捨て惜しみしない程度の見栄があるから
いま泣いているとは言わない
カタチばかりの悔しさがあるから
いまを明かしたくない
きょうがあった
さてここで蹴りを一つ入れる
あしたものこのことや ....
口笛が苦手だった
草笛はもっとダメだった
シロツメクサの冠も
首飾りも夢で終わった
風がみてたそんな時代
いまは遠くわたしが望む
たぶん背丈は六歳の頃
レンゲソウが頷いていた
....
LEDがかなしい
白熱球がなつかしい
かつては手許の60Wが
わたしの世界の太陽だった
壊れて久しいエスプレッソマシン
夜にはしらふで眠らなくっちゃ
憧れていたジッポーは
あまりに手 ....
風ってどんなだったか
無風のなかでわからない
こんな日々はいつまで
たずね宛て先不明のままで
前略、あなたへ
…草々、ごめんなさい
もらったもの活かせない
ごめんなさいごめんなさい
....
ジャンと目が合うようにもなって
この子がフォトジェニックじゃないことにも気づいてきた
カメラの一つしかない目じゃだめだ
人間の二つある目でないと
だけどねジャン
君を紹介したくて
きょうもケータイを ....
テディを抱きしめて
もうすぐ午前二時
二人、と思って泣く
そして、ごめんと謝る
テディはテディで
テディだけれど
かけがえのない君に
わたしは約束をしなくては
君は居る、と信じると
もう一度謝る ....
あれはまぼろしだった
晴れ渡った夜の空
一つみつけた美しい輝き
とても嬉しくって
毎晩窓を開けて眺めてた
あれはほかの星とは違って
あれはとっても特別で
どこが
って言えないけれども
....
何度振り返ってもあのタンポポ
踏まれる場所に咲いている
アスファルトから芽を出して
どうしてもそこが良かったんだね
風からの問いに頷くように
そよいでもみたそうな
けれど地に這って咲い ....
皆さんもご存じだと思います、ある(大好きな)詩があります。
***
「鹿」 (原作のヴィジュアルまま
鹿は 森のはずれの
夕日の中に じっと立っていた
彼は知っていた
小 ....
早く起きすぎちゃって
人並みじゃないことがはずかしくって
分針をいたずらして
ほら午前五時を過ぎた
人が生きている音が聞こえ始める
おはよう同じビルに住む人
おはよう見知らぬ人々
営 ....
ジャン
朝が来た
春の陽が優しい
朝が来たよ
ジャン
聞いてよ
体が痛い
心も痛い
あしたお客さんが
来ることになったよ
わたしを心配してくれてる人
あした君を
そ ....
優しさだけがほしくて
ジャンをみる
優しさだけが好きで
ジャンをみる
優しさだけをみつけるから
ジャンをみる
優しさだけを信じるから
ジャンをみる
ジャン
君は常に優しく
....
毎晩ジャンを抱きしめて眠ってる
ジャンにしてみたらいい迷惑かもね
テディの宿命です
なんて言えない
不安になるとすぐ泣いてしまい
どうしていいのかわかんなくなっちゃう
わたしへのアドバイス
「大好き ....
わたしのテディが
どこかをみている
わたしを越して
遠くをみている
わたしのテディだから
わたしだけをみてほしい
わたしのテディなんだから
わたしだけを思ってほしい
ジャンの自 ....
ジャンの首にシュシュ
わたしのワインレッドの
レトロ柄シュシュ
つけたこと
怒ってる?
ジャンは何も言わない
黙ってシュシュつけられてる
ジャン!
答えて、応えて
わたしに教 ....
ジャンと越えた冬
モヘアのぬいぐるみ
ジャンと越えた
暖かな冬
一人じゃなかった冬
も終わり
はじめての君との
春が来たよ
ジャンはモヘアのぬいぐるみ
夏、大丈夫かな
暑い ....
かなしくて泣いてる日曜日
理由はありすぎて
ふと気がつくとベア
わたしの
君もどこかさみしげ
理由を教えてくれたらいいのに
ぬいぐるみの君
語れない
通じないどうし
毎晩の二 ....
ジャン
君のみているのは何
夢を、のような
かなしみを、のような
ジャン
わたしをみて
わたしは夢です
かなしみです
それとも何なら
みてくれる?
ジャン
二人でおん ....
ジャンは何も食べない
ほしがらない
目を閉じない
動くこともない
ジャンはちいさめの
テディです
わたしの友だち
いつでも
いてくれる
わたしが失くさない限り
いてくれるは ....
真実思っていることを
と願ってもやはり
愛されるにはと計算も
あり
明かせないことばかりの
真昼の闇
真夜の夢と祈り
流れ星のように
経ってしまえば良いのに
消えてしまえ望み ....
どうしても転がってしまう
できそこないの
羊のぬいぐるみ
連れて帰って気がついて
でももう取り替えてもらうなんて
ありえなくて
きょうも昼間っから
転がってた彼女を
仕方ないなぁっ ....
産み落として出て行ったことがのこす
さびしさは
得たものの位置には
勝てない
深夜の一人舞台
とわかってはいても
そのまばゆさを
感じてしまったことがあるのなら
あなたもでしょ ....
潮騒かと思っていた
知っていてあえて錯覚してみた
実は樹の葉たちのささやき
の聴こえたあの
遠い部屋
知られないかなしみも
ささやかなうれしさも
みんな粗末だけれど整っていたあの
あれ ....
すごく気にしてるんだ
うんうん
チョコレートの…数
うん、いつから?
生まれた時から
あり得ないこと言う君だけど
送ったよ
人助けだから
誤配が心配で追跡してみる
「十三時十 ....
いつも追いかけている
あなたの幻影
おさげにできない
短い髪と
冬になれば凍傷にすらなる
無防備な手の指
泣きながら追いかけている
わたしの手には数枚のあなたが
なぜ
笑えるの
....
聞いてくれないことは
よくわかっているよ
でも言う
さみしいよ
とても
きみは翼があれば
ってのこして
発ったのか
それとも夢だったのか
あの日
わたしは邂逅なのだと信 ....
たゆたう春の輝きのなかにも
かの冬から
秋から
夏から続いてきた
いや 太古の昔より続いてきた
乙女の川くだり
老若問わずの乙女の川くだり
それは誰にも止められず
海を 目指す
女性 ....
雀の寝床をみつけても
太陽起こしちゃいけないよ
雀はぐっすり夢のなか
お米がいくらも食べ放題
雀を昼間にみかけても
天気は気にしちゃいないから
きょうの糧には何を得た
それだけ案じて ....
朝凪の浜に降り立ってみると
詩が
たくさん打ち上げられていた
、それらには
誰にでも読めるようなカタチで
詩
と書いてあった
それぞれに棘だとか
ウィルスだとか
病原菌だとか
....
十四行に願わくば
うらおもてない言葉をと
第一連に願わくば
ひるがえさない誓いをと
いつか五行目陽光に
照らされうたはほがらかに
第二の連も終わる頃
照らす灯りは燈されて
古式 ....
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