黄色い海があってもいいでしょう
膠を火にかける、独特の匂い、かき混ぜながら換気扇を回し
くつくつと沸く鍋底を見つめる
足りない色を数えて
描けない絵のことを考えていても仕方がないね

のめ ....
座敷の鍋の中から窓越しに雲が見える。雲に隠れた月がぼんやりと
少し前の地震で己が実を揺すられ、少し味が出汁に溶け出したかもしれない。
食欲満々の座敷の客たちは鍋の火加減を気にしている。
解体前の ....
君が響いた夜、間違えてどこへとも知れず駆けだして行って、見えなくなって。聞こえなくなって。辺りには月でつくったカンテラがへんてこな影を見繕うばかり。おーい。哀しみとは、こんなもんだっけ?君の喋り方は、 .... 思い出すこともあるでしょうか

大潮の日に月の海
舟に乗って漕ぎ出した

星の光は小さく

私もまた小さかった


からだの中にはたくさんの

ひみつのことば

こなごなに ....
{引用=冬ながら
空より花の散りくるは
雲の彼方は
春にやあるらむ



私たちは

時に自分に負けてしまいます

誰に赦されても
誰に愛されても

足りない命を食いちぎ ....
わたしはきっと見たことがある
祖母の灰色の目をとおしてだけれど
B29がつきぬけるように真っ青な
雲一つない空をはしってゆくのを

疎開するため
汽車で広島を出るとこだった
ちいさな伯母 ....
文章の欠片が部屋の隅で笑う
僕の脳内で言葉に白髪が生えてきて
杖のない単語がよく転んで痛がってしまう

今日は元旦
「あ」から始める餅つき
「け」「ま」りで祝う祈願成就と健康第一
「 ....
3時になったら起こしてねと言って寝室へきみは行った、それからだいたい三年が経ったように思う。
元旦、朝は曇っていたが東の方から掃くように雲は流れ、正午には空は真っ青な顔をして、気の早い蝋梅が ....
金木犀の花を瓶に入れ ホワイトリカーを注ぐ
ひと月ほどして 香りも色も酒に移った頃
金木犀の花を引き上げる

その酒は 甘い香りをたぎらせ 口に含むとふくよかな広がりを持つものの まだ ....
 私は中学を出て、友人の家を転々としながら生きていた。時たま家に帰ったけれど、親は何も言わない。マンションの台所のテーブルやそこらには、たっぷりの食事やおやつが大量に何日もそのまま置かれ、腐って匂いを .... 離れると 音もなく
落ちた 花びらは
ひとつひとつ 冷たく発光して
私たちは 消失のただなかで
不釣り合いな 接続詞を
あてがい続ける

たくさんの 繊細な傷を
指でなぞり 再生して
 ....
実家に帰ろう
犬に触りたい

温かい毛並みに顔をうずめて
額をくっつけて
体をくしゃくしゃにかき撫でて

私のために尻尾を振ってくれる無邪気な魂に

何度も「ただいま」って言おう ....
大草原の中で
馬と暮らしたいな

森の中で
狼と暮らしたいな

暖炉の前で
猫と眠りたいな



わたし
疲れてるんだな
濁るよりほかに
生き延びようがなかったから
水を欲して、
水を求めて、
ここはさながら渇きの底

濁るよりほかに
明るい方向を知らなかったから
黒を試して、
黒を重ねて、
 ....
わたしはもう
石になってしまいました
かつてわたしにも
水だった時代があり
白濁した粘質の水となり
やがて泥となり
固まっていったのです
土として長年を過ごし
生き物をすまわせもし
 ....
まっ白で
海の波とうねりに
磨かれた貝の
欠片を集めて
ぼくはオルゴールを
つくった


貝でつくったオルゴールが
奏でる音色は
聞いたことのないメロディー
なのだけれども
ど ....
瓢箪から駒でなく
駱駝の瘤に乗った一等星
此処は
ソロモンの王冠
もう一度聞く 此処は
十二時の馬車がやって来て
瞼の億で歌い出すもうひとつの物語
此処は
仮面舞踏会の扇
聞 ....
あなたは孤独を陽にかざし
雨に濡らし
肩にかける

からっぽだと感じる
とても軽い

平気だ
本当に平気だと
重たい嘘を吐いては
かしぐ

北の風に寂しさが吹き荒れる日
虚し ....
だれかのためにしたいと思うとき
胸はすみれでいっぱいになった

雨のあとのコンクリートみたいにふしぎに澄んで
すみれでいっぱいになった

そもそものはじまりとして
世界は美しく
ひとは ....
夢の中でブログを
作ってました

私はただただ、
hahahaと入力して
それが、
ははははと
変換されてゆくのみ

これはきっと笑い声
ははははと
送信されてアップされてゆく
 ....
「生きるのは辛いよ」それで当たり前



無くさない人生なんてないわけで



辛いなら逃げる用意を万端に



辛いなら本気で駄々をこねてみろ



{ルビ幸=しろ} ....
 という回文を考えた まだ誰にも負けていない


後輩がおっきな賞をとってから宙ぶらりんの命のキャップ


「夏よりはいいよ」とめんどくさそうにサドルの雪を追い払ってる


あな ....
あなたがわたしにひいた線は
しずかに沈んで いまはもう
ほとんど わたしになりました

種から花へ
あるいは花から種へ
その季節ごとにひいた線は
たがいに絡まりながらなお伸びてい ....
好きなものとは、多少の無理も可能にするものである
たとえば、言の葉を抉り出すことだって、好きでやっているのだ
それは、喩えるなら、広大な菜の花畑で、幼い頃に心を通わせた特別なあの小さなあぶら虫を捜 ....
ひかってるひかってる
秋の心臓が
きらきらとおちてゆく

ふみしめられて
冬飾る金のかざりになってゆくんだ

道をたえず染める心臓たちにまぎれ
秋のふぐりも知らん顔してポトポトと

 ....
なめらかなあなたの肩はバニラ味



すんとした風来坊になりたいな



音しない地球の自転速すぎて



秋のきみ産地直送されてきた



無理を言う机の角を15度に ....
電車の中で

懐かしい訛りが聞こえる


聞き間違えることのないその方言は

故郷の海の匂いがした
夢の中では生きられない時が来ると
理解していた

現実につぶされそうになりながら
私は両手で囲って
頭の中の草原を守った

罵倒と泥の嵐の上に
私の女神が立っている

現実と戦う私 ....
泣きたくなるのは
この映画が美しいから

繰り返し繰り返し
優しさを告げるから

こんな夜は
泣いていいんだ

働いて疲れて寂しくて

寝る前に飲む暖かいコーヒーが
どんな薬よ ....
 
十代前半の頃だったと思う
一遍の詩を読んだ
それは月刊の学生専門雑誌に投稿された入選作品だった
それまで、詩など教科書でしか読んだことはなかったのだけれども
題名に惹かれたのか
それと ....
もっぷさんのおすすめリスト(1763)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
藍に似た色- 青の群れ自由詩917-1-25
鮟鱇の独白- ……とあ ...自由詩12*17-1-25
半真半偽- ピッピ自由詩2*17-1-24
南風- ゼロハチ自由詩5*17-1-19
春待人- ゼロハチ自由詩7*17-1-18
1945、夏、わたしにつながる歴史- 田中修子自由詩11*17-1-5
あけまして- 乱太郎自由詩10*17-1-5
凧、3時- はるな自由詩317-1-4
桂花醬- 鵜飼千代 ...自由詩27*16-12-31
うみのほね- 田中修子散文(批評 ...7*16-12-26
_LED_- 小林螢太自由詩12*16-12-24
Escape_Artists- ガト自由詩6*16-12-24
- ガト自由詩3*16-12-24
濁るよりほかに- 千波 一 ...自由詩516-12-23
- 山人自由詩19*16-12-22
貝のオルゴール- 小林螢太自由詩9*16-12-17
夜風に惹かれて- 乱太郎自由詩4*16-12-16
- ふるる自由詩7*16-12-10
すみれでいっぱいになった- はるな自由詩416-12-10
はははは- minomi自由詩416-12-8
「生きるのは辛いよ」- ふるる川柳3*16-12-6
私勝ちましたわ- ピッピ短歌4*16-12-6
せん- はるな自由詩1716-12-4
好きなものとは- 水菜自由詩4*16-11-29
イチョウとギンナン- 田中修子自由詩5*16-11-29
目をつぶり自転車- ふるる川柳9*16-11-27
最終電車- ガト自由詩10*16-11-27
労働- ガト自由詩7*16-11-27
SAM- ガト自由詩1*16-11-27
マリンスノーの少女- 小林螢太自由詩8*16-11-26

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59