石の上に三百年。
諺の覚え違いじゃない。
多少誤差はあるが、
この山のなか何百年。
山桜は今年も咲いたが、
最近は子供がこんのでつまらん。
{引用=静岡県掛川市高天神社の狛犬}
いましめられても
檻のなかでも
土あれば
花咲く
あなたがその花の名を
知らなくても
青い桑の実に
はつなつの強風
続々と生まれくる
カメムシ
シャクトリムシ
ウリハムシ
今年はどうか
お手柔らかに、ね
見ることができるなら手をのばせるなら
遠くてもいい
届かない雲は
じきに梅雨のいろ
天からの便りを
仰向いて
待つ
許されたものだけを
焼いて
猛るものは
まだ残るか
誰も助けてくれません
地震でも
事故でも
ありません
キノコの生える梅雨がくるまえに
逃げちゃおう
澱まず
濁らず
明鏡流水
ときどき図書室のゆめをみる
二階に保健室があったり
一階に玄関があったりする建物は
昔通った小学校の木造校舎に似ていて
でも階段はコンクリート製で
どの窓も大きくひらかれて
わ ....
「念力俳句」をエキサイトテキスト翻訳で日→英→日翻訳したものです。
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=30897
1. 念力
それは変の念力のYuk ....
強風の夜
窓の向こうで大きな音がした
恐怖に叫んだかもしれないが
身動きしたかもしれないが
記憶にはない
まだ幼い少年が
フルフェイスヘルメットの男に殴られている
やわ ....
ラベルを剥がしたビデオテープ
広げたままのけばけばしくて薄っぺらな雑誌
勘定書や生ゴミ 積ん読の本の山
段ボールの箱からこぼれた新聞紙
その陰から
ひょっこりと覗いている
....
お子さまからお年寄りまでみんなに人気の定番メニュー、
コアセルベート・スープはいかがでしょうか。
まず恒星の素を用意します。恒星の素はガスまたは液状です。
缶やビンに入ったものがスーパーで売 ....
行秋や抱けば身に添ふ膝頭 (炭太祇)
ところにより最高気温30度を越える場所があったりして世間は春たけなわなのだが、静岡の桜はやっと三分咲きというところで、佐々宝砂の気分はいつものごとく暗く(? ....
からたち
くわ
杉
くすのき
木を割る
ナタは少し重いくらいがいい
そういうことはきちんとわかるが
なにがほしいのか
わからなくなって久しい
からまるツタは
ていかかずら
あ ....
約束した覚えが
そこはかとなく
ある
わたしんちには仏壇があって
歩いてゆけるすぐの距離に先祖代々の墓があって
春彼岸には野ビルが伸び
秋彼岸には彼岸花が咲く
いまは野ビルが伸び放題 ....
今日は風が強くて
ほとんどどうしていいかわからないくらいだけど
一年いちどのしらさぎの日
休んでるわけにはいかないから
カイとわたしとふたりして
言葉にならないもの抱えて出かける公会堂の庭
....
黒い円盤に封じこめられた過去の叫び
くるくるまわる盲目の蜥蜴
蜥蜴の王は
わたしを
見ない
幾千の音符が
それぞれは鎌のかたちをして
わたしの胴と四肢とを裂き
全体 ....
なに戸惑った顔つきで叫んでるのさ
ワームホールはもう閉じちまったよ
ぷんぷん漂うのはメタンぽいな
どこの惑星から来たのか知らねーけど
諦めて寝てたらどうだ
弥勒が来るころには
....
竹の子は
まだとてもやわらか
おはよう
小さな眼が見上げる
小さな空
あなたを見つめる私を見つめる街角の眼を見つめるあなた
掌に乗る
生命の記憶の
なんと軽いこと
笹公人さんの歌集『念力家族』http://po-m.com/forum/bookad.php?did=29415から32のお題を拝借してつくったものです。
1.念力
念力の半端にかかり雪解かな ....
なんだか重いな寝苦しいなと思うと
大きなわけのわからない生き物が
胸にのっているんです
そんなことが毎日です。
ふうっと煙草の煙を吐いて
彼女はティーカップにくちびるを寄せ
とつぜん苦 ....
屋上に登るとそこが彼の家で
夜空は曇りがちだったけれど
さそり座の鈎がどすぐろい雲間から覗いたので
東西南北は把握できた。
方角がわかっていると気分がいい。
屋上の端には手すりも柵も ....
水滴を鏡に落とし異世界の虜となりぬその未亡人
遺伝子の螺旋ドレスにして踊る女の口はひたすらに赤
水銀のぎらりを飲んでみせるからわたしと一緒に歩いて下さい
丸ボタンひきちぎっても ....
涙滴型のカプセルをひとつ服用する。
白い飛行船、チェシャ猫の笑い、
きみの両腕は指先から砂になってゆく。
不完全変態の幼虫が這い寄ってきたら、
追っ払ってしまおうと思う。
きみは完全変態 ....
死ぬに死ねない冬の蜂が巣からはい出す
ふかふかと暖かな布団が空を舞う朝
木々は消えかけた希望を吸い上げ
鳥たちが絶滅の歌を歌い
落ちてきたものを受け止めかねて彼女は俯いた
遠い泥 ....
溌剌と黄色い実を
口にしても甘くない
思い出と同じ味がする
肌ざむいから
冬のあいだに
編み上げることのできなかったセーターを
ベストがわりに着て
すこし冷めてきたコーヒーを飲んで
読みさしの本を閉じて
(結局あんまりたくさんは読めなかったな)
....
カブトガニに少しだけ似たその生き物は
畳半畳ほどの大きさで
ぜんたいは乾いた肉色だった
甲羅の両脇から生えた二葉の
掌
としか言いようのないものが
彼等の体重を支えた
掌に ....
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