1.
日輪を遮らず 烏は
二本の足を地につける
羽根は
格納音もなく 胴に
寄り添う甲殻

2.
「暑い」かどうかは
鳩にでも訊いてくれ
黙秘を決め込んだら
おおよそ クロ

 ....
海辺の夜、わたしたちは畳の部屋で本を読んでいた。父と母はど
こかへ出かけていた。わたしは「太閤記」を読んでいた。母の子
供時代の古い本。兄と弟が何を読んでいたかは覚えていない。父
と母が旅館に戻 ....
ヨークシャーテリアのくしゃみ。夏の風。塩素の匂い。嬌声。虹彩。



深い緑。蝶のような。蝶のような。流水。涼風。深い影。



内臓。ガラス瓶。牡丹。薔薇。迷走。精錬。製造番号。
 ....
「人間て、恋する機械なのね」って指でアポロを割る君の声

親指と人差し指についている二色のチョコは既に乾いた

表面のぎざぎざが消え無秩序になってしまったアポロに「ごめんね」

四文 ....
青空ではさんで食べる人間味サンドイッチは夜空の口に


教科書の意味を持たない言葉らが飛び立とうとする深夜のふるえ


君のことだけで育てたまっしろな花は胸ごと焦がして枯れた

 ....
幸せな手ほどき 幸せなあなたの
春の手ほどき


日当たりの良い場所で発芽した幼子たちが
小さな口を尖らせて
黄色い山火事を起こします
霧散した空気があらゆる涙袋を膨らます
それは ....
彼女は
朝の遠いこのまちの 
ちいさな刷毛で色をさしてゆく、群青
そらをぬりこくって笑う
その背中に 
にじんでゆく夕焼け空を想起しました
けれどもうぜんぶ しずんでしまったから
 ....
あの頃、君に告げられなかったことを今


 ***


ねぇ、君
冷やし中華を誰よりも早く始めたいの、とはりきる君の姿が僕は好きだったんだ



ねぇ、君
扇風機の首フリに合わ ....
あなたの温かみと重みが
わたしの存在に加えられる
その重みで
わたしは少し沈む
ほんの少し
沈む、あなたのわからない程度に

支える四本の脚
と呼ばれている、それは
わたしの言葉
 ....
その布の上にはきらきらしたかたまりが
透けながらならんでいて
あたしはときどき つまんで くちにいれます




がっこうからかえると また
本のあいだからピアノがはいだし ....
あれはいつのことだったか、間違いなく浮いていて、空。に、月の代わりに。ぼくらの夜はつややかな緑に照らされ、建物には鮮やかな縞模様の影ができる。アスファルトから植物が生えているようだった。自分がやさし .... ぼくらのまちにほりえもんがやってきたよ。
いろんな冒険と計算を乗せて。
勝つためにやってくるんじゃなくて利用するためにやってくる。
それをわかってて加勢するやつ。
つまらない中傷でつぶ ....
恋を知り少女がひとり懐かしむ灰をかぶった安寧の日々


階段の踊り場の恋は吊り橋の上の恋よりまことしやかに


12時で魔法は解けて ここからは本気であなたを落としにかかる


ラン ....
近づく

中田さんは
パンダになる

病気らしい

入り口で
手を消毒する

消毒液が
床にこぼれ

扉を
二つ
またぐ

パンダが一頭
寝ている

中田さん
 ....
ハルにはハルの 色
ナツにはナツの 香
アキにはアキの 途
フユにはフユの 時

文庫本一冊とテストの 束
繋がるようで繋がらな い

いまはナツかな ぁ
耳をふさぐと雨は遠くの国みたい 目をふさぐのをためらいながら



台風の日だというのに 僕たちに降る風はもう諦めている



キャミソール の 裾 を破いてもう少し生 ....
クラシック聴きながら詩を書くと詩が3拍子になってしまう、
でも詩は4拍子のほうがいいから、詩を書くときは狂ったロックやテクノを聴くと言う人のことを思い出していた。
今日中にたどり着けない電車に乗り ....
第一章 権利

 君をみたす酸素分子はさだめられた方角を見失うとき、霧となる。池のおもてで朝日が砕かれてゆくのを、君は燃える指でなぞる。どこまでが記憶なのだろうかと、問うこともしない。背後にあいた ....
ささやくようにはいりこんだ季節は
坂の向こうで風をふくみ

かがやいている



いつも背中に手をふれ
たしかめながら
もうずいぶん歩いて 
彼女の手には ひまわりが一輪咲 ....
雨が降っていた
暗い門の下で
男が三人いて
僕がその一人だった
門の先に続くのは
センチメンタルな山道だ

雨が小降りになってきたので僕は歩き出す
男が「大丈夫かなあ」と言っている
 ....
そう、にんげんはかことみらいのなかにしか
じこいしきを みつけられないんだ。
いきている、をさがして いきていないもののなかにずんずんはいりこむ。
かみさまのいかりにふれたアダムとイヴは りせい ....
「不思議だね、みんな死んだらいいのにね」ってビルの65階の夜景




もう少し待って 60年くらい経てばさみしさが死因で死ねる






{引用=6月、梅雨 ....
日に満ちた電車はそっと風になり火照ったほほをすりよせてゆく




夏に包まれた海の底の席で車掌が居眠りしつづけている




唇のはしからはじまる熱気にもあたたかないばら胸に ....
 あなたは、荒れ狂った、広大な砂地に足を埋めて、飛ばされないように、大時化で、ドロドロとした朝の、ドロドロとした波に打たれて、気絶する、泥土の景色のようだと、あなたは言うから、ねえ、あなたは帰 .... 通りすがりの人に頭を殴られたときに
どこかでしあわせになったあたしが
鼻血を流し、ぐらんぐらんの脳みそで
汚れる制服とアスファルトを
きれいに混ぜた

人を殺してばかりのきみの
本当は殺 ....
あなたにわたしのことなんか
わかるわけなんかないでしょ
死んじゃえ
死んじゃえ
死んじゃえ
後悔先に立たず
4つ打ちのビートに乗せて
今夜お送りする
ハウス
ハウス
ハウス
あの ....
なすときゅうりの馬なんて
のれないよねえ とつぶやいたとき
お兄ちゃんは
ひらたくて少し冷たい手のひらで
あたしの手を
つかんでいた


じいん と鳴る
すずしいかぜに 


 ....
遠き田の隅に孤独は佇みて親しきわれの呼ぶ声を待つ


白きゆり手折る微々たるゆびさきの力でわれをあやむるおまえ


君が代をふたりで唄うさつまいも甘き田舎の夏の縁側


 ....
お昼時の込んだ食堂で
ヒロシ君、と呼べば
3人は振り返る


ヒロシ君はクラスの中に2人はいる
ヒロシ君はテレビの中に5人はいる
ヒロシ君はヒロっちゃんと呼ばれることが多い
らしい ....
おはようやございますや
いらっしゃいませが
脱臼に骨抜いてわん!
俺はゆったりした波を
聞いて腰を揺らし
幽霊のようにふらついている
タータッタン 
       タ・タ
(ゆら
  ....
こもんさんのおすすめリスト(556)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
鳥媒禍- 吉岡孝次自由詩3*05-9-3
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アポロチョコ、青い月、雫する朝、筒の声。- 短歌13*05-8-31
自殺禁止(一日ミチル「ボールペンで書き出す短歌」によせて)- ピッピ短歌1105-8-30
パリフ- 嘉村奈緒自由詩1105-8-29
ラピスラズリ- はな 自由詩16*05-8-29
君に宛てて- Monk未詩・独白187+*05-8-29
椅子- たもつ自由詩2205-8-28
よる_さくら- はな 自由詩8*05-8-23
ウォーターメロン・ダイアリーズ- nm6自由詩14*05-8-23
ほりえもんがやってくる- umineko未詩・独白9*05-8-23
ガラストゥ_ガラスヒール- ソマリ短歌13*05-8-10
中田さんのお見舞いに- 辻野克己自由詩705-8-10
季環- 自由詩1*05-8-9
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米原駅ノート- 渡邉建志散文(批評 ...15*05-8-5
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帰途- はな 未詩・独白15*05-7-26
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転向。あるいは秋のいかづちの降る- 本木はじ ...短歌1205-7-12
ヒロシ君- 大西 チ ...自由詩14*05-7-6
レゲエ- 太郎冠者自由詩2*05-7-4

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