欲しかった
ほんとは
赤いビー玉の中には炎がある
青いビー玉の中には星がある
僕が欲しがるから
くれないんだ
欲しがらなければ
悲しくはならない
欲しかった
ほん ....
八月半ば 空気は舌がしびれるほど甘い
ページを捲ることを諦めた詩集を捨てる
ただ長くて行ったりきたりするそれだけの詩集だ
誰もが一度口には運ぶけど
飲み込むものはいない
{引用=眠るよう ....
ぼんやりと空を見ている
車のエンジンから
かちかちと熱が砕ける音が聞こえている
ただ夜は自分のあるべき姿であらわれた
それがどんな暴力かなんて知らずに
蟻の一匹が黒く湿った小さな紙屑にな ....
今年は寒い冬が来るだろう
火のない冬になるだろう
原子力の冬は来るだろう
大寒波にそそのかされて
僕のバイクのタンデムシートはない
ひっぺがして捨てちまった
かっこつけて電信柱の数を数 ....
思い出の数を数えてしまう
指を折っている間は
少し幸せだった
両手を握ってまた小指から
ベッドに寝転がったまま
天井に光の帯が回転するんだ
どれだけ時間が経ったっけ
窓の外は雪が降っ ....
無意味な恋をして
無意味な愛を知り
空っぽの器を厚くしていた
失うものもないのに
失うすべを探している
電信柱でほつれた蛾の一匹に
苦痛を
衝動を
僕は押し付けてポケットの中を ....
町からずっと遠い場所で
朽ちた家を買って
暮らすことにした
灰色の屋根と毛羽立った床のある風景
どうやったって
取り返せないものが
あんまり遠く小さくなったので
僕は自分を騙すのをや ....
匂いだけ
街を歩いてるのに
感じるのは
匂いだけ
いつまでも続くと思って
歩いてきた道は
僕にはながすぎる
道は果てしなくても
僕にはながすぎた
人に優しくしなきゃだダメ ....
1980年代の午後は
こんなに明るくなかった気がする
僕は、歯磨きが嫌いな子供で
今は、命がかかるまでは歯医者に行かないと決めた大人
ルールや倫理が
どんなにえらくっても
大人の中 ....
アスファルトの
無音の
道路をいく
熱風が
絡まって
空の色が
濃くなっていく
青いワンピースの
少女が
かけていくのが見える
くたばりやがれ!
ゴミ野郎!
振り向 ....
色素のない目で
晴れた日を煮ている
寒い日でも
ビールを飲んでいるのは
腐った体の中で
黒い陽が
沈もうとしないからさ
分厚いパーカーを
スタジアムジャンパーの内側に着込んで
....
ずっと張り裂けそうだった
胸はやっと張り裂けた
中身全部膿だ
僕の腐敗でしか無い
膿だ 膿だ
手のひらに掬って
口に運ぶその膿が
なぜなんだろ
青い 青い
aoi aoi
....
高校生のスカートが
湿った風ではためいて
僕は地獄の底にいる
気持ちのいいことは
部屋の中にしか無くて
外にある
綺麗で頭がおかしくなりそうな風景は
僕とは関係のないことだと
....
へそ曲がりが残してった
テレビがある
君のうちの近くの川
二人で歩いてたっけ
手をつないでたっけ
小さなよどみが
複雑に捨てられてる
君のうちの近くの川
手をつないでた ....
とうに日付は越えた
あの日あの時あの場所で
僕は そうすか って
答えてた
決別じゃねーよ
思い出じゃねーよ
違う 違ってて
ズレた理解
コヒーレントな
ただの寂しい爆発
....
君を僕の部屋に入れてあげる
小さなドアですけど
秘密の合図がないとあかない
中指なんかたてたってだめだよ
メロイックサイン?
お隣へどうぞ
短パンの奴と暴れといで
部屋の中はすごく狭 ....
八月の夜は不潔すぎて
僕のナイフは錆びている
母が泣いていて
父が笑っていた
テレビが光っていた
日曜日は誰もいない
消えない傷について考えよう
せっかくなら背中に知らない誰かの名前 ....
勇気 さんの発言:
はじめまして、今回インタビュアーを努めさせて頂きます、竜門勇気です。
早速ですが、寝てる時ってどんなかんじですか?
寝てる人 さんの発言:
寝てる感じ
勇気 さんの発 ....
こどもでかい=ひるねむい
あかいこども=深爪
こどものみず=あさ
公平なこども=全智無能
こども店長=社会の病理
白い帆布 こども=山崎邦正
こども油=猛毒
初めてはうそで
そのつぎは泣いてて
三度目はしょうじき
言葉はうそで
心は泣いてて
体はしょうじき
他人はうそをついて
友達が泣いていて
自分はしょうじき
まちをあるいてた
青信号の鳴き声を
きいてるだけだった
つめあとは ない
釣りをもらった
なけなかった
つま先がぐるぐる
つめあとはない
なけなかったんだ
まぶた ....
帽子の中で支離滅裂が泳ぐ
今日は誰を裏切るんだろうか
それをいつ気づくんだ
言葉はいくらでも湧いて出る
眼鏡の大部分はシースルー
気軽な発見でルールは厳密に
声は輪郭だけで来る
....
亀の甲羅のまわり
走りまわる
杖を持って毛を生やして
ナイフがあれば誰かを殺せるだろう
そんな簡単じゃないって?
じゃ君にゃ無理さ
水の中にいる
呼吸を何かが守っている
周りの ....
あのことも
このことも
忘れてしまうのさ
まどあけて
たばこをすってしまえば
消えてしまうんだ
すきなことだけ
すきなことだけ
すきなだけ
やりたいやりたい
ひがの ....
光に生まれ変わって
ほしになるの
熱に生まれ変わって
よるをつくるの
爪に生まれ変わって
そらをひっかいて
虫に生まれ変わって
つちをたべるの
rinnne
あなたに ....
精神のスパイクは
今日も効かない
彼女はマインスイーパーに夢中
世界は今日も半分だけ
かびの生えた海の中
知らない言葉
知らない気持ち
錆が崩れて
彼女はマインスイーパーの中
....
浜帰り
にこばえ放す
履き違え
スマの妙
粒かき惑う
幼き子
はばないす
泥炭まわる
貝殻の
なつあさし
ひとのことばと
じぶんの詩
五月尽く
ためになればと
声のあし
麦の秋
サイロの見どころ
窓にまつ
梅雨寒し
よそにいってろ
萩の前
明易し
ろく ....
八月を
むやみに生きるの
てつかず
はちがつ
壊れるまで
そっとみてる
触れないように
かかわらないように
それでも
セミはおちていく
かぶとむしの
くびはおちていく ....
なくしてなお
僕にすがりつく
過去の産物を
思い出と名付けて
忘れてしまおう
何度か試みて
消えなかったお前を
生き物と割りきって
ともに生きていこうか
失った全てより
....
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