珈琲の混ざった粘膜に唾液が滲みる
先刻の鳩の血液も蹴り足から鼻腔を貫いたか
公園で撒いたパンにありついた鳩を執拗に追い回していた
追手の鳩を蹴ったのは気紛れ
砂糖のない珈琲では消えない後味
 ....
玉ねぎを包丁で切ると目がしみる
時計の針の音を聞きながらカレーを作る
作り終えて コップにお酒を入れ飲む
子供の頃から読んでる漫画を読みながら

昔は使っていたけれど
今は使わない文房具が ....
初夢はどんな夢を見ましたか
すべての夢は もろ刃のつるぎ
かざして何を想いましょうや

松飾をつけた車が 走っていた
正月だというのに梅が咲いている不思議な一日
うつくしさを か ....
ミルフィーユ仕立て高層マンション
晴れとも曇りともつかない冬ぞらに
めりこんだ白い実体は陽炎にゆれて
二十年前には無く二百年後にも無い


     むすう むすうのカゾクが
      ....
(自分用に)
あしたの言葉を
あなたの言葉を
-・-・-・-
早めに
(もう一人の自分に)
昨日の霊夢が
飲み下されないうちに
早めに
きょうは鶏祭りだ
去年の祭りからずっと 待ちに待って
ぼくらが普段口にできるのは
食用苔と粘菌くらい
今夜だけは腹いっぱい肉を食べれるから
大人も子供も
みんな嬉しくて嬉しくて


 ....
ひとつの終わらない薔薇がある
幾重にも幾重にも
内面から開き続け
外側の花弁が枯れて
次々と散り落ちても
秘められた未知なるものが
沸き上るように 艶やかに捲れ
芳醇な色香を放ち続ける
 ....
乗客の少ない
駅員不在のことも多い駅に
子供が取り残されて泣いていた

所々「ママ」「ママ」の混じった
ほぼ聞き取れない泣きながらの声は
受けとるもう一人の声がないままに
モノクロームの ....
2015年がもうすぐ終わる
2015年は死んで過去になるのだ
2015年は1月1日に生まれ
2015年は12月31日に死んで往く
2015年の寿命は一年と定められている
2015年の前の年も ....
かわいた裸につめたいドレス
あなたの肢体の隙間を縫って
透けて見える 十二月の行進

こっそり口を開いた嵐だ
札束を数えるように
耳を裂く静寂を値踏みして

時間が止まって感じるなら
 ....
シルヴィーがよみがえる
花々が一斉に掻き毟られる
足ひとつの孤島が 点々と

シルヴィーが落ちて来る
貪婪なクジャクの爪
わたしは乾いたペンキ缶 

空間だらけの女から抜け落ちた
う ....
口に出して言えない心に
一体どんな意味があるだろう?
渡せない恋文で屑籠は溢れ
伝えられない言葉なんて
消えて無くなって終わりじゃないか
温めた卵を踏み潰して
醜い吐瀉物が見え ....
クリスマス限定の白いチョコクロがある

でも今日は黒いチョコクロの気分だ

女子大生の隣の席に座ると女子大生はすぐに立ち上がって帰った

たまたまだとは思う たまたまだと思いたい

被 ....
いつものように
信号が赤から緑に変わって
歩き出して
家に帰っているよ

まだ君の香りが少し
残っていて
もったいないし寒いしで
窓も開けられずにいるよ
最初はちゃんと感じてたのに
 ....
近頃は
スポンジだけ売ってるから
前の日に買っておいたよ

キッチンで一緒に
クリームあわだてたね

絞り袋なんて
使うのはじめてだったから
ちょっと失敗して
大笑いしたね

 ....
最後には閃光、そしてエンドクレジットになるのだけれど、胃のあたりですっぱくなって、のどの奥から舌の上、牙と牙、唾液のにおい、鏡の向こう、気づいた時にはすでに遅い、そう気づくまえに服を着なきゃいけない。 .... 命に{ルビ値=あたい}はつけられない
つまりものすごく高価な値って訳だ
生きる値もない奴だって
持っている命の値は計り知れないお宝さ
故に人は高価で尊い
かけがえのない命というものが
こん ....
一時寒くなった初秋が過ぎて
再び訪れた夏日の朝
何を血迷ったか朝顔が起き出してあたりを眺めている
 なんか気の合いそうな方が芽ぇ出しとりんさるがな
 おみゃさん ひょっとしたらゴーヤさんやない ....
中村くんとは小学二年のクラス替えのときに出会った
中村くんは絵の天才だった
井の頭公園で学年写生大会があった時に描いた彼の孔雀の絵
僕はそれを観せてもらって圧倒された
画用紙から今にも跳び出し ....
              151222

星新一が書き出したから
君は沈黙を守るのか
それとも新二と名を改めて
書き続けるのか
新国立競技場は森と林のA案が採用された
えー案だからねと ....
待っている
長い夜が明けるのを

波の音を聞きながら
あなたの行方を思いながら
お腹を空かせながら
いつかの歌を口ずさみながら
涙を流しながら
少しずつ命を削りながら

地平線 ....
大分帰省時 駅前で
堂々と 煌めいている 有志に

一瞬 思い出したる 
銀河鉄道 

勿論 大人気ゆえ 
中々 乗ることは 出来ないのですと 囁いて 
旦那ニッコリ 微笑みま ....
生きることは単純なことの積み重ねなんだ
難しいことは何もないはずなのに躓く
躓くところから物語は始まるのかも知れない

ただ対処する方法がわからないだけ
たぶん物事に正解はないが解決するちか ....
その森を抜けると
ぼくの歩いた路や
触れた物はすべて黄金となった
それからというもの
金に価値はなくなってしまった
彼は四歳上の
隣の家の長男だった
何時も鼻水を垂らしながら
風のように疾走していた
ぼくと二人して
アメリカザリガニをバケツ一杯釣って来ると
彼の親爺さんが全て茹でて食べてしまった
隣か ....
現実は文字を待っている
文字は単語を待っている
単語は言葉を待っている
言葉は文章を待っている
文章は詩篇を待っている
詩篇は文学を待っている
文学は芸術を待っている
芸術は理想を待 ....
吸殻だけが散らばった 歩道の隅に
吸殻だけになった女がひとり 見上げる男の影
さっきまで私をその口で 必要としてくれた人

炎のような熱さで 私を吸収して
求められるままに私は あか ....
一年で一番夜が長い日はまだ
私はこの街の住民で
ダンボールタワーの中で暮らしてる

一年で一番夜が長い日の次の日は
もう私はこの街の住民ではない
ダンボールタワーの中にはいるけれ ....
オリハルコンを探していたら
何故か天上からベリリウムの雨粒が降ってきた
それは虹色に輝く丸い雨だった

振動音速はとても想像できないほど早くて
その雨粒を手のひらで捉えることは出来なかった
 ....
中古と新品では新品のほうが
聞こえはいいだろうけれど
新品は言葉がわからない
一人では何もできない
役に立たない
僕は20年経った中古だけど
一人で生きることができる
言葉もわかるし知能 ....
媒体さんのおすすめリスト(953)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
鳩を蹴る- 深水遊脚自由詩10*16-1-12
形の愛- 陽向∮自由詩10*16-1-11
かざしことば- るるりら自由詩16*16-1-10
ウェヌス遠景- ただのみ ...自由詩19*16-1-9
把葡龍- ゴースト ...自由詩1*16-1-9
ブロイラー- ただのみ ...自由詩15*16-1-6
薔薇とハナムグリ- ただのみ ...自由詩17*16-1-2
線路を隔てた迷子- 深水遊脚自由詩6*16-1-1
老俳優- ただのみ ...自由詩15*15-12-31
冬の空ぼど気まぐれな奴はいない- ただのみ ...自由詩18*15-12-30
シルヴィ―の夢- ただのみ ...自由詩18*15-12-26
墨塗りの夜空- 凍月自由詩7*15-12-23
白いチョコクロ- 北大路京 ...自由詩215-12-23
寒い部屋- 弓夜自由詩3*15-12-23
おめでとう- 弓夜自由詩2*15-12-23
因果律- 片野晃司自由詩18+15-12-23
命と塵の話- ただのみ ...自由詩11*15-12-23
二〇一五年十一月二八日_ー_ゴーヤと朝顔の物語_ー__- イナエ自由詩12*15-12-23
中村くん- たけし自由詩7*15-12-23
ショートケーキをカットするショートカットの女の子- あおば自由詩7*15-12-23
長い夜- 瑞海自由詩14*15-12-23
ななつ星- 藤鈴呼自由詩2*15-12-23
時間、ありますか- 梅昆布茶自由詩2115-12-22
エルドラド- レタス自由詩315-12-22
キー坊- レタス自由詩215-12-22
ことばは_わたしたちを_待っている。- komasen333自由詩3*15-12-22
吸殻- 為平 澪自由詩1315-12-22
引越し前夜- 自由詩4*15-12-22
球体幻想- レタス自由詩315-12-22
劣化- リィ自由詩3*15-12-22

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