すべてのおすすめ
リノリウムの床を靴で鳴らせる
スタジオ風の洒落たロフト作り
ピアノの鍵盤に染み込んでいく
石油ストーブの匂いを弾いた
鼻で感じる冬の気配はいつも
レッスンの後に出されるコーヒー
....
多彩ないい句が出来たので
私は回って回って回って喜ぶ
市電がイチョウ並木の間を縫う様に
行けば車窓から見える田圃よ生きろと
思う、稲穂、刈田、稲雀など
季語もいっぱい
ちょっと前まではもう ....
きのうまで
かれていた花が
今朝起きると
元気に咲いている
たしかに黒ずんで
かれていた
水がえなどはしていない
ただきのうの夜は
....
茄子にソースをかけたものを食べて外に出た。人が叫んでいる。何事かと思うがこの目ではよく見えないので構わず歩いていく。車と車の間には程よい間隔があってところどころにきれいな売店も出ている。ジュースを買っ ....
突き飛ばされて線路に落ちたそうだ。痕が残っていたとのことで恐ろしくなる。数人で肩を寄せて話しているのがガラス越しにぼんやりと浮かび、途切れ目から足元だけがくっきりと見える。いろんな靴を履いていて、男と ....
ほんとうなら、あの夜は
晴れて、きれいに星が見えるはずだった
それで、ほんのりと酔っぱらって
ふたりむかしみたいに、仲良くなれるはずだった
けれど降った雨を
うらんでなんかいない
傘を ....
君の背に
あらたな白い帆があがる九月
夜明けのうす青い空に
銀色の雲
君のその帆が
どんな風をはらんで
君を何処へつれてゆくのか
君は半ばは予感し
半ばは不確かさにおののいている
....
背中を向けると
トンネルになる
黒づくめの夏服が
消えるまで
面影を見てた
数秒間に流れた記憶が
今を感じる
渡っていくのは
青信号でも
赤信号なら
止まってくれる
....
とある街で
金木犀が香る
だけど金木犀はみあたらない
探しているうち
何年経ったろう
すっかり風向きは変わってしまった
行きついた先で
仕舞い忘れられた
軒先の風鈴が鳴った
....
年寄りに暗証番号はいらない
郵便局に行ったら
近所のばあちゃん二人が
ATM の前で暗証番号を言いながら
何回も操作を繰り返していた
何回やってもうまくいかないので
郵便局の人が
「じゃ ....
対位法で
計算され尽くした
バッハの
時をこえて
繰り広げられる
音楽の空間にいると
数学の方程式を
解く時のように
頭が回転する
....
くらいくらい 荒野につくりあげた
復讐の塔に閉じこもり
「ひとりだ」と呟いたら
はたかれた
ひたすら 喪いすぎたのだろうね
青い夕暮れに細い声でないてさ
耐えられないわたしを ....
心は数にはあまり似ていない。
どちらかといえば、数と数をつなぐ、演算のほうに似ている。
その演算が、僕らを突き動かし、無数の鮮やかな数式を描いていく。
その式の出す結果に、救われたことも、
傷 ....
暑い夏がすぎた
ころ、
スーパーでは
松茸や
梨、
ぶどう、
秋刀魚が売られている
家では
百均かどこかで買った
ステンレスの型抜きを使って
たくさんの紅葉のかたちの人参を作る ....
針女について語らなければならないだろうか。そんなことができるわけがない。私が言えるのは彼女の舌、真っ青なその上に無数の針が針山のように刺さっていることだけであって、他の何一つも許されてはいない。自分で ....
遠くで鐘が鳴っている
ひんやり切ない秋の日に
何処までも高い青空に
追いかけても追いかけても
決して追いつけないあの場所で
(金木犀の花が軌道を舞い
秋の大気が生まれるところ)
遠く ....
何かどうでもいいことを
左の手のひらに一つ
何かどうでもいいものを
右手の人差指の上に少し
噛みすぎたガムを耳の中に一つ
冷たすぎる水をまぶたの中に少し
はみ出した友達の
後 ....
嘘みたいに、雨が降って
天気予報は、当たったのに
それだから、だれも喜ばない
嘘みたいに、雨が降ったから
嘘みたいに降った
雨を
傘で防げきれないように
嘘みたいな彼にもらった
希 ....
空の手が降りて
僕を
私たちを包み
舞いあがる
遥か昔から変わらない
かすかな風
に含まれる潮騒
意味なんてなにもない
ただそこにあるものを
受け入れて
そのまま受け流す
そ ....
最初の子供は死産だった
最初の嫁も死んだ
二番目の嫁は五人の子供を産んだ
一番目の子供はおんなで二番目はおとこ
三番目と四番目は年子でふたりは共におんなだった
五番目はおとこでそれで〆に ....
何処にも届かなくていい
誰にも関わらなくて
何の問いもないが
ただ在ることを想う
ダーウィニズムがもたらした
革命にしたがおうとおもう
忙しい自分は本当なのだろうか
ぼくはい ....
ぼくが一番きれいにみえる
秋がきたよ
と月が夜に胸をはる
中秋の名月というけど
ぼくには迷惑だ
と夜が月に
言いがかりをつける
まあまあ
....
形の整った
トートロジーを枕に
おまえはねむっていた
安普請の 階段をのぼる
ハラハラと、曙光が、火山灰のように
壁に留まる 蛾を擦って……消える
....
君のそばには、いつもきれいな空気があふれている。
ひょっとしたら君は、植物なのかもしれない。花なのかもしれない。
君のそばにいると、あたたかい気持ちになる。
ひょっとしたら君は、陽だまりなの ....
人と話すことを覚えた
寄り道を覚えた
変わることを覚えた
帰ってしまった貴方の影が
月光射し込む路地にいる気がします
わたしを見ていてくれているのでしょうか
添えない怨みを貼り付けて
悲しい眼をしたわたしの顔を
じっと見ていてくれていま ....
この左回りの地球によく似た星には
4つの大陸しかない
それぞれの大陸に国があって
それぞれの国に4億人の僕や私が住んでいる
もちろん海もあるが塩辛くない
目を開けて泳いでご覧ください ....
秋というだけで 物悲しい
青空というだけで 晴れ晴れとしてくる
恋人というだけで なつかしい
愛というだけで 燃えてくる
秋の夜長の 想いの庭に
いとしい言葉たちを
....
家から見える瀬戸内海
時間、時間で変わる
その景色を見て育った
瀬戸内海の周りだけが
その場所特有の時間の流れがある
潮風の香りを感じると
何故か思い出が浮かび上がる
子供の ....
100年後の日本より大事なこと
それはLGBTの方たちの人権
この国の行く末なんかより
人権のほうがずっと大事なのだ
100年後の大相撲より
獣医学部新設より
....
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