あなたは
ずるいことや
わるいことを
いっぱいしてきたけど

だからって
不幸が約束されたわけじゃないし

わたしも
ずるいことや
わるいことを
いっぱいしてきたけど

 ....
誘う手のさみしさに似て 誘蛾灯 つめたい床の上に
つめたい果実が転がっている

べつに
なにも
守ろうとはおもっていない


わたしの床に

つめたい果実が転がっている
つめたさは皮膚よりさきに目からくる すばやく、ゆっくり、的確に どこもかしこも
やわらかい壁

わたしたちをつなぐものが
かなしいものになっても
一緒にいようね

どこもかしこもやわらかい壁
ルールがあるなんて
しらなかった、と
あなたが
 ....
夜。アデルを聞いている。アデルはかつとくんが教えてくれた。アデルを教えてくれて、そのあとわたしたちは結婚した。
このアパートには若い夫婦が多い(わたしたちを含めて)。生まれたばかりみたいに見える ....
まず
音が出てゆき
次に
色が出ていった

そして
文字が去り
時間が去った

残った
ささやかな温度を
抱きしめて
抱きしめて
眠る

飢えも
渇きも
なかった ....
犬まどろむ
午後はみじかい
風は陽射しを忘れ

季節は
かんたんにわたしを置き去りにする
「わたしはそのうち一秒と一秒のすき間に落ちてしまうかもしれない。」

「大丈夫だよ。一秒と一秒はしっかり手を繋ぎあっている。たとえもしも君がそのすき間につまづいてしまったとしても、またすぐに同 ....
つやつやの爪いっぽんに一つずつそれを当然とおもうかなしさ

クッキーの箱に描かれたちょうちょたちくらいの不自由さなら欲しい
だんだんと
遠のき
やさしくなっていく
日々のなかを

発光するリボンが泳いでいる

なめらかに熱く
泡立って

注意深く生活する
わたしをからかうように
発光している
 ....
物事が真実である必要はない。
あるとききゅうに、自分について大事な物事に気付くことがある。
それがきょうはそのことだった。物事はただしくあるべきだと思う。少なくともわたし自身は物事にたいしてただし ....
多くのひとがそうであるように、わたしも、約束をするときには、必ずそれを守ろうと思いながらする。約束、あるいは契約。鉢植えひとつ世話できず、いまだに自分の身体も精神ももてあましているわたしが。
わ ....
からだをほどいて
時間を失くした

生きていることは
良いことでも
悪いことでもないね
一秒に一京回の計算をするコンピューター。


夫は寝ている。多くの硬い毛に覆われた体。(それはそのままわたしの安心の形をしている。)それから、ぐったりと縮こまった性器。わたしにも早くペニスが ....
わたしはあなたを殺したかったので
音楽をつくった
わたしはあなたを殺したかったので
いちばん美しい言葉をさがした
わたしはあなたを殺したかったので
台所に立って刃を研いだ
わたしはあな ....
あなたを知り

死は
いまや
命と
手をつないで

月みたいに
あかるさを
教える

死は
いまや
命のように


命は死のように


ひとつの岸辺に
(互 ....
腰を
ぐしゃぐしゃにして
生死を混ぜる


ぼくたちは
同じだ

待ってろ
いま
してやるから

ぼくたちは
同じだ
同じように
ろくでなしだ

待ってろ
いまし ....
ぼくは
とじこめられた悲しみ
爪を噛むなよ
あきらめろよ

ぼくはとじこめられた悲しみ
届けられない葉書
みわたす限りの
こすもす畑に
種を撒いていた
きみだ
きみだ
きみ ....
さみしい小鳥は丘はすて
ひろい海へととびたった
海はつめたく 深遠で
するどい波は 小鳥をなめる

さみしい小鳥は海をすて
はるかな山へとびたった
山はさびしく 厳格で
あらい吹雪 ....
季節のかわりめには、どうしてこうも感傷的になってしまうのだろう。晴れていても、雨が降っていても涙が出てしまう。
あの人はわたしのことを忘れることにしたのだろう。来なくなった連絡と、日々と。忘れる ....
呟いたことばが届ききらぬままふたりの間で凍りゆく朝


からだから夜を追い出せない朝になけなしの理をかきあつめている
あれ以来
すっかりしなびた果実に
水をやりつづけて
きみの指は
完ぺきにふやけてしまった

(夜よ
やさしさは
こんなにも目に見えるのに)

きみは
まだ自分が
強い人間な ....
冬瓜を煮る。すこし青臭い匂いが指に残っている。

夕方、ディスカウントショップへ行ってハロウィンの玩具をいくつか買って、夫と落ち合って帰ってきた。途中、tooth tooth へ寄ってケーキを二つ ....
はためには曇りぞら
でも
どしゃ降りを胸のうちに
隠しもったまま
それを
愛と呼ぶことに決めたね

あの日は
遠のいていくし
それでいい
のたうちまわって縋ったものを
生活に ....
その死骸はまだ光をみていて
おとのなかを楽しんでいるのに
やわらかなつちをかぶせてしまう
あなたの手のしろさは
ひどいね
宙返りしてみても秋深まらず

空腹に飴をあてがう午前2時

鈴虫よ鳴くは勝手、泣き止むな
うつむせのしずかな背には薄い毛となめらかに降るみじかい死たち

閉じられたまぶた、唇、深い息 明けがたの音が通過していく

触れられず 逃げも進みもできないぼくらを死たちはじっとみている
 ....
ないしょのことは
ないしょにするから
それまではあそぼうね
夢でも会えるし
いますぐにあいに行くこともできるよ
のぞめば

のぞめば
いつでも
現実は直角に交わるし  ....
ひかってたのは
真珠じゃない
水滴じゃない
耳飾りじゃないし
ドアノブでもない

疲れていた
疲れていたし
悲しかった

ひかってたのは
真珠じゃない
泣いていたのは
君 ....
はるな(1880)
タイトル カテゴリ Point 日付
しらなかった自由詩411/12/2 2:33
誘蛾灯川柳311/11/29 22:36
果実自由詩311/11/29 2:31
つめたさは[group]短歌111/11/27 16:17
やわらかい壁自由詩1*11/11/27 2:36
みんな眠ってしまった散文(批評 ...211/11/26 1:09
ふるえて自由詩411/11/25 23:28
午後自由詩211/11/25 16:19
デート自由詩211/11/22 4:13
ちょうちょたち[group]短歌111/11/22 3:36
発光する自由詩411/11/22 2:55
ただしさと真実に関する考察と覚書散文(批評 ...511/11/21 0:20
10-31散文(批評 ...211/11/20 12:23
十一月自由詩211/11/19 22:35
コンピューター、及びコーヒー、そしてタオルハンカチ散文(批評 ...711/11/15 0:46
わたしはあなたを殺したかったので自由詩511/11/13 0:41
自由詩111/11/13 0:36
かなしみ自由詩211/11/13 0:21
たねとこすもす自由詩511/11/7 2:19
さみしい小鳥自由詩311/11/6 1:04
シクラメンのこと[group]散文(批評 ...111/10/27 13:30
朝に短歌311/10/26 9:29
夜の実自由詩611/10/26 2:02
すること、しないのこと[group]散文(批評 ...411/10/25 23:30
ひかりまみれ自由詩211/10/23 13:08
ひどいね自由詩311/10/21 22:38
宙返り川柳411/10/21 3:08
死たち[group]短歌311/10/21 3:02
ざくろ自由詩811/10/19 0:23
ひかってたのは自由詩211/10/18 0:05

Home 戻る 最新へ 次へ
27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 
0.49sec.