そいつはこの上なく獰猛で
このうえなく強い顎の中に
鉄をも貫きそうな頑丈な牙を備えている
だけど死体だ、死体だ、死体だ


建築計画が頓挫した
コンクリが剥き出 ....
熱の照度ばかりが

思い出せる夢のような

ひとかけらの流れ


僕は芋虫を

君は蝶々を

思い思いに

這わしたり跳ばしたり

白い砂浜に

もっと白い飛 ....
わたしは自分の部屋の
樫の木のデスクの前の
座り心地のよい椅子に深く腰を下ろして
窓の外の様子を気にしている
今日は朝から細かな雨がたえず降り続いていて
それがもうやん ....
列の向こうで烈しく輝く太陽は決して俺の足下を照らすことが無い
唇にこびりついたフルーツの香り、俺はいつも何かひとつ子供じみた失態を犯してしまっていて
記憶のノートをめくり返すと ....
冬の欠片を舐めながら
消え去ってゆく一羽の鴉
数秒前までやつの止まり木だった
徹底的に錆びついた三輪車は
生まれる場所を間違えた珊瑚のように見えた
いびつに変化 ....
瞬きの間に世界が反転したような疼き
ただ真っ白な洗面所にめり込むほど顔を落として
流れ落ちる水のうねりは熱意のない鎮魂歌のよう
午前6時の切断は排水溝に埋葬される
 ....
あかさたなに変換しきれない
片言のブルースが張り付いた雨の日
サディスティック・ピンクのソーセージが
腹の中で居心地悪そうに座り直した午後
ここらあたりにゃ詩情ってもんがな ....
自爆的感覚を抱えたような内耳のノイズ
死角から襲いかかる獰猛な獣みたいに、小憎らしい感覚で脳髄の末端をつつく
俺の表情がちくちくとふるえるのが判るだろう
何 ....
きみが聞いていても
聞いていなくても
そんなことなにも関係ない
ぼくに関心があっても
あるいはなくっても
そんなことなにも関係がない


ぼくはきみに話をする
いつわりの純粋さや ....
春のある一日の暮方には
発狂の
予兆がある
ジンと痺れたような
頭痛とも呼べない違和感と
芯を抜かれたような
身体の座り
くちびるは
読経のような調子で
言語にならぬ声を長く ....
撲殺の感触のような中枢の痛み
地の底まで沈みこむ心情を他人事みたいに傍観しながら
彼方の空にあるのは白に消えそうな青
白痴のような未熟がゆっくりと左胸を叩く
死を見るからこ ....
懐かしい夢ならそれきり忘れちまいなよ
それはお前をどんな所にも連れていったりはしない
コンビニエンスストアの裏口に放置された
錆びた自転車を見ているうちにそんなアドバイスを耳打ちしたの ....
いろいろなことを忘れて時間が過ぎる
そうだ、あの時、あの時側にいたのは
ひそかに恋焦がれていたあの人だっただろうか
綿菓子の機械に見惚れていた縁日ではぐれて
それきり会えなくなったあの ....
正確に流れる音楽がたまらない不快感を残すので
折った鉛筆の先で中指を突いた
瞬間に骨に達するもの
瞬間に骨に達するもの
馬鹿馬鹿しいことだけれど一番重要なもの
 ....
自滅の感覚は本当は至極静かにやってくる
個性ってもんは柔軟だが時には堅牢な檻のようで
首吊り縄がゆっくりと頸動脈を絞めてくるような息苦しさは
俺である限り永遠不変の出来事な ....
錆びた時間が牙を剥いて喰らいついてくる、かわせよ…それが肉に食いこんだら外すのは相当に厄介だ、すべてのことを後回しにしてそいつの軌道を読むことに意識を集中させた方がいい
牙から錆が入る ....
おれが自室で退屈しのぎに何となく詩を書いていると
胸に直筆で「神」と書いた名札をつけた男が現れて
いきなりこんなことを言った「選べ。」
「おまえの言葉はいい加減すぎる。それ ....
いま香草の暴力的な繁殖を裏庭で見つけたフレンチのシェフみたいに俺は混乱していて思考の着地点といったものが脳内のどこにも見当たらない。年中子供を生んでいる好きものの家族の子供部屋みたいに際限なく散乱 .... 君はうんざりするような春の幻の中で
僕が捨てた声を拾い上げながらずっと微笑んでいる
揺らぐことのない穏やかさに
敵わない何かを感じて僕はうなだれてしまう

秋 ....
アンダーグラウンドで格付けされてちょっといい気分の俺は
阿呆の休日に溶けながら冷めたインスタントの珈琲を飲んでる
晴れのち雨の天気予報はいささか疑わしい感じだったが
カーテンの向 ....
甘い歌を繰り返してよ
甘い夢を繰り返してよ
気が済むまでどうぞ
気に病むまでどうぞ
凍てつくようなゆうべの空に
指をはなれた蝶が飛ぶ
ふわり
ふわり
ゆらり
ゆらり
旋 ....
オー、ジョン・ライドン、お前の毛根にまだこびりついてる砂糖水の匂いに
ぞろぞろと群がってくる小汚いアリどもを笑えよ
まるでそこにしか歩くところがないみたいに
お前の後をついてくるそい ....
窓の向こうに雪が降り始めているのが判る
僕は愕然としてひとりだ
吹き始めた風が激しい声を上げて
まるで誰かを責め立てているかのようだ
数十分前に電話機が一度だけちりんと音を立て ....
明け方は残像、未来の癖に思い出みたいな余韻をはらみながら、「見えない壁」のパントマイムみたいに窓の所でこっちを見てる
FMのチャンネルからはハイドン、俺は一気に歳を食ったような気分に ....
俺の臓腑を見ろ
俺の臓腑を見ろよ
ガラ空きの腹腔から滴り落ちる俺の臓腑
静かな臭いを放ちながら床に降る俺の臓腑
もはや曝す以外に手はない
もはや曝す以外に手はないんだ  ....
明日ここに捨ててゆく花を選ぼう
あまり綺麗じゃなくて
だけど見過ごせない
咲くよりは枯れるために
生まれてくるようなそんな花を
俺の言葉の代わりに
俺の人生 ....
重いビートを無視しないで
おまえを、目覚めさせるために
はるか遠くから聞こえてくる重いビート
コーラスガールの太腿にこびりついた
昨夜の味気ない欲望
すべておまえを目覚めさせるた ....
ぼろぼろこぼれおちた
身体のかけらを眺めているまに
時が時がどんどん流れた
神様、俺は泥人形か
干乾びて崩れるのみか
アーハーハー、アーハー
笑気に聞こえぬ笑い ....
踊りを踊るなら

山のふもとの

見晴らしのいい草原に行きなさい

夢中になり過ぎても

誰に咎められることはないから


歌を歌うなら

そのま ....
歩道の舗装のひび割れたところの饒舌
くすんだ向かいのレコードショップのイエローのテント
縁石に座りこんで俯いて泣いてる10代と思しき女
交差点の電柱の下で乾いた血液みたい ....
ホロウ・シカエルボク(1176)
タイトル カテゴリ Point 日付
冷たい血が俺を生かしている自由詩2*10/3/22 22:29
まわろよ自由詩1*10/3/14 16:56
雨の日、わたしは窓のそばで自由詩2*10/3/9 17:17
列の向こうで烈しく輝く太陽は決して俺の足下を照らすことが無い自由詩1*10/3/4 17:31
錆びた三輪車は深いよどみの中へ走る自由詩1*10/3/3 18:31
傷んだ洗面から賛美歌は始まる自由詩2*10/3/2 16:55
頭上のブルース・それから魅惑のチリ・ドッグ自由詩1*10/3/1 17:20
ふりだしに戻るばかりの小さなさいころゲーム自由詩1*10/2/28 23:24
そんなことはなにも問題にするべきことじゃない自由詩5*10/2/28 11:51
さようなら、過ぎ去った日々よ自由詩1*10/2/24 17:38
冬の夕暮れに便所に立つまでのひとつの乱雑な考察自由詩1*10/2/7 22:02
ハード・ブロウ自由詩1*10/2/2 22:18
いろいろなことを忘れて時間が過ぎる自由詩0*10/2/1 23:01
サイレン自由詩0+*10/1/31 11:33
夜が来る(名前を付けられない喪失なんてまるで人生に付けられた ...自由詩3*10/1/19 17:46
錆びた時間の牙自由詩010/1/17 22:08
やっぱすべてはあるがままが(※歌えません)自由詩1*10/1/14 16:48
無意識化のノート、1ページ目散文(批評 ...1*10/1/11 13:51
だからといってそれが冷めてしまうまでここでこうしているわけに ...自由詩6*10/1/2 18:06
どんな理由をつけたってやってることはたいていお見送りなのだ自由詩1*09/12/27 18:07
残留思念自由詩1*09/12/20 18:30
Punk is Dead自由詩2*09/12/18 22:04
どこにも残らないのにみんなそのことを覚えている自由詩1*09/12/12 22:24
Cry Baby (Good night)自由詩1*09/12/8 18:33
臓腑の風景自由詩1*09/11/23 22:04
明日ここに捨ててゆく花を選ぼう自由詩3*09/11/22 21:24
哀しい雨に歌えば自由詩1*09/11/22 16:05
パンク(夜がゼリー)自由詩1*09/11/18 0:24
英知自由詩5*09/11/6 22:23
Winter Blue自由詩2*09/11/3 15:21

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