君の袖口はいつもあっけらかんと濡れていて、そのせいで俺は今夜も眠りを逃す、眠るべき時間に床を放棄してぶつぶつと詩をこまねいていると、それだけでなにか戻れないところまで逸脱してしまったみたい .... 置き去りのボンティアックの錆のオレンジ
助手席に腰かけたままの
過去を
騒がせぬようにと気を使うみたいに
ゆっくりと
やさしく吹く風
口笛を乗せると
母親を ....
鈍い目眩とともに
やって来る歪な影
暗い夜明けのように
淀んだ白夜のように
めくれた上皮みたいな気分が
敷布の中から身体を捕らえて
煮物が駄目になるときのような ....
子供の様に
廃れて
横たわる夜
鬱蒼と
茂る狂気
道を
はぐれた
野良犬の狂気
もんどりうっては
まともな振りをする
夜、夜、夜、夜、夜夜
欠けた前歯が
捕 ....
強い決意が悪い事態を引き寄せる
そんな歪な予感を含んだ朝
煩いほどの太陽が空にあったが
ウェザーニューズは後雨だと告げていた
構ってる場合じゃない
濡れるか濡れないか分からないよ ....
内臓に潜んだトリガー、獣のスタイルで被膜に風穴
傷物から逃げ出した血液が吐き出される夜
瞬間、自分が霊体に変わるみたいな
肉体の感触を惑わせる冷汗の数
ストレイトな衝撃以外 ....
雨の向こうに跳んだ蛙は言い残したことがあるみたいに俺を振り返った
機械のような冷たさをもった四月半ばは昏倒した老人が見る氷の夢のようで
増水して喚く小川の流れは叶わぬ夢に執着し ....
それは誰かにとどけ忘れた
たとえるなら即効性の
殺意みたいなものによく似て
河原で骨になった
後ろ足が一本欠けた猫の
雨に洗われた眼窩の悲しさによく似て


真夜中にだけ客を探す
 ....
個体であることが煩わしいなら
生皮を剥いでなにもかも垂れ流せばいい
おれはおまえの内にあるものと話をしてる
おまえがどんな生のリズムに翻弄されていようとも


ひとつの ....
膝の皿を皮ごと穿孔して
瓜の種をひとつ植えた
わたしはもう歩くつもりがなかったから
そこから綺麗な瓜が
生えてくるといいなと
わたしの身体には土がないので
わたしの ....
障子越しの陽の光が、やわらかな色味に変わるころになると
あのひとは楽しそうにわたしを呼びつけては
「春を描け」とねだるのでした


わたしはあなたの枕の横に ....
エイト・ビートを告げるカウントの
ワンとツーの間に落ちたものを探す
飯を抜かれた犬のように
鼻先をヒクヒクさせながら


裏通りで寝そべった時に見上げた釈迦の掌は
光化学スモ ....
ぼくは濡れた路の上に立って
ゆるやかな忘却みたいに終わってゆく雨を見ていた
15時25分をすこし過ぎたくらいで
どうしようか決めかねているみたいに
太陽がうす雲のあいだ ....
無造作に投げ出されたそのものの形状それこそを俺は真実と呼びたい、お前に何が言えるのかね、ただ闇雲に研磨する事ぐらいにしか真摯さを見つけられないお前に?無菌室で育てた命が外界でいきられる .... 発光し続けて
磨耗するフィラメントの
舌打ちみたいな最期の音
疲れた寝床で
その音が何度も弾けた
落ちようとする
意識に
電流を流して起こすみたいに
じ ....
そいつはこの上なく獰猛で
このうえなく強い顎の中に
鉄をも貫きそうな頑丈な牙を備えている
だけど死体だ、死体だ、死体だ


建築計画が頓挫した
コンクリが剥き出 ....
熱の照度ばかりが

思い出せる夢のような

ひとかけらの流れ


僕は芋虫を

君は蝶々を

思い思いに

這わしたり跳ばしたり

白い砂浜に

もっと白い飛 ....
わたしは自分の部屋の
樫の木のデスクの前の
座り心地のよい椅子に深く腰を下ろして
窓の外の様子を気にしている
今日は朝から細かな雨がたえず降り続いていて
それがもうやん ....
列の向こうで烈しく輝く太陽は決して俺の足下を照らすことが無い
唇にこびりついたフルーツの香り、俺はいつも何かひとつ子供じみた失態を犯してしまっていて
記憶のノートをめくり返すと ....
冬の欠片を舐めながら
消え去ってゆく一羽の鴉
数秒前までやつの止まり木だった
徹底的に錆びついた三輪車は
生まれる場所を間違えた珊瑚のように見えた
いびつに変化 ....
瞬きの間に世界が反転したような疼き
ただ真っ白な洗面所にめり込むほど顔を落として
流れ落ちる水のうねりは熱意のない鎮魂歌のよう
午前6時の切断は排水溝に埋葬される
 ....
あかさたなに変換しきれない
片言のブルースが張り付いた雨の日
サディスティック・ピンクのソーセージが
腹の中で居心地悪そうに座り直した午後
ここらあたりにゃ詩情ってもんがな ....
自爆的感覚を抱えたような内耳のノイズ
死角から襲いかかる獰猛な獣みたいに、小憎らしい感覚で脳髄の末端をつつく
俺の表情がちくちくとふるえるのが判るだろう
何 ....
きみが聞いていても
聞いていなくても
そんなことなにも関係ない
ぼくに関心があっても
あるいはなくっても
そんなことなにも関係がない


ぼくはきみに話をする
いつわりの純粋さや ....
春のある一日の暮方には
発狂の
予兆がある
ジンと痺れたような
頭痛とも呼べない違和感と
芯を抜かれたような
身体の座り
くちびるは
読経のような調子で
言語にならぬ声を長く ....
撲殺の感触のような中枢の痛み
地の底まで沈みこむ心情を他人事みたいに傍観しながら
彼方の空にあるのは白に消えそうな青
白痴のような未熟がゆっくりと左胸を叩く
死を見るからこ ....
懐かしい夢ならそれきり忘れちまいなよ
それはお前をどんな所にも連れていったりはしない
コンビニエンスストアの裏口に放置された
錆びた自転車を見ているうちにそんなアドバイスを耳打ちしたの ....
いろいろなことを忘れて時間が過ぎる
そうだ、あの時、あの時側にいたのは
ひそかに恋焦がれていたあの人だっただろうか
綿菓子の機械に見惚れていた縁日ではぐれて
それきり会えなくなったあの ....
正確に流れる音楽がたまらない不快感を残すので
折った鉛筆の先で中指を突いた
瞬間に骨に達するもの
瞬間に骨に達するもの
馬鹿馬鹿しいことだけれど一番重要なもの
 ....
自滅の感覚は本当は至極静かにやってくる
個性ってもんは柔軟だが時には堅牢な檻のようで
首吊り縄がゆっくりと頸動脈を絞めてくるような息苦しさは
俺である限り永遠不変の出来事な ....
ホロウ・シカエルボク(1191)
タイトル カテゴリ Point 日付
眠くなるまでやったなら我慢して寝るしかない自由詩1*10/5/11 3:03
Many Rivers To Cross自由詩1*10/5/10 22:34
明方、その暗がりに自由詩3*10/5/6 22:17
血の色、レッド自由詩010/5/4 0:26
途中経過自由詩1*10/4/26 16:56
ないよりマシ自由詩1*10/4/26 0:01
判っているんだけどどうしようもないってもんだよ自由詩2*10/4/18 22:25
夏が来ますよ自由詩4*10/4/15 21:49
ペインキラー自由詩1*10/4/12 22:52
赤い瓜自由詩1*10/4/10 17:14
自由詩5*10/4/8 16:50
ドーナッツ自由詩2*10/4/5 16:06
密度に欠けるプール自由詩2*10/4/1 23:23
ブラインドの角度を適当に変化させ続ける、言うなればそういった ...自由詩010/3/26 16:14
受精自由詩4*10/3/24 18:56
冷たい血が俺を生かしている自由詩2*10/3/22 22:29
まわろよ自由詩1*10/3/14 16:56
雨の日、わたしは窓のそばで自由詩2*10/3/9 17:17
列の向こうで烈しく輝く太陽は決して俺の足下を照らすことが無い自由詩1*10/3/4 17:31
錆びた三輪車は深いよどみの中へ走る自由詩1*10/3/3 18:31
傷んだ洗面から賛美歌は始まる自由詩2*10/3/2 16:55
頭上のブルース・それから魅惑のチリ・ドッグ自由詩1*10/3/1 17:20
ふりだしに戻るばかりの小さなさいころゲーム自由詩1*10/2/28 23:24
そんなことはなにも問題にするべきことじゃない自由詩5*10/2/28 11:51
さようなら、過ぎ去った日々よ自由詩1*10/2/24 17:38
冬の夕暮れに便所に立つまでのひとつの乱雑な考察自由詩1*10/2/7 22:02
ハード・ブロウ自由詩1*10/2/2 22:18
いろいろなことを忘れて時間が過ぎる自由詩0*10/2/1 23:01
サイレン自由詩0+*10/1/31 11:33
夜が来る(名前を付けられない喪失なんてまるで人生に付けられた ...自由詩3*10/1/19 17:46

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