24
霜天

24番目の駅で
赤いきれいな花を買う
枯れないうちに帰れればいい
ここより、どこかへ
帰れればいい

車窓は空を飛ぶ
すべる、すべる、寝息の上を
寝息に夜が積み重なって
もう、こんな高さまで
24番目の駅を通り過ぎて
ここまでが今日です
ここからが今日です




とおい日
ドラム缶の中でおおきなゴミを
燃やした
振り返る父
けむりが、ふわっ
空とつながった

とおくからでも見えること
家並の海、波
水平線がひらいて
僕らを飲みこんでも
そこ、そこへ
帰れること
場所




12時が2回まわって
24番目の駅で
赤いきれいな花を買う

25番目の駅へつながる
車窓からはこんなにも遠くが
今でも見渡せる
のに


自由詩 24 Copyright 霜天 2005-01-04 01:39:35
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