トルーマン・カポーティは《冷血》を書き
大岡昇平は《事件》を書き
そして沢木耕太郎は《テロルの決算》を書いた

そこに流れつづけているのは
なぜひとはひとを殺すのかを
我等に問う厳しい難問 ....
人生はだれに取ってもほとんどが
ハッピーじゃないから

それを骨身に沁みて知っているひとは
ハッピー・エンドを愛する

それがどんなに絵空事であったとしても
ハッピー・エンドを愛する
猫になりたい どんな死に方であっても

無駄死にと呼ぶものは存在しない
時代はどんどん進んでいく
ぼくはそれに抗おうとするけど
所詮無駄なことは分かっている

それでもぼくは抗う
抗うことを辞めるほど柔じゃない

大抵のひとは驚くよ
スマートフォンどころか ....
ぼくらが選ぶことは
できないことだけど

できるなら人生のピークは
晩年に訪れた方が佳い

それをアーウィン・ショーは
《50ヤードの独走》と云う
短編小説で余りに早く
人生のピーク ....
嬉しいことはそんなにないのに
悲しいことはいっぱいある

その悲しみはひとそれぞれだけど
だれもがその悲しみを背負い生きていく

でもその悲しみはひとの悲しみを教えてくれる
だからだろう ....
本は終わりから読む
音楽は終奏から聴く

恋は別れからはじめる
映画はエンドロールから観る

旅は終車駅からはじめる
夢は目醒めてからみる


そしてぼくは死から誕生する


 ....
余りに鬱鬱とした日がつづくのでずっと想い悩んでいたら

あ ぼくは鬱病だったんだと気がつき納得する
あなたたち大人が悪政や貧困や搾取や弾圧に対して
歯向かうのは分からないではない

しかし それはこどもに武器を持たせ
そのつかい方を教える理由にはならない

大人はいつも勝手な義を矛にし戦 ....
もういまの世代には
なんのことって言われそうだけど
昔々プロテストソングなる音楽擬きがあった
それは殆どフォーク・ギターを遣い歌われるけど
馬鹿みたいな音楽のようにぼくには聴こえた

それ ....
『お客様は神様です』が口癖の歌手を
ずっとぼくは揶揄もし馬鹿にもしていた

しかし彼がシベリア抑留者だと知ったとき
餓死・凍死・狂死・刑死・自死で亡くなった同胞と
同じにならず瀕死の想いで
 ....
道を極めると書いて
極道とはね
笑わしよんな
なぜ命を賭して戦場に赴く
ジャーナリストや写真家が存在するのか

彼等は知っているのだ
戦争でまず殺されるのは女や子供たちではなく
もちろん兵士ではなく真実だと云うことに

それを知るた ....
踊らないか ぼくと一緒に
踊り尽くして一生を終えないか
そうすればきみの一生もぼくの一生も
意味あるものとしてこの世を去れる

だからぼくと踊らないか
壁の花になることはなく
ホールのセ ....
『われなんじの行為(おこない)を知る、なんじは冷(ひややか)にもあらず、
 熱きにもあらず、われはむしろなんじが冷(ひややか)かならんか、
 熱からんかを願う。』《黙示録》
           ....
夢はほとんど叶えられない
それが人生

信じた愛は想わぬときに失う
それが人生

希望は絶望に叩きのめされる
それが人生

こころは骨折する
それが人生

きみは裏切られる
 ....
親を亡くした子を孤児という
妻を亡くした夫を寡夫という 
夫を亡くした妻を寡婦という
しかし子を亡くした親を呼ぶ言葉はない


その痛みや悲しみを表現できる言葉はどこにもない
ほとんどの国の国歌は

軍歌である

それはひとつの国家の存在に

如何に多くの血が流れたことを

物語る明白な証拠でもある

その点に於いても

君が代は稀なる国歌である
海外の国を訪れた時
その国の母国語だけでなく
他国語が通じた場合

その国の歴史のなかで
侵略 植民地化 占領によって
多くの血が流れたことの
ひとつの痕跡なのである
あなたのいないこの部屋は
あなたを失ったことをまだ知らない

昨日までは
笑い合ったふたりの会話の声も
時には怒鳴り合った喧嘩の声も
聞こえないのに

この部屋はそれすら気づかず
あ ....
きみらは冷酷で不条理なこの世界を変え
新しい世界を創りたいと言うことに
ぼくは一切何の異議も唱えない

でもきみらの遣り方は間違っている
きみらの遣ろうとしていることは
破壊やテロと同じ行 ....
あなたたちは自ら望んで
戦地に赴いた訳ではない

ただ父や母や祖父や祖母を
そして幼き子と愛する妻を護るために

玉砕覚悟で銃火飛び交う島々へと
海では一機一艦の命を受け空で散華した
 ....
シャンパン・グラスには
シャンパンを注ぐ底に
見えない小さな傷がついている

その傷があるために
シャンパンは長く美しい泡を
出しつづけるんだけれど

きみはそれは何かに似ていると ....
この街のひとがラテン系だと教えてくれたのも
陽気なラテン系のひとだって
その心には大抵ひとには言わないけれど
苦い悲しみを背負っているのよとも
教えてくれたのはきみだった

ぼくは生粋の大 ....
あなたは誰にも見られない所で
何をしていますか
愛するひとに手紙を書いていますか

あなたは誰にも見られない所で
何をしていますか
まだ手にできない夢を得るために
そのための切磋琢磨をし ....
浮いたり 沈んだり
忙しいよね 生きてくってのは

尖ったり 丸くなったり
大変だよね 世渡りってのは

従順になったり 裏切ったり 
しんどいよね 恋愛ってのは

嘘をついたり 愚 ....
あなたはとても幸せだと想うわ
だって辛いんでしょ
だって淋しいんでしょ
だって泣きたいんでしょ

そんなもの もうあたしは忘れたの
そんなもの もうあたしは捨てたの

それでなぜそんな ....
あたしはまだあたしの咲く場所をみつけられずに
風のなかを漂っている
まるで帆を失った帆船のような気分で
風まかせで漂っている

どんな花を咲かせようと若い頃から想いつづけてきたわ
それなら ....
雑草にも




名前はある
HAL(478)
タイトル カテゴリ Point 日付
ノンフィクション自由詩2*12/9/19 22:49
絵空事自由詩7*12/9/18 15:26
いまはただ陽溜まりのなかでからだを丸めて眠っている自由詩4*12/9/17 5:23
死に方自由詩4+*12/9/15 14:52
溯上自由詩4*12/9/12 15:28
ピーク自由詩5*12/9/9 21:21
悲しみがくれるもの自由詩6*12/9/7 0:21
誕生自由詩9*12/9/4 16:32
納得自由詩1*12/9/4 16:30
置きなさい自由詩5*12/8/29 19:18
嫌悪症自由詩2+*12/8/28 22:30
『お客様は神様です』自由詩8*12/8/27 22:40
笑わしよんな自由詩7*12/8/26 22:10
まず殺されるもの自由詩4*12/8/24 3:15
ぼくらは踊る自由詩6*12/8/23 3:10
火傷自由詩4*12/8/21 21:43
些細な人生論自由詩4*12/8/20 22:11
呼び名自由詩4*12/8/19 23:24
稀なる国歌自由詩1*12/8/19 17:44
母国語と他国語自由詩1*12/8/19 17:39
永い冬眠自由詩3*12/8/17 23:01
アンフェア自由詩4*12/8/17 0:22
英霊の歌自由詩3*12/8/15 19:30
自由詩5*12/8/12 23:17
Latin OSAKA自由詩4*12/8/9 23:03
自由詩3*12/8/8 21:57
ひとそれぞれ自由詩5*12/8/8 0:03
感染自由詩5*12/8/7 0:34
花一輪自由詩3*12/8/6 0:49
自由詩3*12/8/2 22:52

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