砂のような
罵詈雑言を
浴びせられても
べつに痛くもかゆくもない
友達だったこともないヤツから

雨の日に浮かれ
這い出てきたのだろう か細い
蚯蚓が

ぺかぺかに光って
張り付 ....
かつて海なんてどこにもなかったよと喋る岩が言った

かつて心なんてどこにもなかったよとトカゲが言った

かつて、共感なんてどこにもなかったから孤独な主体なんてどこにもいなかったよと灯台下の藻が ....
人々はカツ丼を食い
もくもくと働く
此処は鉄鋼の街

とにかくオレンジ色に溶けた鉄を
何とかしなければならないので
大盛の食事を食い続けなければならないのだ

生姜焼き定食でも
カレ ....
岩を砕き
オリファルコンを突き
水を求める
それが俺の仕事ならば
もう何処にも彷徨うことなく
水を探せ

固い地盤を爆発させて
水を得るのだ

透明な
透明な
碧い水を分け与え ....
甘噛みならば 痛くないですよと
あなたは 笑いながら
歯型のついた 白い手を
まるで 誇らしげに 振っている

振り返れば 大きな柱
レール上を 進む訳には 行きませんので
高架橋を ....



春なのだから
少しずつでも詩を作る
忘れた頃に蘇るから
浮かんでは消え、
浮かんでは消え、
イマージュを繰返し、
私の胸をえぐり抜いていくもの。
ことばとは、憂鬱だ。
生まれてくるまで、
腹痛のような鈍い痛みを孕む。
突き放そうとしても、
 ....
今日は微熱に侵されて
どうにもこうにも
どうにも食欲がない
精々がところ
生ハムかスモークサーモンとアボカドだろう
希少な休日なのに
昨夜から十三時間は寝ているのに
熱は下がらない

 ....
蓮の台に横たわり
微かな眠りについた
休日の午後

月末なのに銀行カードと財布が見付からない
押し入れを探ると
500円玉が一枚と
100円玉が数枚出てきた

これではタナゴたちの餌 ....
絶望に負けたくない、と
娘が言った

絶望を知ったのかと
私が絶望した

悲しみにも負けたくない、と
娘が笑った

娘が隠している涙に気づいて
私が泣いた

この子は
強いん ....
その男の肢体は鋼のように締り
青い瞳を漂わせていた
邦人なのか欧米人なのかはわからない
琥珀のグラスを時折傾け
銀貨をクルクルと弄び
紫煙の煙るカウンターに眼を落していた

背中は氷のよ ....
私は黒いものが好き。
私は暗いものが好き。
黒さには深い果てしなさがある。
黒い果てを降りていくと。
暗く真っ赤な川がある。
川には熱がある。
この熱からたくさんの物語が生まれる。
私も ....
石の中から掴みだし
ほとばしる火の
洗礼により
おまえ打たれ
錬られ砥がれ
握られた人と共にあって

土を切り開き
木を切り倒し
人を切り裂いて
国を興しまた滅ぼし
繁栄と文化
 ....
この背中に銀の翼をくれたなら
多分アンドロメダにも飛んでゆけるだろう
漆黒の真空も怖くはないだろう
太陽に似た惑星系列を探しながら
抱き合う生命体に出会いたい

それは
もしかしたら少年 ....
二日酔いに覚めた朝
窓際の水槽が透明度をあげ
虹色の群れは餌を待っている

ぼくは重い肢体をもたげ
パラリ パラパラと顆粒状の餌を撒くと
タナゴたちの歓びは丸くて黒い瞳を輝かせていた

 ....
万年床に二人
背中を合わせて眠った日々
コンビニ弁当だけを食べていた
明日の幸せを祈りながらも
現実というナイフは許さなかった
馬鹿だと承知しているものの
本能は許さなかった

西新宿 ....
あふれる波に胸を打ち
ありったけの声を出して歌いたい

太陽でも月でも
何でも来い
おれは歌い続ける
誰も文句は言うな

おれはあの日を忘れない

いま18番ホームから旅にたつのだ ....
たとえ私に何ができなくても
一筋だけの光を点滅を残せるだろう
黄金ではなく
それが真鍮であろうと
刹那に眩しい光は放てる

たとえ私に何ができなくても
湖面に映る月の輝きを残せるだろう
 ....
ぽろぽろあまだれ
跳ね蛙スローモーション
滲む文様から浮かんだ島
鳥に紛れ白髪女ひとり
永い束ねを千切る声震わせて
ふたつみつの影を漉く
ひと筆の青さもない
そら背負ってうみは来る
  ....
キツネはだぁれ
誰でしょね
ずんずん太い杉の下

真っ赤な鳥居をくぐっては
泣きべそ坊主の手のひらに
大きなドングリにぎりしめ

秘密の穴に隠しては
怖い妖怪きえてゆく

母さん ....
その真紅は
鋭い棘で傷つき合った証し
我らは血にまみれていた

遠い
遠い昔から

我が家に踏み込んだ警官たちは
数多の太刀に息を飲み
驚嘆する


本能が叫ぶ


ブレ ....
月を観なくなってどれくらいになるだろう

その光に照らされた満開の桜
あれからとうに十年は過ぎた

慈愛と悲哀を噛みしめて
水面を昇華させた日々

もうあの日は還らない

永遠の絆 ....
お前は就職どうするの?
お前こそ就職どうするの?
俺はバイトで計画しながら生活するよ
そんな言葉が飛び交う教室、
就職について先生たち、偉そうに饒舌
考えが甘いとばかり言われる
脅されパソ ....
もみの木のてっぺんで何してやがる
季節外れの煤けたお星様って訳じゃあるまいし
カラスのくせに風見の真似か なに
風は見るものじゃない 乗るものだって?
違いない 世のなか乗ったもん勝ちよ
だ ....
二匹のマルチーズと男が一人
春の錯覚を辿りやって来る
姿はゆらぐが後ろめたい足跡は一切なく
コンビニ袋のなかに桂馬を隠している
策士だが出世はできない
文脈の中に時は在って無いようなもの
 ....
【空】


ねぇエトワール  たんぽぽの君に エトワールって名前をつけたよ
君の 中芯は 中空に在るよ
精一杯 背伸びする風の最果てを
つかめぬものを つかもうとしている

 ....
見えなかったものが見える
ふくらんで
ふくらんでほどけ
ふわり ひらく
ゐろかおりかたちあまく
風に光にとけて
そらを渡るもの
ほそい弦で触れながら
匂やかな{ルビ詩=うた}の足跡をた ....
若い頃は良かった
なんて言わない
思わない
今が一番
いつだって
これからだって

とかなんとか言ってみても

こんな春のいい陽気に
年頃の娘たちが
きれいな足を惜しげもなくさら ....
失う口形を魔の辺りに視て尚も孕むかシ
トワに問う意味に倦み編みあぐね拗ねる
ウタの蒼さ麻袋に包み墓に供え貫かれた
裸の螺の水仙うねりのネを張り伸ばし蝕
される音韻のシズク触覚でハジク悼むこ
 ....
【無口】


山高帽の男の顔は見えないが
どこにでもある石を缶詰のように
開けようとしている

男にだけにわかる匂いを閉じ込めたのは
誰なのか
日記帳の文字の旧字体が
机 ....
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