黴臭い屋根裏部屋の壁に残るいくつもの傷は昔、幼い兄がもっと幼い妹を数百回刺して殺した跡…妹は、痛いと言えなかった、それが兄との約束だったから、大好きな兄との約束だったから(いいかい、これから僕 .... 私は膝に子猫を抱いている
二日前に死んだ子猫
それはすでに腐敗している
私の腕からその猫の肉体が垂れ下がっている


私は歌を口ずさんでいる
題名が思い出せない歌を ....
出来て100とかそこらの歳で
わかることなどたかがしれてる
齢(よわい)40でまだヒヨッコの
おれはそこそこ幸せもんさ
冬の木枯らし部屋までしみて
だけど雑事はカタつきぎみ ....
強い日差しの中で私は夜を待っていた、冬の日差しは針が降るみたいに痛い、街道の終わりのバス停のベンチに腰をおろして夜を待っていた、成長期を逃した年頃の娘のような顔をして―それは実際にそうだったのだけれど .... 雨の底の
底に
俺は沈んで


終わることのない
脳髄のノイズを聴いている


時間は混濁して
精神は
幾年も日向で放置された
古い
毛布のようで


 ....
持続性にケチのついた情熱の抜け殻、大きな家具屋で買った安物の低反発のクッションの上で鎮座ます、時間は無駄金の垂れ流しみたいでいくら気をつけてもそこから、ほら、そこから、上等なクッキーの粉みたい .... なにも空を飛ばない
なにも地に潜らない
なにも海を泳がない
なにも地上を歩かない

誰も舞台で歌わない
誰も舞台で踊らない
誰も舞台で奏でない
誰も舞台で演じ ....
歩道に溜まった雨粒が静かに夜を抱いている、口笛はマイナーセブンスを僅かにフラットしてる、君の左の袖口は少し濡れている、僕の右の袖口と同じようなセンチで
コンバースの爪先に空き瓶がぶつか ....
底無しのフリーフォールのあとの呆けた感触、俺の脳髄をドロドロに浸食して明け方の赤の中に恍惚と消えて行く、致命的に微睡んだ眼差しの名前はシェイド、外界と内界は断絶されて冷却される、稼働停 .... 日没、砂浜に迷い
野良犬の
鼻先真似
ひくつかせ
虚を探り


塩粒の混じる
匂いは
血液を沸き立てる
唾を吐き
熱を冷まし


人なら ....
滑落の意識はすでに朦朧、自分の掌さえそうと思えない長い朝、白濁する視界に紛れ込む澱、文脈のない戯言が胡椒みたいに四散する脳漿、前頭葉から漏れ零れるものの温度は捨てられた小麦粉に潜むものの体 .... 瘡蓋の縁取りを爪で引っかいているうちに滲み始める薄い血の色みたいな目覚めだ、軋んだ脳髄は明け方の有り得ない夢の感触をリピート設定で再生して水晶体には霧のような濁りがかかる、ああ、ああ、 .... 緩慢な意識の繭に
囚われたまま一日が過ぎた
薄曇りの
湿気た生温い温度のせいか
それとも
もっとなにか他の
避けがたい要因のせいなのか
朦朧とした正気で
オレは一日を綴 ....
冷えた血は黒いのだ
おれの凍結した暗がりにしがみつく、名も知らぬ男の死にざま、光のない時間の、光のない死にざま…残されたものの中におまえの真意を探した、しかし
そこにあるものはおぼ ....
※首吊り自殺の動画について書いています。苦手な人はここで読むのをやめてください。



昨日明け方、某サイトで、自分が首吊って死ぬ様を生中継した若い男がいた。ある掲示板でぶらさがった写真が ....
許されない歌と
悲しまない声の祭り
阻まれない夢と
ひび割れた道の終わり
長い歩みが終わりを告げる
その時の寂しさのような気持ちで
あなたはほんの少しの
木の実を口に含む ....
影の尾を掴み
痴呆する夕方
ぬるい病みの連続と
意識下の模索の交錯
爪を噛みちぎりながら
肉食の夢に
ひとしきり溺れた刹那
見下ろした欠片は
一滴の血液を滲ませることもなく ....
生温い光り方をする情緒不安定な欲望の形を丸飲みする午前、仰ぎ見た明星のなんと鮮やかなことか?口角をむやみに上げた気の触れた女たちの集団が、まだ人もまばらだというのに毛皮の生産に反対して肌身 .... 鈍い響きの衝突音がふたつ街路のむこうで響いて
お前は身をすくめて長いことそのままで居た
銀色の月あかりが割れたボトルを煌かせて
呟きみたいな小さな反射が
壊れた夢とシンクロして跳ね ....
延髄の隙間に滑落した俺の意識
頭頂から降りてくる存在の微かな明かりを
頼りに
七つの難敵をクライミングした
考えていたより途方もない…
時間を、費やした
頑丈な窓が伝達 ....
轟音が
前頭葉を打撃し
頭蓋は中空に
中空に咲くイメイジ
種子は咲けぬ地平に
飛び散り
干乾びながら
次の運命を待つ
飛散した眠り
目覚めは
触れぬ距離を保ちな ....
まんべんなく塗り潰された
午後からの狂想はふたなりだ
気分次第で
どんな快楽にも飛べる
吐き出すも飲み込むもお手のもの
トップレスの神官はすでに出来上がっていて
 ....
剃刀を敷き詰めた絨毯に彼女は寝っ転がって
「私の血液で刃先がだんだんと優しくなる」と
天使みたいな笑顔で笑う
それから俺にそんな顔をしないでと言う
「これで死ん ....
わたしのなかを
あなたのなかを


風がいちど
吹きぬける


あつくもなく
さむくもない


温度とは
呼べそうもない風


放浪、漂流、点在、葬 ....
血管の内壁に致命的な亀裂が走り始める瞬間神経に走る火花の種類、慟哭と憎悪と憐憫と憤怒と悲哀と渇望と安堵が不明瞭な融合を果たすその種類、瞬く内に様々なものの終焉を知る時の震撼する自我、暗 .... 死から始まるものたち、死から始まるものたちの臭いは、退屈と無色に満ちて、俺はまぶたと口を縫われ鼻を塞がれたもののようにいらだって声をあげる、そんなものになんの意味もありはしない、しかし、ひ .... 脳漿の絨毯の上を
俺は歩いていた
それが誰のものなのか
なるべく考えないようにした
靴の底の感触は
あまりなかった
ただ
ときどき
ところどころ凝固したジャムのよう ....
そして夜が更けて俺は考え込むのだ、詩なんてものが俺をどこにも連れて行きはしないことに
それは痛みを鎮めるためのモルヒネと、ほとんどなんの変りもないことがあるのだと、そういうことについて ....
あとで何も思い出せないくらいの人生を生きたい
あの時あそこで何をどんだけ食べたとか
そのあと誰かと湖の閉鎖中のボート乗り場で
かなりきわどいところまで乳繰り合ったとか
そんなことど ....
死産、の様な意味合いを濃くした
陰鬱な夕焼けが最後の太陽の口を塞ぐ
低く唸る鎮魂歌が
少し離れた高架から微かに聞こえて


出来の悪いドブ鼠が時代錯誤な罠にかかって
そ ....
ホロウ・シカエルボク(1191)
タイトル カテゴリ Point 日付
ジョーイとロザリー自由詩3*10/12/17 18:09
冷たい季節自由詩5*10/12/14 23:03
口上自由詩2*10/12/12 22:40
毒虫自由詩2*10/12/9 0:10
ゼロ地点、もしくはエデン自由詩2*10/12/5 1:18
cold water自由詩1*10/12/1 22:14
NAI(内)自由詩2*10/11/28 22:28
巻き戻しか、それとも早送りか自由詩2*10/11/28 19:08
フリー・フォール自由詩010/11/26 23:37
月が来る、音のない葬送のあとで自由詩4*10/11/24 17:28
未浄化の為のいくつものリブート自由詩3*10/11/18 16:19
クズ鉄拾い自由詩1*10/11/17 16:36
ワン・ショット自由詩1*10/11/14 22:05
そんなに長い眠りじゃなくてもいい自由詩2*10/11/12 0:50
奇妙な果実散文(批評 ...2*10/11/10 1:20
記憶の壷自由詩3*10/11/8 16:44
メモリアル自由詩3*10/11/3 17:38
今日もまんざらじゃなかった自由詩010/10/30 14:46
Play it Again自由詩3*10/10/28 23:23
確かな過去なら昨日すれ違った誰かに聞きなよ自由詩1*10/10/26 0:09
引力自由詩3*10/10/20 22:52
ハード・レインは水のブリット自由詩3*10/10/16 10:51
Don't Let Me Down自由詩1*10/10/7 23:46
どちらにしても風は吹き続けるのだから自由詩4*10/10/6 7:17
そしてまた、得体のしれない色を壁面に塗りつけるために自由詩010/10/4 1:11
輪郭は絹糸の様に緩やかでそれは触れることなくただ行先を追いな ...自由詩2*10/9/29 15:38
カナリヤ自由詩1*10/9/22 22:29
そうして夜が更けて俺は考え込むのだ自由詩0*10/9/13 0:12
あとで何も思い出せないくらいの人生を生きたい自由詩7*10/9/5 15:16
ナイト・クルージング(乗員も客も数える必要はない)自由詩1*10/9/4 23:56

Home 戻る 最新へ 次へ
12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 
0.51sec.