どれだけ着込んでも
どれだけ暖房を強くしても
寒さを凌ぐ方法をぼくはまだ知らない

寒いのは冬だからじゃない
寒いのは一人だからじゃない
氷点下を感じているのは
身体ではなくぼくの心
 ....
悲しみを癒してくれるのは
時の流れなのかもしれない

悲しみを救ってくれるのは
寄り添ってくれる愛なのかもしれない

しかし
ぼくらはただ知らないだけなのかもしれない
もしかしたら
 ....
大抵の事は
いつか笑い話になる事である

但しそうはならない事があるのは
常々肝に命じておかなければならない
撃鉄を起こし引き金を引いた
でももう弾は残っていなかった
怖いものの先に
見えないものの先に

きみの求める何かがある
きみの探している何かがある

だから向こう見ずになってご覧
或る作家が書いたように
見るまえに跳んでご覧

その何かと ....
今日の夕飯はお節はないのでサバの塩焼定食
サバの塩焼に野菜サラダと長ねぎのお味噌汁

炊いたご飯以外は
全部コンビニで買ったものだけど
男やもめにはこういう正月がふさわしい
最近 鳥の鳴き声を聴きましたか
最近 波の打ち寄せる音を聴きましたか
最近 雑踏の喧騒を聴きましたか
最近 話し掛けてくれる人の声を聴きましたか

ぼくはどの音も聴いていません
聴いたのは ....
よく気にくわないものがあれば
重いとかウザいとか
軽々しく口にする阿呆がいるが

生きていく上で
大抵のことは
重くてウザいものだ

それを覚えておかないと
いつかバチがあたるよ
 ....
まだ6時前だが
ぼくはカウンターのいちばん手前の椅子を引く

マスターが早かったね と言いながら
ぼくのアーリー・タイムスのボトルを出してくれ
磨かれたオン・ザ・ロック用のグラスがひとつカウ ....
その墓はアフリカ大陸が視える小高い丘にある
だけど墓地ではない あるのはその墓だけ

その墓には埋葬された彼の名前も
1894.5.27に生まれたことも
1961.7.1に亡くなったことも彫 ....
風が痛い
雨が痛い
雪が痛い
陽すら痛い

そして何よりぼく自身がもっとも痛い
いい歳をしてなんですけれど
だれかに抱きしめられたいと
想ったことはありませんか

もちろんだれでもいいって訣じゃないですよ
ほんの少し心の体温が伝わってくる女性(ひと)に
悲しいときも淋 ....
ワイパックス1錠
ジプレクサ1錠
ランドセン1錠
ベンザリン1錠
ヒルナミン3錠

そしてきみの寝息
ぼくが眠るために必要なもの
長く歩けないほど腰が痛いので
近くの整形外科に行った
背中のレントゲンを撮られ
腰椎の圧迫骨折だと診断された

でも心はもうとっくの前から
圧迫骨折している
ただ心の圧迫骨折はMRIにも ....
朝目覚めて何もせず
ベッドからソファへと身を移す
時計は6時を指している

街はまだ微睡の中
幹線道路から離れた住宅地のせいか
車の音も人の声も聴こえてはこない
漸く鳥たちが目を覚まし囀 ....
これまでに余りに
多くの音楽を聴いてきたせいだろうか
ふっと頭に突然メロディが流れてくることもあれば
TVを観ていてCMや番組の曲が思い出せないことがある
脳にメロディが張りついた感覚だと言え ....
或るひとのことが心から離れない
胸がときめき締め付けられる
そのひとを思うと切なくなり
夜が一気に長くなり眠れなくなる
それはいつかとまた同じ

きっときみは笑うだろう
いい歳をして何を ....
器の中に様々な言葉が投げ入れられる
器はその度にかたちを変えていく
選んで選んで投げ入れられる言葉もあれば
一気呵成に投げ入れられる言葉もある
思った通りのかたちになることもあれば
思った通 ....
本当に心底悲しい時
ひとは涙を流さない
言葉にはできないものがある
言葉からは洩れるものがある
その溢れ落ちた得体の知れないものを
掴みどころのない感情を
何とか伝えようと
何とか形にしようと
何とか掬い取ろうと
名も無き詩人 ....
ひとはそれぞれに
生き方や経験だけが醸し出す
そのひとだけの香りを漂わせる
愛なんて嘘だけど
でもとても綺麗な嘘なんです

また人生も嘘だけど
でもとても美しい嘘なんです

だから悩まなくていいのです
愛だって人生なんてみんな嘘なんだから

愛や人生に悩む必 ....
あのう すいません
悲しみって燃える塵ですか
それとも燃えない塵ですか

どちらでもないですよ
悲しみは塵じゃありません
悲しみは壁を越えていく力の父です
そしてひとと世界への想いやりの ....
ぼくらが見ているのは鏡に映ったかのような仮想現実だ
それは一見現実かのような様相を呈するがあくまでも現実ではない
ただ厄介なのはその仮想現実が
ぼくらの現実とぴたりと寸分違わず重なってしまうこと ....
飛んでいる矢は静止していることに
時熟できる者は決してゼノンのパラドックスが
あながち間違いではないことに気づく者であり
現在は常に過去であることを知る者である

それは己を時間化することに ....
最高気温が随分と下がったのに
まだエアコンは点けっぱなしのまま

温度が高いのが苦手なのではない
湿度が高いのが苦手なのだ
ある種の人間と同じように
ふとChagallの“恋人”を観たいと
新幹線のグリーン車に乗り
倉敷の大原美術館へと向かう

じっとその絵の前でChagallならではの
黄緑色をじっと1時間くらい観つづけた後
また新 ....
ありきたりに言ってしまえば
そう 川は人生そのものなのだろう
そう 川は生命の流れなのだろう

流れる水と水が寄り添うことは愛のよう
本流と支流に別れていくものは悲しみのよう

岩にぶつ ....
きみが声高に叫ぶことに
そうそうそうそうそうそううそ

きみが胸を張って言うことに
そうそうそうそうそうそううそ

きみが誇らしげに自慢することに
そうそうそうそうそうそううそ

き ....
オーケストラの調律は
音程の不安定なオーボエが担うという
理由はただオーボエの音が大きいからだ

その440HzのAの音によって
オーケストラのすべての楽器は調律されるが
そのAの音が正確 ....
HAL(473)
タイトル カテゴリ Point 日付
氷点下自由詩8*20/1/27 18:27
不可知自由詩8*20/1/24 22:00
大抵の事自由詩7*20/1/17 11:06
殺意自由詩7*20/1/10 17:49
答え自由詩8*20/1/5 12:18
男やもめ自由詩3*20/1/2 5:11
最近自由詩4*19/12/28 9:59
バチ自由詩7*19/12/27 18:00
SAD BAR自由詩6*19/12/22 10:04
夜の果ての墓自由詩6*19/12/15 3:54
Pain自由詩3*19/12/12 21:19
抱擁自由詩9*19/12/5 22:02
睡眠薬自由詩9*19/11/27 8:44
圧迫骨折自由詩5*19/11/17 11:23
静寂自由詩8*19/11/8 21:01
ググる自由詩6*19/11/3 11:13
落とし穴自由詩12*19/10/29 18:21
自由詩5*19/10/27 8:46
悲嘆自由詩7*19/10/23 9:32
戒め自由詩12*19/10/19 18:44
香炉自由詩6*19/10/17 14:43
自由詩11*19/10/12 18:15
分別塵自由詩9*19/10/9 20:22
実存在と無存在と(存在の本章として)自由詩2*19/10/5 17:24
脱自的想考力(存在の序章として)自由詩4*19/10/5 17:11
苦手自由詩6*19/10/1 18:33
或る夜 眺めのいい部屋から自由詩4*19/9/29 9:41
A River自由詩4*19/9/27 18:13
相槌自由詩3*19/9/26 20:26
調律自由詩3*19/9/24 21:27

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