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 黒い手鏡にお前はお前の影を映し
 真夜中に発汗する。
 ぬめりを帯びた白い肌はうっすら染まり
 不安の糸をその指先に絡めた。

 不協和音の営みがその役割を終えても
 残された不安は ....
 愛を囁くと梢が揺れた。
 協奏楽の流れる部屋に人は無口で
 病人の枕元に一輪の花をかざした。
 今在る優しさに皆耳を澄ませた。

 枯草の美に共感出来た時、私は和的な幸せを得た。
  ....
 どこまでも透き通ってゆく緑の世界に僕は立っていた。
 遠く小さい窓辺から新緑に映える森が見える。
 手を伸ばすとそれは限りなく広がってゆく。
 足元には色鮮やかな花々が咲いていた。

 憂 ....
 風の奏でる色彩はいつも淡色。
 僕の奏でる色彩はいつも原色。
 
 君は過去に向かって生きているんだね。
  僕は過去に縛られているつもりはないよ。
 そういう意味じゃないよ。
   ....
 忘れ去られた思い出を戸棚の中から取り出してじっと見つめる。
 淡い色に変色したノートや書籍。
 どこの国の物か分からない人形。
 出し忘れた葉書。時を刻まなくなった時計。

 遠い記憶 ....
 雄大な光景が私の心の襞に響く。
 山々の稜線が音楽のように流れて見える。
 私は絵画の前で瞑想しながら感動している。
 窓の外には現実が眠っている。

 何かを感じる一瞬間、人の心は純 ....
 漂いの中に浮かぶ船はとても空虚だ。
 空虚は僕の心を浸潤する。
 広がり、閉じる。
 この情緒こそ難破船にはふさわしい。

 水面に移る悲しみを鳥たちが啄む。
 僕は自分が何か勘違い ....
 ピアノの音色が白く輝いている。
 僕はその中を歩いている。
 この先に何が待っているのか。
 初冬の風が厳しく吹いている。

 孤独とは。
 僕はピアノの音色に包まれている。
 ほ ....
 
 物語はいつも唐突に始まる。
 ある日の僕は緑の森の中にいた。
 突然の驟雨をやり過ごし、気が付くと教会の前に立っていた。
 初めて自分のもの以外の神の声を聴いた。
 それはまるで音楽の ....
 憧れを胸いっぱいに抱いて飛んでゆく私の青い半身。
 山を越え、海を渡り、異国の地へと行ってしまった。
 時折届く君からの手紙に安らぎを得る。
 私にもまだ笑顔が残っていたのだ。

 黄 ....
 真夜中の幻燈に真昼の幻想を見る者が一人。
 彼は懐かしさの中に真実を探ろうとしている。
 ぼんやりと宙に浮かぶ光景は全てが琥珀色で
 真実の色さえ隠してしまう。

 誰もいないアトリエ ....
 
 時は大洋の彼方に浮かんでいる。
 私の土地からは見えないが鼓動は確かに響いてくる。
 さてこの時を何に使おう?
 まずはひっそりと旅に出ようか。

 海の見える街は憧憬の彼方に佇んで ....
 高原の落日に鮮やかな色彩を見る。
 深呼吸すると濃密な緑の香りがする。
 生を生きているという感覚。
 乾いた日常で感覚を捕らえようとすると逃げてゆくが、
 ここではそこかしこに咲く花々 ....
 
 二人の天使が私のために降りてくる、あの星空の彼方から。
 一人は私を引き上げ、一人はそれを支えた。
 感情の渦を通り抜け、感性の輪を広げ、創造の平野を飛び立った。
 それを逃避だと誰が言 ....
白島真さんのヒヤシンスさんおすすめリスト(14)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜に沈む- ヒヤシン ...自由詩4*17-3-4
愛の囁き- ヒヤシン ...自由詩18*17-2-25
緑の世界- ヒヤシン ...自由詩11*17-2-18
彼との淡い思い出に。- ヒヤシン ...自由詩7+*17-1-14
見つめる- ヒヤシン ...自由詩12*16-12-28
あじけない部屋にて- ヒヤシン ...自由詩8*16-12-23
漂うもの- ヒヤシン ...自由詩9*16-11-20
- ヒヤシン ...自由詩9*16-11-16
森の教会にて- ヒヤシン ...自由詩6*16-11-4
新たな旅路- ヒヤシン ...自由詩4*16-10-26
真実の在り処- ヒヤシン ...自由詩3*16-10-22
時の空き瓶- ヒヤシン ...自由詩4*16-10-15
命題- ヒヤシン ...自由詩4*16-10-8
秋の夜の夢- ヒヤシン ...自由詩3*16-10-1

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