あなたはわたしに間に合わないよ
ずっと
たぶん

それじゃ間にあわないよ
ほら靴ひもが
ほどけてるよ

笑ったり
泣いたり
してごらん

怒ったり
妬んだりしてごらん
 ....
ベランダに並んだ鉢植 ベッドにはただしく冷えた子どもがふたり この街の雪はべったり重く
ささやきが凍るほど冷酷だ
あなたは出てゆき
わたしはここにいる

あなたのことを愛していたらよかったね
あなたがわたしを愛してたみたいに

しらない人びと ....
求めると
ほどける

うつりこむ光をすくおうとした
てのひらに触れるのは
光でなく
影でなく
しずかな林檎
からからにかわいた猫とはす向かいぬるくて不味いビールを開ける

背伸びして届かない空、 十二月、とり残された犬はびしょびしょ
瓶をかかえて
あなたが眠る横にたっている

ふたは
なくしてしまった

起きて

なにか
当たりまえのことを言ってください
この問いは答えでできている、この答えは問いになっている。あらゆる嘘は事実の隣にしか存在することができない。わたしは何かを探そうとしている、ただしいものを探そうとしている。傾いた夜、かわいた秒針 .... 田舎のモーテルは都会のそれと比べものにならないくらい広い。(そして安い)。どことなく過剰装飾でふるくさい(でも清潔な)クロゼットやバスタブ、けばけばしい色の使い捨てのアメニティ。プレッサーとアイロ .... ひざを立てて文章を書く。
わたしはわりと痩せているので、手足はあんまり若々しくみえない。骨が出ていて、かりかりしている。でもわずかながら筋力トレーニングをしているので、ふくらはぎにはけっこうしっかり ....
あなたは
ずるいことや
わるいことを
いっぱいしてきたけど

だからって
不幸が約束されたわけじゃないし

わたしも
ずるいことや
わるいことを
いっぱいしてきたけど

 ....
誘う手のさみしさに似て 誘蛾灯 つめたい床の上に
つめたい果実が転がっている

べつに
なにも
守ろうとはおもっていない


わたしの床に

つめたい果実が転がっている
つめたさは皮膚よりさきに目からくる すばやく、ゆっくり、的確に どこもかしこも
やわらかい壁

わたしたちをつなぐものが
かなしいものになっても
一緒にいようね

どこもかしこもやわらかい壁
ルールがあるなんて
しらなかった、と
あなたが
 ....
夜。アデルを聞いている。アデルはかつとくんが教えてくれた。アデルを教えてくれて、そのあとわたしたちは結婚した。
このアパートには若い夫婦が多い(わたしたちを含めて)。生まれたばかりみたいに見える ....
まず
音が出てゆき
次に
色が出ていった

そして
文字が去り
時間が去った

残った
ささやかな温度を
抱きしめて
抱きしめて
眠る

飢えも
渇きも
なかった ....
犬まどろむ
午後はみじかい
風は陽射しを忘れ

季節は
かんたんにわたしを置き去りにする
「わたしはそのうち一秒と一秒のすき間に落ちてしまうかもしれない。」

「大丈夫だよ。一秒と一秒はしっかり手を繋ぎあっている。たとえもしも君がそのすき間につまづいてしまったとしても、またすぐに同 ....
つやつやの爪いっぽんに一つずつそれを当然とおもうかなしさ

クッキーの箱に描かれたちょうちょたちくらいの不自由さなら欲しい
だんだんと
遠のき
やさしくなっていく
日々のなかを

発光するリボンが泳いでいる

なめらかに熱く
泡立って

注意深く生活する
わたしをからかうように
発光している
 ....
物事が真実である必要はない。
あるとききゅうに、自分について大事な物事に気付くことがある。
それがきょうはそのことだった。物事はただしくあるべきだと思う。少なくともわたし自身は物事にたいしてただし ....
多くのひとがそうであるように、わたしも、約束をするときには、必ずそれを守ろうと思いながらする。約束、あるいは契約。鉢植えひとつ世話できず、いまだに自分の身体も精神ももてあましているわたしが。
わ ....
からだをほどいて
時間を失くした

生きていることは
良いことでも
悪いことでもないね
一秒に一京回の計算をするコンピューター。


夫は寝ている。多くの硬い毛に覆われた体。(それはそのままわたしの安心の形をしている。)それから、ぐったりと縮こまった性器。わたしにも早くペニスが ....
わたしはあなたを殺したかったので
音楽をつくった
わたしはあなたを殺したかったので
いちばん美しい言葉をさがした
わたしはあなたを殺したかったので
台所に立って刃を研いだ
わたしはあな ....
あなたを知り

死は
いまや
命と
手をつないで

月みたいに
あかるさを
教える

死は
いまや
命のように


命は死のように


ひとつの岸辺に
(互 ....
腰を
ぐしゃぐしゃにして
生死を混ぜる


ぼくたちは
同じだ

待ってろ
いま
してやるから

ぼくたちは
同じだ
同じように
ろくでなしだ

待ってろ
いまし ....
ぼくは
とじこめられた悲しみ
爪を噛むなよ
あきらめろよ

ぼくはとじこめられた悲しみ
届けられない葉書
みわたす限りの
こすもす畑に
種を撒いていた
きみだ
きみだ
きみ ....
さみしい小鳥は丘はすて
ひろい海へととびたった
海はつめたく 深遠で
するどい波は 小鳥をなめる

さみしい小鳥は海をすて
はるかな山へとびたった
山はさびしく 厳格で
あらい吹雪 ....
季節のかわりめには、どうしてこうも感傷的になってしまうのだろう。晴れていても、雨が降っていても涙が出てしまう。
あの人はわたしのことを忘れることにしたのだろう。来なくなった連絡と、日々と。忘れる ....
はるな(1859)
タイトル カテゴリ Point 日付
まにあわない自由詩211/12/14 11:25
鉢植[group]短歌311/12/14 9:20
師走自由詩411/12/14 2:16
林檎自由詩311/12/10 1:42
猫と犬[group]短歌411/12/10 0:27
自由詩711/12/7 0:52
3:00AM散文(批評 ...311/12/6 3:03
アイロン、アイロン台としわのあるシャツ散文(批評 ...511/12/6 2:23
いったい誰が異常なんだろう散文(批評 ...211/12/2 3:31
しらなかった自由詩411/12/2 2:33
誘蛾灯川柳311/11/29 22:36
果実自由詩311/11/29 2:31
つめたさは[group]短歌111/11/27 16:17
やわらかい壁自由詩1*11/11/27 2:36
みんな眠ってしまった散文(批評 ...211/11/26 1:09
ふるえて自由詩411/11/25 23:28
午後自由詩211/11/25 16:19
デート自由詩211/11/22 4:13
ちょうちょたち[group]短歌111/11/22 3:36
発光する自由詩411/11/22 2:55
ただしさと真実に関する考察と覚書散文(批評 ...511/11/21 0:20
10-31散文(批評 ...211/11/20 12:23
十一月自由詩211/11/19 22:35
コンピューター、及びコーヒー、そしてタオルハンカチ散文(批評 ...711/11/15 0:46
わたしはあなたを殺したかったので自由詩511/11/13 0:41
自由詩111/11/13 0:36
かなしみ自由詩211/11/13 0:21
たねとこすもす自由詩511/11/7 2:19
さみしい小鳥自由詩311/11/6 1:04
シクラメンのこと[group]散文(批評 ...111/10/27 13:30

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