初冬の空に向かい
紙飛行機を飛ばした
天を目指し
太陽に届きそうな
まさにその瞬間のこと
紙の機体は宙に溶けて消えた
直後 空気はぴりぴりと
痛い ....
なめらかなあなたの肩はバニラ味
すんとした風来坊になりたいな
音しない地球の自転速すぎて
秋のきみ産地直送されてきた
無理を言う机の角を15度に ....
かわいいっ!
こんなに可愛い物など
他にあるかしら
豆柴の肛門っ!
プードルの肛門とか
テリアの肛門は
なんだかイマイチなのよねぇ
っていうか
存在そのものが人形チックで
肛 ....
川べりの道をどこへ行くともなく歩いていた
色々な曇り空に見える不思議な形
しかし 今は不安が入り交じるけれど
私は ただ 自由だった
感情によって旗揚げされた 産業は
エ ....
ただいまと
大声で言う
夜のトンネル
潜り抜け
家族に溶け込む
「お宅の御主人、JS(自称詩人)
なんですってね」
何処で聞き付けたのか
隣の富栗さんの奥さんが家に来て言った
「な、何を仰っているのかしら?」
私は可能な限り平静を装って答えたが
心の動 ....
ぼくは雨になれるのかな
晴れになれるのかな
曇りになれるのかな
花を咲かすことができるのかな
実を結ぶことができるのかな
部屋の隅に蹲り
未来予想図をなぞってみた
時計の秒針がコ ....
陽の光がまぶしい
日曜の朝 何やら忙しい
十分眠ったはずなのに疲れている
コーヒーをすすり くつろいではいるが
なにやら物足りない気分である
穏やかな朝ではあるが
なんとなく心が騒いでいる ....
あまりのやりきれなさに思わず
荒んだ瞳になって街のど真ん中で
……黙して堪えなくてはならない時にわたしが
想う 風景があります
そこはひたすらにさやかでのどかで 透明で
必要がないから透明な ....
季節という音楽を君が奏でるのを聴いた。
透明な旋律は白銀の街には鮮烈だ。
音楽は創造され、どよめきの中の瞳を凝視する。
真昼の動揺を隠せない人々はそのまま夜になだれ込む。
夜 ....
八月二十日
土を舐める、ミミズの肌に頬を寄せる
現実とは、そういうものだ、そう言いたげにその日はやってきた
希望は確かにある
廃道の、石ころの隙間にひっそりと生をはぐくむ草たちのそよぎ
ゴー ....
仔犬の映像が 午後になると
卓上に置いた梨のまわりを駆け始めた
おもてでは雪がもそもそ愚かさのように降って
わたしの居る部屋に面白味のない光を積もらせる
次第に岩石 ....
悲しい鍋は 空間のなかで軽く
あまりに軽く 見つめているのも辛い
ザラメじみた虚しさがいっぱい光に揺れて
私は考え・手離し・ひろい集め・擲ち、
気狂いになった… ....
完全に冬になり
北風が吹きつけてくる
何となく嫌なことがあり
いつもよりも
寒く感じてしまう
風の音が聞こえる
寒さを倍にする音
肌が痛いくらい寒い
暖かい場所から離れられ ....
私のペンは「あなたたち」を描くことには一切の関心を持ってはいない
寂しさを荷物にして歩いていると、
明るい空が見えた。
そのとき、寂しさを忘れた。
くらやみが、ひかった。
明るさが海の底でキラキラと、笑う。
今までの寂しさを、
海のように、あたたかく ....
明日の朝餉で
煮物たちは
ついに食べられるつもりです
かぼちゃの君は
セミロング気味に散髪され
さらりと初冬の乾いた風になびかせ
そっと魔法の馬車馬が走り出す
だいこんの僕は
降りしき ....
涙が流れない
枯れてしまったのか
風が吹いても
零れ落ちない
滴ることのない雫
渇いた気持ち
渇いた心
色を付けたいほどの焦り
焦ってなどいない振りをする
そんな悦び
....
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881730271/episodes/1177354054882107405
こいつは一体何を言っているんだ?
それともこれが狙いなのか?
ひょっとして
理解出来ていないのは俺だけか?
不安に陥っているあなた!
ご安心下さい
あなたには何の問題もありません
む ....
“あの人やあの人の
手にもカフェがある”
平日に駅前へ出る
ベンチで一休みしている
会社員の手には缶コーヒー
それを見て
予定を早め喫茶店へ
入ることにした ....
街路樹は衣を脱ぎ去り
湿り気のある白い羽衣を
その身に纏っていた
落ち葉の変わりに
視界を奪うのは
真綿のような結晶の群れ
通り過ぎる車達は
ワイパーで懸 ....
ずっと ずっと
走り続けて 止まらない
そんな あなたに
似合う車は なんでしょね
内緒の話は あのねのね~
なんて
可愛らしい少女の 口笛まで
響きそうな 刻
....
T型フォ-ドに揺られた二人は
トランクに積め込んだ札束すら
如何でもよくなっていた
何度も強盗を繰り返す内に
生と死が混濁し同居する
明日には躯を拾われるとしても
....
161124
雪の予報に戦いて
昨日買い物に行ったのは青海だった
50何年ぶりかの11月の初雪
初雪屋蛙の姿早くも見えない(字余り)
鼻歌代わりに幼い川柳思い出す
....
子どもの頃
母に連れられていったもらい風呂の夜を
ときどき思い出す
ちょうど今頃の寒い時季だった
もらい風呂の帰り道
冬空の星がいっぱい降るように輝いていた
その降るように輝いていた星空の ....
誰かが恋に落ちる瞬間を見るのが好きだ
それは場所も時間もまちまちだけど
ごく稀に眼の前で起きることがある
静かなティールームで
賑やかなファミレスで
時には通りで立ち止まって
かす ....
夜の静けさ深みに
肉の激痛伴い
響く声 祈るように
[アナタナシ には生きられない]
[アナタトトモ には生きられない]
裏返っていく夜の深みに
独り人 祈るように
繰り返す ....
あなたは蝶みたいに喋る。
わたしも蝶みたいに喋る。
「喋れない」とも喋れない蝶たちは、ひらひらと舞って、お花畑を自由に飛んでいる。
結局、わたしもあなたも喋りかけられるのを待っていた。今 ....
日差しは入り江を満たす穏やかな波のよう
ちいさな冬も丸くなった午後の和毛のぬくもりに
鉢植えの場所を移しながら
――古い音楽が悪ふざけ
週日開きっぱなしのトランクをむやみに閉め隅へ蹴る
―― ....
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