴っていた
空にはいちめん暗雲が垂れ込めて
もうじき降ってくるに違いなかった
私は乳呑み子
母の背中におんぶされてすやすやと眠っていた
のに
遠雷に目を覚まされ火を浴びたよ ....
鳶がとび回る冷たい空は灰色です。
大きな声で言ってはいない。
イヤな人がいて
言葉はホログラム、清潔で、
ちいさな血のようなものが
ヤスリで間引かれる瞬間の悲鳴、
墓場までも ....
非常にたくさんのものが
(ほとんどあらゆるものが)残っていた
スプーンもフォークも、ぴかぴかなバイクも
時計も、携帯電話も
空気が
かろうじて光をのみこみながら
浮遊している
ね ....
【チンダルのはしご】
●●●●●●●●
●●●●●●●
●●●●●●われ
●●●●●かい無
●●●●つまりは
●●●てがかり無
●●いままで苦 ....
☆
岬の先端に
一羽の越冬燕が佇んでいる
仲間の到着を待って
長い苦闘に
羽根はぼさぼさ
やつれて見る影もない
運命に持ち運ばれたとはいえ
惨めな姿だ
越冬燕は仲間を待ち ....
本日の糸魚川は風が強くてね
雨模様なのだけれども 粒が大きい
ともすれば
アラレにも見えそうな雰囲気だけど
まだ透明
山側の庭園を出る瞬間に
ふと息の白さに気付くみたいに
....
街の廃墟に
ネオンだけが点いていた
残された無数の足跡に
波があふれ 消えていった
人々は荒れ地を進んでいた
空を覆う霧には
ここで終わる
と書かれていた
....
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