谷底に
毛布を敷いて
300日まえの
ことばを聞いている

気の遠くなる
甘やかさのなかで
遺書のような
うたを編んだ
花が咲いて
枯れるくらい
自然なことなら
実も成ったかしら

わたしたち
日も浴びず
水も貰わず
季節を泳ぎもしなかった

朝焼けを閉めだして
つくった夜に
プラスチックで ....
よるに
向かいあって
ぎざぎざした

あさが来てもまだ
ぎざぎざした

こころが
溶けあわないので
せめて
からだだけでも

寄りそってみても
ぎざぎざした

月が
 ....
たとえば、バスに乗るとして。
バス停で、バスを待っていることしかできない。ぎりぎりで走りこんだり、20分待ってもこなかったり、バスは、するけれど、ただ、わたし自身は、待つか、待たないか、それを決 ....
こころが
あまりに泳ぐので
からだは
すっかりさかなのようになった

くらやみで
もの見えず
熱のほうへと泳ぐこころに

からだは
ぴったりよりそい
もとめるものをもとめてい ....
愛と詩はべつものよ
花瓶の花と荒野の花とに
どれほどの貴賎があるだろう



ただ咲くように咲け
それをときどきやさしく飾るのが
詩の役割だろう
あるいはこれが
さびしさなら
まだ よかったね

線路のわきの
姫女苑
のこった青に
境界を引き

のばした先に
ぬれた鉄柵

あるいはこれに
なまえがあれば
なぐさめ ....
ひかりがあふれすぎて
窓が溶けている
高速道路のインター、
群れ、群れ、群れ、群れ

むこうのほうに少し風が吹いているのが見える。

川沿い、
はんたい側には
ささやかな川
流 ....
とくべつかたい
ピスタチオのからは
男の子に剥いてもらうべき
力みながらも丁寧な
あかく膨張する指さき

そんなふうに
やわらかい衣服もおんなじように
色っぽく剥けばいいって思って ....
そのほうがいいよ
世界を
つくるよりも

目を
とじて
そっと
ふたをする

そのほうがいいよ
血のたりない地面に
なめまわされた夢を
よこたえる
きれいにつみかさねた夜でできたお城
ぴかぴかに磨かれた言葉たち
いい匂いのする分厚いカーテンをくぐって
しらじらしい朝をくぐって

いくつものいくつもの
いくつもの肌をふみにじって
 ....
ゆらして
ほどく手つきが
りぼんをあつかう様で
とてもうつくしい

はさみでしごいて
カールをつくる手もと

わたしは
でも
りぼんでも
贈りものでも
ない

はやくこ ....
夜がながれております
黒です

いっぽんの
さむざむとした白が
なぶられるように揉まれております
黒です

それ以上のことが
なにか目の前でおころうとしているのに
ただたちつく ....
わたしたちは誓いました。そこで
わたしははじめて誓いを立てました

(わたしはいつもそうです、「まさにそのとき」が来るまで、それが、いったい何なのか想像することもできない、そしてそれに立ち会 ....
そこまで行きたいのなら
ボートを編んでおいで
おもいきり細く
しなるような枝で

祈りはきっと
どこへも届かないだろう
願いはきっと
どこへも結ばれないだろう
それでもそこまで行 ....
風のふく場所まで、手をとって、登って。いつぶりかわからないくらいになつかしい場所へ。なんにも信じていなかった。予想できなかったというべきかしら。なにひとつ。
それでも、「いつか」はこうしてや ....
雨いくつか
ふりそそぐなかで
思いだしている

傘をさすのをあきらめて
抱きあった

抱きあえば
しんまで濡れて

雨ふるふる
あきらめる

いまごろどこかで
かわいて ....
みじかい夜がおわって
きょうがはじまると
君のてのひらがすこししめってくる
青いような赤いような
夜あけまえ

だんだんとあかるくなってくる
あれは
かきあつめた命が
燃えるから
 ....
鳥は
飛ばなかった
その日

手紙は届けられず
果実は実らない
ペンは握られず
扉は叩かれなかった

あれから
ずい分とながい時間が経ち
しかし
雲は流れず
船は揺られな ....
ねそべってみてたら
時間に夜がつっかえてしまった
きみの胸のすき間に

抱き合えば
世界が
しんと眠る
きみはちいさなものを
あたためて
あたためて
あたためて
殺す

言わなかった
できなかった
立ちすくむことで
伝えようとした
それすらも
奪われ
雨が乾くほど
時が過ぎ ....
くもりの日
あたらしい音楽を聴いて
約束だってやぶれそうだ
だれかのためにつくられた
あたらしい意味や理由が
不自然に黄色いかげをつくる

そうしよう
捨ててしまおう
君のこと愛して ....
さわられると
そこからかたちになってゆくような心持ちがしました
口をつけられると
そこから血がめぐるような

はげしさは
はるか向こうでゆれる波でした
ことばは
ばらばらに砕ける音 ....
はねが抜けたので
もうとべない

おもったけど
とんだことはなく
おちたこともない

なんとなく
みみずを
愛しいとおもって
飼いはじめた
太陽に透かしてみている罪と罰 重たいほうをぼくがもらうよ

海べには 夜の残骸、猫の死体、重なって沈む時間たち

きみのふちをなぞって辿りつく先が知らない男の肩甲骨だ

かわり目のいき ....
新宿でギターをひいている人の声が聞こえたらそれは生きていたくないっていう歌だったから早くそうすればいいと思う。雑踏がごくごく喉ならしながら意思を飲み込んでいくので喧噪が終わらないんだよ。データを集 .... 大通りで
ひかりがひかっている
右往左往して

ひかりがひかっている
ひかりがひかっている
ひかりがひかっている
右往左往して
空が裏返り
わたしたちは輪の中に身をしずめる

心がぜんぶの水を
吸いとってしまって
体は吹き飛んでいった

肥大して
びしょびしょのわたしたちは
輪を抱き
輪に抱かれながら
 ....
死にたい日に
いちばんすきな靴したを履いて
興味のないパーティーへでかける

足首に
ほそいロザリオをつけた男に抱かれたら
こころとからだがはぐれた

音が鳴っていて
とても静か ....
背を向けて眠る
あなたのかたちを
なぞるかたちで
空洞が訪れ
わたしのかわりに
あなたを奪っていく

シーツの重みを
じっ
とみていると
だんだんと
時間が失われていくのがわ ....
はるな(1880)
タイトル カテゴリ Point 日付
谷底自由詩812/7/27 23:02
自由詩412/7/27 19:15
ぎざぎざ自由詩512/7/25 11:44
バス、バス停、水の中散文(批評 ...112/7/25 0:16
さかな自由詩612/7/22 9:55
愛と詩は自由詩412/7/22 9:52
鉄柵自由詩512/7/20 23:58
はめごろし自由詩412/7/19 13:48
ナッツ・ケーキ自由詩812/7/16 23:28
地面自由詩212/7/13 9:59
きれいなお城自由詩6+12/7/13 0:48
りぼん自由詩112/7/13 0:26
反転自由詩212/7/4 23:02
6/16散文(批評 ...312/7/2 12:07
ボート自由詩312/7/2 11:36
風のふく場所散文(批評 ...112/7/2 11:32
雨かわく自由詩612/6/30 23:43
夜あけ自由詩2312/6/21 1:19
自由詩712/6/15 1:06
自由詩112/6/15 0:55
ちいさなものを自由詩212/6/7 1:22
くもりの日2自由詩112/6/2 18:03
ひたすらに自由詩512/6/2 0:03
はね自由詩4+12/6/1 23:53
重ねる短歌312/5/31 1:30
AM1:16自由詩312/5/31 1:16
ぜつぼう自由詩212/5/29 21:07
裏返り自由詩612/5/26 12:15
はぐれる自由詩1012/5/24 14:08
シーツ自由詩712/5/23 2:52

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