このうえなく暑くてかったるかったその年の夏
あたしは牛糞くさい風が漂ってくるベランダに
布団まで敷いて寝転がって
あたしにとっていちばん大切なものはSFで
ラジオから漠然と流れてくる音楽という ....
筑摩書房版の「明治文学全集」に凝つてゐる。懲性が過ぎて、不図気付くと脳味噌が旧仮名遣ひになつてゐるのであつた。嗚呼美しき哉、旧仮名。

最近借りてきて面白かつたのは「女学雑誌・文学界全集」である。 ....
私の詩に英語タイトルのものはそう多くない。皆無というわけではなく、詩集に収めたものの中には"A Japanese Prayer"と"LOVE STORY"と二つ .... 15分で書いたので中身はないです。

でたらめのでんでんむし
でんぐりがえしてでろでろと
デリケートなでんぶに
でっかいデラウェアぶらさげて
でんでんだいこでんだいこ
でんでんでかけるで ....
空は氷点下どころかマイナス240度に下がって
熱いのは内部だいつだって
だからいま昇りかけてる太陽だって
氷点下の空が無邪気に冷めた顔をしたって
気にしないで熱くなる自分勝手

何度目の飛 ....
白糸さんの「言葉の持つしっぽ(あるいは亡霊)について」http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=9435&from=menu_d.php?start=0を読ん .... 猫は中空を見つめていることがある。
なにもない空間。
なにもないはずの。

猫の視線がどこか一点に凝固して
黒目が大きくなると
わたしはすこしわくわくする。

猫の視点が
わたしの背 ....
またはドキュメント晩酌時の佐々家。

夜のテレビの紀行番組で、
アンダルシアの風景が写る。

「アンダルシアって、アではじまってアで終わるね」
と夫。
「そうだねえ」
とわたし。

 ....
またはドキュメント夕食時の佐々家。

夕暮れのテレビ・ニュースで
菜の花畑が写る。
「いちめんのなのはな」
とわたし。
「純銀モザイク?」
と夫。

さて。
いつものように。
バ ....
確信犯という言葉の意味が、気になって気になってしかたないので、辞書をひいてみた。

確信-犯【かくしん-はん】
自己の信念に基づき正当な行為と信じて行う犯罪。
[特に、宗教的・政治的な義務感・ ....
海岸沿いに露出した三十年まえのゴミ山のうえ
新しい嘆きがそっくりひとつ捨ててあった
壊れた自転車
割れたブラウン管
骨の折れた傘
骨折り損のくたびれ儲け
破れた心臓
そんなもののうえに
 ....
婆さんは忙しいのである。
なにしろ忙しいのである。
化粧するヒマはない。
みなりととのえるヒマもない。

そんなわけで
髪はおどろに振り乱し
服はボロボロ顔は血みどろ。
時には走る車の ....
寒くはないのに足先が冷たい
詩人の休日について思い馳せているせいだ
トランペット吹きの休日なら
明るく自由な旋律だけど
詩人の休日はなぜか
未熟なくせに古くさい響きがして
私の足先をとても ....
窓をあける
蠍座がみえる

もうそんな季節なのだ
夜明けまえ小さな田舎の駅にも明かりは点り
どこかからきてどこかにゆく青い電車が
轟音を引きずってゆく
さよならを言うまでもなかった別れ
 ....
コーヒーには砂糖をいれない、
いま私はめちゃくちゃに機嫌がわるい、
人間なので機嫌が悪い日くらいあって当然なのだけれども、
こんなに機嫌が悪くなるとかえって気分がいい、
コーヒーにはミルクもク ....
試験管に緑の液体 三角フラスコに赤の液体
というのが流行でないのは知ってるくせに
やっぱり実験台の上には緑と赤の液体

灰色のふわふわがはびこるシャーレや
知性ある紫の蛸が蠢く水槽や
 ....
春は死にかけている
ぼそっとつぶやいて探偵は
ブラインドの隙間から夕陽を見た

まともにブラインドを開けて見りゃーいいのにと
読者は思うかもしれないが
これはこの探偵の美学であり習慣である ....
夜中に台所で誰かに話しかけたかったら
話しかけたらいい
誰もいなかったなら蛇口にでも話しかけたらいい
君は自由だ本質的に
誰の手にも負えないくらいに

卑猥なことを叫びたかったら
夜空に ....
蝶をつかまえたから嬉しくて
タモに入れたまんま
おにいちゃんとこに持ってって
ほら!と叫んだ。

「こいつは蝶じゃないよ、
アゲハモドキってんだ、
アゲハの真似してるけど、
蛾なんだよ ....
アゲハは真上に飛び立つ。
目的があるみたいに
だけど少しも慌てず鷹揚に
まっすぐに。

あかるい春の日
かわいた地面に
ゆらゆらと落ちている
アゲハの影。

高く舞い上がれば
薄 ....
たぶんヘンリー・カットナー(またはルイス・バジェット名義)が書いた古いSF短編だと思うのだけど、作者とタイトルは定かでない。むかーしのSFマガジンで読んだのだ。

その小説世界では、魔法がごく普通 ....
わたし
春の畑をあるく
やわらかな雨に匂いたつ
赤土

影の淡い腕が
いくほんも突きだして
足首をつかむ

でも
死んだ者のちからはよわい
幽明のあわいに建つあの門が
ぎらりん ....
昨夜連詩に参加して、私は不意に気がついた。私は七五で暮らせると。七五でしゃべっていられると。気がついたらばおしまいだ。浮かぶ文章みな七五。それでこの文、ごらんのとおり、ずっと七五で書いている。続けるこ .... 少年や六十年後の春の如し (永田耕衣)

加藤郁乎と同じくらいに、このひと永田耕衣もすごいおひとなのであった。加藤郁乎に比べるとかたちが非常に整っているので一見まともな印象を受けるが、上記引用の俳 ....
にんげんのやることじゃないです
と にんげんがいう
にんげんのこういにたいして

人間だけが原水爆をつくる
人間だけがアウシュヴィッツをつくる
人間だけがサリンをまく
人間だけが手を汚さ ....
ここから出なくてはならんのである
いつもよりは前向きな気分なのである
なんとかせなならんのはわかっているのである
何をどうしたらいいのかもわかっているのである
こんなことしてる場合でないのも
 ....
遺書にして艶文、王位継承その他無し (加藤郁乎)

どこが俳句なんだと悩まないように。作者が俳句と言やそれは間違いなく俳句なのだ。加藤郁乎は、この手のすごい俳句をものす私の大好きな俳人の一人。彼の ....
このシリーズは「俳句の非ジョーシキ」であって「俳句のジョーシキ」ではない。勘違いしてる向きがあるとびみょーになんだから、念のため。

さて、ジョーシキを蹴飛ばす前にジョーシキを認識しておけというこ ....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=8106
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=8192
http://po-m. ....
ええと、俳句結社に入っていたり、俳句について勉強していたりする人は読まなくていいです。あくまで初心者向き、老婆心のお節介的文章。あのねそこのひと、ベテランは読まなくていいんですってば!

(ここよ ....
佐々宝砂(882)
タイトル カテゴリ Point 日付
扉の手前自由詩404/3/31 13:41
明治の文章に関する駄文散文(批評 ...304/3/31 3:30
英語は喋らないと散文(批評 ...5*04/3/31 2:32
即興練習未詩・独白1*04/3/30 21:28
あけがたのうた自由詩404/3/27 5:39
ひとりぼっちの裸の子ども散文(批評 ...904/3/27 1:25
ささやかな奇跡自由詩504/3/26 3:11
あららのあ未詩・独白10*04/3/25 17:55
いちめんのなのはな未詩・独白4*04/3/24 23:30
確信犯について散文(批評 ...604/3/24 2:06
寝付けない理由自由詩17*04/3/23 4:06
忙しい婆さん自由詩304/3/22 2:28
詩人の休日自由詩404/3/21 4:16
アンチ・アーレス自由詩704/3/21 3:58
クソババアになりたい自由詩9*04/3/21 3:29
はるだし(マッドサイエンティスト編)[group]自由詩104/3/18 16:09
はるだし(私立探偵編)[group]自由詩404/3/18 16:08
夜中に台所で誰かに自由詩8*04/3/17 2:58
アゲハモドキ(百蟲譜23)[group]自由詩5*04/3/17 2:09
アゲハ(百蟲譜22)[group]自由詩704/3/17 2:07
独学の数学者また散文(批評 ...504/3/17 0:00
梅雨入前[group]自由詩404/3/15 2:10
昨夜連詩に参加して散文(批評 ...204/3/15 1:50
俳句の非ジョーシキ具体例2[group]散文(批評 ...704/3/13 11:30
にんげんのやることじゃないです自由詩904/3/13 4:14
とにかく書いてみるのである自由詩604/3/13 3:48
俳句の非ジョーシキ具体例[group]散文(批評 ...804/3/13 1:06
その2俳句の非ジョーシキ[group]散文(批評 ...1004/3/10 13:46
最終レレレのレッ!(付、遠州方言)散文(批評 ...5*04/3/10 12:06
俳句の非ジョーシキ[group]散文(批評 ...16*04/3/8 16:51

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