夜の街から朝の街へ
区切りをつけずに酒三昧

朝の街へと出掛けてみれば
誰もが皺も寄らないスーツ姿

僕はよれよれスーツで
満員電車と反対のがら空き方向

毎夜毎夜じゃないけれど
 ....
古里を失ってしまった人間は

だれにも悟られない様にしているが

ただこの世をさまよっているだけだ

もっとはっきり言うならば

たったひとりで徘徊しているだけだと

己自身は ....
戦争に於いて
捕虜の虐待を禁じる
ジュネーブ条約も

非人道的な兵器使用を禁じた
ハーグ陸戦条約などが
存在するが

それは裏側で
戦争を肯定するものであって
ぼくにはどう考えても ....
ゆっくりと列車が動きだした
この列車に乗るのはこれ1回限り

明確に行く先は知らないけれど
到着駅が近づいたときに

列車は分岐器で方向を変え
そのときにどの駅が到着駅かが

推測で ....
ぼくはあなたの死に目に逢わなかった
嫌 死に目に逢いたくはなかった

戦争を懐かしみ笑って話するあなたを
もう死んだのにいまもあなたを憎んでいる

今更あなたの冥福など祈る気持ちは
 ....
言えなかった言葉が余りに多過ぎて
溢れようとする言葉で喉が詰まる

失わなかった愚かさが余りに多過ぎて
嘔吐を覚えるほどに胃がせり上がってくる

落としてきたのものが余りに多過ぎて
どの ....
ぼくは何処にいくにも
カメラは持っていかない

どうしても映しておきたいなら
眼をレンズにして心のシャッターを切る

もしそれがいつか忘れるものなら
撮る価値のなかったものだと云うこと
 ....
ぼくの時は老いてしまった

ぼくの時は錆ついてしまった

ぼくの時は過去になってしまった

ぼくの時は昔話になってしまった

ぼくの時はもうそれを知ってしまった

ぼくの時は近 ....
歩け!走れ!動け! 人類が計量できない程の
夥しい血を流して
辿り着いた国家体制は

独裁主義・共産主義・社会主義・資本主義の
僅か四つしかない

しかし独裁主義はまず長続きはせず
共産主義が滅びる様を見 ....
生あるものすべてに
訪れる【死】
それは公平であるかの様に想える

だが去し方は
安楽もあり
突然もあり
残酷もあり
凄惨もあり
その【死】は
ひとそれぞれ

故に【死】は不公 ....
なにも動いていないなかにいる
なにかはび動だにしないようにみせかけても
動いているはずなのに

なにもおとをだしていないなかにいる
静じゃくとはしぜんなどが静かなことで
あるだけで無おんで ....
ぼくは昔 転がる石だった
ぼくを握った手の熱さを
ぼくを投げたその手の強さも
まだ忘れていない

でもいまのぼくはただの石だ
転がった所にただいるだけの
単なる石になってしまった

 ....
きみはひとの途を
きみはひとの絆を
きみはひとの義を

いつも見下す目線で見ている
だからだろうね

きみはいつも憤懣を抱える
きみはいつも逆鱗を覚える
きみはいつも偽善を責める
 ....
ひとが声を出さずに

絶叫するときは

そのまま連れ去られるか

逃れられるか分からなくとも

死神にやさしく抱擁されたときだ

やさしく抱擁する死神ほど

凄惨なこの世の別れ ....
ひとは別にペンを持たなくても
そのひとだけの生は小説である

ひとは別に筆を持たなくても
そのひとだけの生は絵画である

それは確かに歳月の流れのなかで
忘れられてゆくものかも知れないけ ....
あなたは少なくとも33年
いやバードとのセッションからとするなら
44年の音楽生活のなかでただの一度として
後ろを振り返られることはなかった

それは凡人であるぼくには
絶対にできないこと ....
ぼくはずっと はっぴい・えんどを好まず
結末の解決を観るひとたちに委ねた
ヨーロッパ映画を多く観てきたけれど

それは斜に構えようとしていた愚かさであり
実は はっぴい・えんどをもっとも求め ....
TVドラマなどでは
まず画面に映されなかった
ブラウン管TV

いまは
薄型液晶TVは牢名主かの様に
ふんぞり返って画面に映される

これは差別だろうと
ブラウン管TVたちは
廃品 ....
オーディオの世界は異性や酒や賭博とは
較べ物にならない程 のめり込めばのめみ込めほど
留まることのない私財を投入してしまう

そのひとたちはオーディオを製品と呼ばず作品と呼ぶ
そう呼ぶひとの ....
ある用事があって久しぶりに
母校の大学の図書館を訪れた帰り坂

どこかから何かを燻らしている様な
芳しいとも苦っぽいとも想える

懐かしいような想い出したくない様な
薫りが否応もなくぼく ....
確かに歳はとったよ
正直に言うなら老いたのかも知れない
からだは正直に歳月を投影する

そりゃ60年も酷使してきたんだ
無理をすれば音も挙げる
死にかけたことだってある

でもぼくの精 ....
もっと眼(まなこ)は開けておけ
正義が見えなくなる

しかしよく眼を開けたままでも
本当の正義が見えることはほとんどない

それはいつも虫けらのようにひとを
殺すためにでっち上げた贋物の ....
運命って残酷だよな
俺のダチは雨上がりに
バイクに乗っててさ

高速の小さな水溜まりに
スリップしてバイクはフェンスに
激突してダチは投げ出されて
下の道路に飛ばされて
丁度来たトラッ ....
文字と螺子は関係ありそうで
まったく関係がない

見栄と知恵は関係ありそうで
少しは関係がある

家事と火事は関係ありそうで
かなり関係がある

詩と死は関係ありそうで
大きな関係 ....
希望と呼ばれるものに
過剰な期待をしてはならない

希望だってぼくら以上に忙しいんだ
あちらに希望を失いそうなひとがいれば

どれだけの遠い距離であっても希望は駆けつけ
そのひとに寄り添 ....
もしもだよ いいかいもしもの話だ
きみの読んでいる新聞も時々きみが観るTVも
全部がきみのために創られているとしたら
きみはどう想う

またきみが通っている病院も
そこの医師も看護師さんも ....
厳しい痛苦や

吐きそうな辛酸に

鍛えられることのない

希望や愛や幸福や平和は

単なる綺麗事に過ぎない
10代
ぼくはとても淋しかった
20代
ぼくは燃え上がっていた
30代
ぼくは舞い上がっていた
40代 
ぼくは打ち拉がれていた
50代 
ぼくはなにもかも失った
60代
ぼくに ....
きみは暫々それは知ってると言う
きみは暫々これは知ってると言う

きみが博識だということを
ぼくは否定する気はない

でもきみが饒舌に語る話を聞いていると
何か絵画のない額縁だけを聞いて ....
HAL(478)
タイトル カテゴリ Point 日付
夜の街から朝の街へ自由詩4*12/6/22 19:04
徘徊自由詩1+12/6/21 19:14
詰問自由詩012/6/20 20:15
一服自由詩7*12/6/19 18:11
亡き父へ自由詩2+*12/6/18 19:39
FLUCUTUAT NEC MERGITUR自由詩3*12/6/17 21:34
カメラ自由詩5*12/6/4 2:20
自由詩3*12/6/1 4:32
叱咤自由詩4*12/5/31 15:54
延命治療自由詩4*12/5/31 6:21
公平と不公平自由詩4*12/5/29 23:06
NOTHING自由詩3*12/5/29 6:12
転がる石自由詩6*12/5/28 3:06
ひとでなし自由詩5*12/5/25 5:07
抱擁自由詩4*12/5/24 6:51
問い自由詩9*12/5/23 15:01
帝王へ自由詩2*12/5/21 5:58
はっぴい・えんど自由詩7*12/5/18 23:43
牢名主自由詩2*12/5/17 21:43
憑依自由詩3*12/5/16 23:18
燻製自由詩11*12/5/15 6:19
【否】自由詩5*12/5/13 22:09
意識不明自由詩2*12/5/11 23:59
Strange Fruit自由詩9*12/5/11 8:03
恣意的存在自由詩9*12/5/9 21:27
お務め自由詩7*12/5/8 1:53
ノンフィクション自由詩7*12/5/7 3:12
綺麗事自由詩1*12/5/3 14:51
年代自由詩9*12/4/27 4:52
落差自由詩7*12/4/25 23:12

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