静寂
HAL

朝目覚めて何もせず
ベッドからソファへと身を移す
時計は6時を指している

街はまだ微睡の中
幹線道路から離れた住宅地のせいか
車の音も人の声も聴こえてはこない
漸く鳥たちが目を覚まし囀りで朝を知らせる

煙草に火を点け
昨夜飲み残した冷めた珈琲を啜る
おはようの挨拶を掛ける人はいない
もう吐く息は白く空気の色だけが蒼い

ただ晩秋


自由詩 静寂 Copyright HAL 2019-11-08 21:01:58
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