人気の無い埠頭から望んだ街はただ灯ばかりが無機の光を放ち
まるで人間の営みとは無関係な顔をしているみたいで
かすかな海の匂いを抱いてそれでもふと
人を遠い空間にいざなって行く
僕に ....
ゴルフはからだの使い方だ
からだの使い方を3分で会得する者もいれば7年で会得する者もいる、ただそれだけのことだ
会得のスピードが才能なら会得するまで諦めない根気強さも才能にちがいない
いのちの使 ....
満月と月に照らされた海面を見ながら若者と話し込んでいた
この若者と話していると月に照らされた海面がとてつもなく愛しく思えてくるのだった
満月が若者で月に照らされた海面がぼくだった
ぼ ....
赤茶けた透明な木々が
大きくて清々しかった
あの清洌の真下を歩く
歩いている
それが紙をめくられるようにちぎられる
ぼくは夢を見ていた
あのひとに昨晩
祖国の秋について話したからだろうか ....
月はあんなに高いのに
その真下しか海は光っていなかった
ぼくがこうやって命を使っても
世界じゅうを照らせないのとおんなじだ
ひかりはこの世の一部分しか照らせないのだ
そのことがぼくを静かにさ ....
入荷を待ちわびていた
会心のケニア
差し出す店主の顔も話し方も
嬉しさを隠しきれていなくて
実はそれが何よりも
目の前の一杯を美味しくする
焙煎機も一仕事終えて
今日は隣りがやけに
華やかじゃあない ....
本日のメイン
アサリの皆さんです
お命
お美しく戴きました
合掌
冬の祖国から君はやって来た
ぼくは君にサーフィンを教えた
君はぼくに祖国の秋の美しさと
命を使うということを教えた
君は祖国に殉ずる
冬の祖国から来た君に殉ずる
ぼくは君に殉ずる
冬 ....
紅葉は木々の葉から
葉緑素がぬけてしまう現象だ
だから紅葉を見つめていると
命が透けているような美を感じるのだ
命はうつくしいが
大切なものではない
もし命が大切なものだとしたら
僕は ....
顔を上げて元気を出せ!
独りぼっちで淋しのか…
「路上で突然ですが、
果物買ってくれませんか?」
「さっきまで
そこで売っていたのですが、
少し残っちゃって」
立川駅の歩道橋の下で
前を歩いていた人に袖にされた、 ....
私がキッチンで手料理を
拵えてると
君はきまって私の好きな唄を
流してくれた
いつだって私を想い
私が居心地のよい環境と
笑顔にしてくれてたんだなと
最近、気が付いたんだ
今、キッチンに立つとね
....
小春は 咲いていた
いたいけな木枯らしに とまどいながらも
茨の木も葉を落として
生まれた詩たちが 真っ裸になる この秋空に あなたは
腹を満たすために
寒さから身をまもる ....
青い水いろの空
公園からはみ出たさくら木
電信柱と電線が
拮抗しながら騒がしかった
世界はじっとしていない
何通りもの風景を
何通りもの異世界を
僕らはただ
奇跡のなかに浮かんで
....
流れ着いたころにはなかった公園
なかったベンチもすっかり馴染み
時を重ねている
けれど経つことない
思いは今日もため息に
変わり移ろいを 笑い飛ばしたいのに
過ぎた写真機を懐いて 佇むばか ....
常温で液体の金属である水銀
調合し身体の永遠を祈り水銀
を呑んだ皇帝や時の権力者も
現在の人々もしている事は同じ
自らの羽を喰らうヘルメスの鳥
だとしたら
ことば に できな ....
編み物教室に
通っていた4年前
今では初心者さん限定だけど
自宅へ招いて友人達に
お教室を開いてます
後輩の愛娘ちゃんにニット帽を
作ってあげた
とても喜んで私の作る
ゆるキャラに笑ってくれまし ....
ぼくは知っている
場所が
今ないことの
口惜しさを
得意であるのに
その場所が
今ないことの
不安を
ぼくは知っている
知っているだけでは
足りない
時間がない
悔しいぞ
....
まだ紅葉の見られない
山々に囲まれて箱根でゴルフをした
のんびりと適当に球を打った
一緒にまわるひとや
キャディーさんとの
人間関係を積みかさねながら
何かを我慢しながら
何かは主張しな ....
死後の世界ではいま
生きてる僕らを弔っていることだろう
そんな閑かな象徴を
車窓を過ぎる風景に見つめていたのだ
密集する集合住宅の横を走っていた
それは生きているとき入るお墓のようで
一 ....
気持ちが沈み込む日には
煮込み料理を
作るに限る
強すぎる想いは
香味野菜と一緒に束ね
鍋で煮込んでしまえばいい
「生野菜で出されたら
たまったものじゃありません」
....
東京の町の端っこが
がんばって光っていた
うまくいかない悲しみも
うまくいってる悲しみも
ゆらり揺られて光って
静かに騒がしかった
地球よ、地球
もっと来い、来い
地球よ、地球
....
ゆりかもめに乗っていたら
富士山の白がくっきりと見えた
忙しくそれを見つめながら
誰に伝えたいのかを考えていた
寂しくもないのに寂しかった
ガキのころちょうどこの季節
ベランダから見えてい ....
夜風がやさしく舐めていた
心たちがそよそよと泣いていた
工事現場のような剥き出しの鉄骨
それがライトアップされてオレンジの夜
引きずる車輪の音がする
闇の中に緑のシルエット
ひかりが時間 ....
好きだから好きになると
いずれ好きでなくなるのかな
嫌いだから嫌いを通していると
いずれ嫌いでなくなるのかな
永遠とよく似た言葉を探しています
どれだけ僕だけが大切にしたかったのか
逃げ ....
明日はきっとある?
明日がなければお金なんてただの紙切れ
明日はきっともっとよくなる?
明日からどんどん悪くなってゆくなら
信仰心なんてただの哀しい気休め
夢や希望はどこだろう
目のまえ ....
そうだ
ぼくじゃないだけさ
それだけのことさ
永遠など存在しない、その理由が
続きゆく時間にある、という矛盾
慈しむ
ぼくじゃないだけさ
それだけのことさ
あの頃を思い出す
おならって
ウンコの叫びなんだと気づいたあの頃
35年ほどまえの秋は
もっとしっかりと秋だった
伊東四郎と小松政夫のコント番組を見ていたら
宿題やりなさい、
そう言って ....
欲望が希薄なら
欲望のイメージで
代替えしてみる
どうにかこうにか
そんなこんなで
生きながらえてる
天気は良好
飛行機雲かすむ
愛してる
じぶんが大好き
泣いてみる
欲望が ....
かえるは、いる?
*パッチワークはしづさん作品
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