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眼窩から此方側へ延びている廊下に沿い
雨に濡れた数人の男たちがワツワツ歩いていく
それほど速くもないしそれほど遅くもない
私は三和土に置かれた長靴を先刻から見ている
....
仔犬の映像が 午後になると
卓上に置いた梨のまわりを駆け始めた
おもてでは雪がもそもそ愚かさのように降って
わたしの居る部屋に面白味のない光を積もらせる
次第に岩石 ....
悲しい鍋は 空間のなかで軽く
あまりに軽く 見つめているのも辛い
ザラメじみた虚しさがいっぱい光に揺れて
私は考え・手離し・ひろい集め・擲ち、
気狂いになった… ....