年寄ると
雌牛の乳房はずるりとながい
地面につきそうなくらい
搾乳器にもかけにくい

隣の牛に踏まれると
乳房が裂ける
裂けると
いつものおじさんがきた

麻酔したのかしないのか
 ....
牛が生まれる
大騒ぎしているのは人間ばかりで
牛は慣れたもの
これで五度目のお産だ

まだちいさいわたしは
目をみひらいている

子牛は逆子で
おじさんは苦労している
どうやったも ....
わたしがまだとてもちいさかったころ
牛舎でチャボを放し飼いにしていた

あのころもたぶん
鳥インフルエンザはあった

卵を隠すチャボがいた
牧草の陰にふたつみっつとあった
探し当てると ....
または未来人ラツキの警告。恐るべき未来言語「ら付き」言葉を知らない人は、「続々レレレのレッ!」を読んで復習しておくように(だんだん態度がでかくなってきたぞ)。

レレレのレッ!
http://p ....
または帰ってきたサイレ星人。じゃなくて、「さ入れ言葉」の弁明。「さ入れ言葉」がわかんない人は、以下の文章を読んでおくように。
レレレのレッ!
http://po-m.com/forum/showd ....
またはレタス魔人の逆襲。じゃなかった「れ足す言葉」の逆襲。「れ足す言葉」が何か知らない人は、先にhttp://po-m.com/forum/showdoc.php?did=8106&from= .... 私はら抜き言葉がとても嫌いだった。「ら抜きの殺意」を抱きかねないほど嫌いだった。しかし最近はだいぶ慣れて、ら抜き言葉にでくわしてもなんとか耐えられるようになってきた。耐えなきゃいけないなあと思ったから .... ここはほんとにからっぽで
なんにもないのです

ポケットだらけの服より
空気のはいったスーツケースより
からっぽです

きれいな声音で
愛について
鳥がさえずります

もうすぐ春 ....
単調な電子音。
おまえは誰かと哲学的な質問。
管制塔から?

数字とアルファベットからなる16桁の識別番号が私を示す記号。
であったはず。
である。
HALでないのは確かだ。

春だ ....
いまはまだ
冬の秘密を伏せておこう

ねっとり黄金の蜂蜜を練りこんで
ぴかぴかの春がやってくる

舌先で感じる原初の味覚は
甘味なのだから
わたしは拒まない

とろりながれる黄金の ....
海があんまり静かで
手を突っ込んでみても濡れない
顔を突っ込んでみても息苦しくない
ということはどうやら夢をみているらしいから
潮の匂いすらしない潮風に吹かれて
飛んでみようとおもう

 ....
ミミズには裏表があって、裏側は表に比べてちょっと色白で、ミミズは裏を下にしてないと這うことができない。こういうのこそ無駄な知識というべきで、ミミズを実際に手にとってみたひとは知ってるだろうし、ミミズな .... 真夏の草いきれ。
立っているだけでじっとりと汗。
しかしこいつだけは
やけに涼しげだ。

やさしいみどりの草のうえ
冷たい泡で身体を覆って
まるで
クーラーの効いたワンルームの住人。
 ....
見捨てられたガラスの温室は
屋根も壁も割れて
折れた支柱には
へくそかずらが絡まって

でもその支柱のそば
深紅の小さな薔薇が咲いていた
頼りなげに細い茎には
淡い色の棘がたくさんあっ ....
ちくりと腕が痛んだ。
蚊が刺したと思ったが違った。
淡い緑に黒い飾りの。
これはツマグロヨコバイだ。

きみが吸うのは
ヒトの血じゃなくて
草の汁でしょうが。
間違えないでほしいなあ。 ....
からっぽになったら書くことがなくてすっきり。
かも。と十九のとき思った。
おおまちがい。

胸に睡蓮が咲くなら小説にもなるけど
胸にスランプの大穴じゃ
退屈なエッセイにすらなんないもんね。 ....
忘れてませんかね
繁栄を謳歌してるのは
地球の主役は
わたしらでっせ

哺乳動物がなんですかね
冷血どもがなんですかね
もちろん鳥なんて
あんなものは滅ぶべきですな

もっとも多く ....
人間はいつもゴキブリの飛翔におののく。
りっぱな羽根があるんだから、
ゴキブリにしてみりゃ、
飛ぶのは当たり前なんだが。

ゴキブリ自体は、
単に飛びたいときに飛ぶ。
問題をややこしくす ....
博士。あなたがあちらに行って何年になるのでしょう、
数えてもしかたないけれど。

あれから、人間は全く進歩しておりませんが、
技術は立派に進歩しております。
治るようになった病がたくさんあり ....
初夏の日に映える
あの黒い羽根は
あなたにいつか送るつもりの
今はないしょの手紙

内容はまだ明かせませんが
なにしろ黒いのです
ところどころに紅さしてはいるけど
腹まで真っ黒けなので ....
そういえば最近見てないと気づくと
逢いたくてたまらなくなる
相手が人間なら電話できるが
これが実は虫の話で

面妖な臭いを発散する
コナダニつきの標本ならば
僕の抽出にあるけれど
これ ....
私の最大の罪は怠惰である。それでも私にしちゃがんばっていろいろ働いてるのだから、許してよねえ天の誰かさん。でも書けてないものいっぱいあるなあ、あれとかこれとか、口約束だけでいちども書けてないものもある .... あんのんと陰鬱な雲水を嚥下しておんどりゃあ
簡単に近作をくんくん研究されちゃ困惑すんだよ
産科医が死んだら寸断して煽動して損壊だ
単眼の珍獣は積読の天才ととんとんで
なんなら忍者とヌンチャクで ....
春たけなわの
野菜畑のかたすみ
耕すのに疲れて
うんとこしょと腰をおろすと

小さなスプリングが
ぴんっ
と跳ねて
黒い長靴の上に乗る

その乾いた土色の菱形は
まるで泥汚れみた ....
2002年に詩人ギルドレビュウに発表した文章をもとに、雑談スレでの「詩の定義」議論に、私なりのレスポンスをしたい。下の文章は、あちこちの詩の掲示板で何かと問題にされることの多い「詩の定義」議論に私なり .... 火星の人類学者は、毎日毎日「お断り」ばかり繰り返している。「珈琲に砂糖は?」「いりません、ブラックです」「クリームは?」「いりません、ブラックだと言ったでしょ」というたぐいの「お断り」だ。甘いのが嫌い .... 私は今真剣に迷っているのだけれど、それをどう説明したらいいかわからない。わかるひとには説明しなくても済むし、わからないひとにはいくら言ってもわからない。迷いや悩みなんて、大概がそういう性質のものではあ .... 瀬をはやみ割れたきりなる年の夜

心眼を持たぬ我らの初詣

拾ひしは空の財布ぞ初夢に

二階なき我が家にぞめくひめはじめ

ちはやふる{ルビ雪花菜=きらず}炒めつ落語聴く
年明けて水の凍らぬ土地にゐて空を見上ぐる空は凍れり

さやうならと云ふ言葉のみ美しく響く気がする睦月中旬

迫り来る地獄の闇に名を付けよ死ね死ね団とかショッカーだとか

遠ざかる銀河遠のく ....
弾けとぶ硝子の街のリアリズム軽く躱して越え去りゆかん

乱れ髪やは肌罪に裂かれても衣擦れの音ノンとは言はじ

さなきだに寂しきものは仏なり嘘偽りを桜とひらき
佐々宝砂(882)
タイトル カテゴリ Point 日付
むかしばなし3自由詩6*04/3/3 17:22
むかしばなし2自由詩7*04/3/3 17:07
むかしばなし自由詩304/3/3 16:23
続々々レレレのレッ!散文(批評 ...204/3/1 17:14
続々レレレのレッ!散文(批評 ...304/3/1 1:53
続レレレのレッ!散文(批評 ...5*04/2/29 0:48
レレレのレッ!散文(批評 ...504/2/27 17:40
Love Song自由詩504/2/21 3:13
マン・イーター自由詩204/2/21 3:12
秘密自由詩404/2/21 3:11
覚醒夢自由詩404/2/10 4:14
虫も殺さぬ散文(批評 ...904/2/1 0:18
アワフキムシ(百蟲譜21)[group]自由詩4*04/1/28 3:11
ハゴロモ(百蟲譜20)[group]自由詩3*04/1/28 2:40
ツマグロヨコバイ(百蟲譜19)[group]自由詩404/1/28 2:38
スランプ・スクラップ・スープ自由詩2*04/1/27 9:40
六本脚からごあいさつ自由詩4*04/1/26 5:53
ゴキブリ(百蟲譜18)[group]自由詩5*04/1/25 2:44
真冬に百合、白ければいいのに。自由詩5*04/1/24 5:10
クロアゲハ(百蟲譜17)[group]自由詩4*04/1/21 2:36
モンキチョウ(百蟲譜16)[group]自由詩204/1/21 2:30
当たり前のこと散文(批評 ...404/1/20 4:01
ごじゅうお・ん未詩・独白2*04/1/20 2:46
ヒシバッタ(百蟲譜15)[group]自由詩1*04/1/19 5:51
詩の境界線(最終更新9/16.2008)散文(批評 ...1004/1/18 2:52
ネリリしたりハララしたり散文(批評 ...404/1/16 17:35
くるしうこそ散文(批評 ...004/1/15 3:09
ちはやふる俳句4*04/1/14 17:17
この空の青短歌304/1/14 16:50
たまには折り句短歌1*04/1/14 16:12

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